書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

キノベス!2004

番外編・特別賞 『ぼくは悪党になりたい』 笹生陽子

→紀伊國屋書店で購入 (角川書店/税込1,365円) なんで自分だけこんなに我慢しなきゃならないんだ!!」なんて思っているアナタ。なんか心がにごにごしているアナタ。この本を読んでみて下さい。自分の思ったように生きるということは、こんなにもエネルギ…

番外編・エッセイ 『ハイスクール1968』 四方田犬彦

→紀伊國屋書店で購入 (新潮社/税込1,680円) こういう私的な回顧ものを読むと、その人の成り立ち=ネタ元がよくわかる。宗教学専攻でソウル留学経験があり、サイードの翻訳もしているけれど、今は映画史を生業としているヘンな大学教授はこうして生れた!6…

番外編・エッセイ 『妻に捧げた1778話』 眉村 卓

→紀伊國屋書店で購入 (新潮社/税込714円) 大切な人が余命1年と宣告されたら。いったい自分は何ができるというのだろう。小説家の夫は妻のためだけに一日一篇のお話を書き続けることを約束しました。5年間で1778篇。その中の19篇と40年以上にわたる結婚生…

番外編・ノンフィクション 『ヘマな奴ほど名を残す』 ピーノ・アプリーレ著、泉 典子訳

→紀伊國屋書店で購入 (中央公論新社/税込1,680円) われわれは、みな間違いで今ここにいる。レオナルド・ダ・ヴィンチも、ネアンデルタール人も、カエルもダニも。間違いで偶然生命が生まれ、DNAを誤ってコピーし、生命が進化する。弟子を選び損ねたキリス…

番外編・ノンフィクション 『自分の仕事をつくる』 西村佳哲

→紀伊國屋書店で購入 (晶文社/税込1,995円) 一日の大部分の時間を仕事に費やすからには、少しでも納得のいく仕事ができたらいいと思う。もっと若いころは「天職」とか考えたものだが、仕事って「何を」だけじゃなくて、「どんなふうに」「誰と」やるかが…

番外編・教養 『さわりで覚える クラシックの名曲50選』 楽書ブックス編集部

→紀伊國屋書店で購入 (中経出版/税込1,470円) とにかく付属のCDが楽しい。なんと2枚組で150分もあるのだ。BGMにしても良し、全くクラシックが初めての人でも名曲をすぐ覚えることが出来る。なにせさわりなんだから。気に入らなかった曲はすぐ忘れてね。な…

番外編・教養 『数え方の辞典』 飯田朝子

→紀伊國屋書店で購入 (小学館/税込2,310円) 失われつつある、昔ながらの数え方をジャンル別に特徴をまとめた一冊。日本語表現の豊かさ、古くからの日本語を財産として残しておきたいです。今日からはなんでも「1個」では恥ずかしくなる。 〔福井店・高木…

番外編・小説 『メリーゴーランド』 荻原 浩

→紀伊國屋書店で購入 (新潮社/税込1,785円) サラリーマンの悲哀を人情味たっぷりにユーモアを交え、独特の荻原節で書き上げた。結局私達サラリーマンは同じ場所をくるくる廻るメリーゴーランドの様なものなのかもしれない。でもね、乗っていると楽しいん…

番外編・小説 『世界のすべての七月』 ティム・オブライエン著、村上春樹訳

→紀伊國屋書店で購入 (文藝春秋/税込2,200円) 私は本が好きで好きで、本屋になりたくて、紀伊國屋を受けて、入社しました。けれど忙しい日々の中で、だんだんと本に対する愛着は、失われて行きました。そんな時、ある先輩が目をキラキラと輝かせて、この…

番外編・小説 『静かな大地』 池澤夏樹

→紀伊國屋書店で購入 (朝日新聞社/税込2,415円) 「こんなに素晴らしい人たちがいたんだ!読み進むうちに「なぜ?」とつぶやき、「なぜ!」と叫ぶ。人間の愚かさと思い込みの恐さを今さらのように心に刻む。かけがえのないものをどれほどたくさん捨ててし…

番外編・評論 『キリスト教思想への招待』 田川建三

→紀伊國屋書店で購入 (勁草書房/税込3,150円) こういう本を読む時、必ず9.11以降に書かれた本だと思って読むことにしています。答えは書いてないかもしれない。答えは自分で見つけなければいけません。読書とはそういうものだと思います。 〔梅田本店・北…

番外編・評論 『世間の目』 佐藤直樹

→紀伊國屋書店で購入 (光文社/税込1,470円) ○上司と一緒に食事に行った場合は上司より高いものを頼んではいけない。 ○プレゼントをもらったときは必ずお返しをしなければならない。 ○日本では法律の条文どおりに進めようとするとヒナンされる。なぜか(世…

番外編・評論 『負ける建築』 隈 研吾

→紀伊國屋書店で購入 (岩波書店/税込2,310円) 「負ける」というタイトルの言葉には、決してネガティブな意味が込められているわけではないものの、根本的に重厚長大産業である建築に対し著者が様々な限界を見出していることは確かなようです。ケインズ経…

番外編・評論 『文学賞メッタ斬り!』 大森望、豊崎由美

→紀伊國屋書店で購入 (パルコ出版局/税込1,680円) 文学賞=権威の象徴と思っていたのに、「芥川賞は目利きじゃない」「直木賞は賞を与えるタイミングを間違えている」とバッサリ。選考委員に対するツッコミにも笑いが止まりません。日本の文学賞は約500も…