書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『グノーシス考 』大貫隆 (岩波書店)

→紀伊國屋書店で購入 『グノーシスの神話』の編訳者であり、日本のグノーシス研究をリードしてきた大貫隆氏によるグノーシス論集である。さまざまな機会に書かれた論文を集めているが、もっとも完成されたグノーシス文書とされている『ヨハネのアポクリュフ…

『気の力』船井幸雄・岡崎久彦(海竜社)

→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 BGV(Nickel Back/Live at Home(2002)) 「「世の中の構造」と「人間のあり方」 「個の時代」への警鐘 love is not enough you can't change anything」 疲れ過ぎて眠れない夜が続く夕方になると歩く気持ちもま…

『グノーシスの神話 』大貫隆 (岩波書店)

→紀伊國屋書店で購入 グノーシス主義を原典に語らせたアンソロジーである。 グノーシス主義を紹介した本はたくさんあるが、原典にはなかなかふれることができない。『ナグ・ハマディ文書』は岩波書店から学問的な翻訳が全四巻で出ていたが、現在は品切で入手…

『傷ついた物語の語り手――身体・病い・倫理――』アーサー・W・フランク(鈴木智之訳)(ゆみる出版)

→紀伊國屋書店で購入 「病の物語への視座」 初めて読んだときは、何のことを言っているのか分からなかったけど、読み返してみるにつれてピン!と来た――こんな経験は誰しも持っているでしょう。本を読む醍醐味ですよね。 私にとって、そんな経験を与えてくれ…

『原典 ユダの福音書』 ロドルフ・カッセル編 (日経ナショナル・ジオグラフィック社)

→紀伊國屋書店で購入 1700年ぶりに発見された『ユダの福音書』の翻訳に文書の修復にあたった専門家チームの解説と解題をくわえて一冊にした本である。翻訳部分は50ページあるが、注釈が多いので本文だけなら20ページ足らである。 翻訳にあたっての後書や解題…

『ユダの福音書を追え』 ハーバート・クロスニー(日経ナショナル・ジオグラフィック社)

→紀伊國屋書店で購入 死海文書やナグ・ハマディ文書の発見に匹敵するといわれる『ユダの福音書』の発見の経緯を描いたドキュメンタリーである。著者のクロスニーはTVジャーナリストだが、本書も文書の数奇な運命を追いながら文書の歴史的背景と意義をおりこ…

新宿南店仕入だより~6月(『フラット化する世界』ほか)

→紀伊國屋書店で購入 【登場する新刊】---------------------------------------- ●『フラット化する世界』上下巻 (T・L・フリ-ドマン、日本経済新聞社) ●『富の未来』上下巻(A・トフラー&H・トフラー、講談社) ●『人類が知っていることすべての短い歴…

『シェバの女王-伝説の変容と歴史との交錯』蔀勇造(山川出版社)

→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 2006年5月20日、映画「ダ・ヴィンチ・コード」が世界同時公開された。いたずら好きで謎のメッ…

『江原啓之への質問状』江原啓之・丸山あかね(徳間書店)

→紀伊國屋書店で購入 BGM(原田知世/I could be free(1997)) 「たましいの幼い人、カルマの法則 人は何のために結婚するのか 命の価値、生きることの意味」 先日の「トーキョー・バビロン(2006)」の最後の200頁位の疾走感は週末の午後に一気呵成に読み…

POP工房『フォトモの街角』(糸崎公朗、アートン)

→紀伊國屋書店で購入 「写真の模型」=「フォトモデル」=「フォトモ」のこと。 軽~い気持ちで作ってみたら、すっごく面白くてハマっちゃいました!! 今までこんなのなかったですよね…。 「ぬり絵」より脳に良かったりして?! 【梅田本店・舞作店頭POPよ…

POP工房『経済のこと よくわからないまま社会人になってしまった人へ』(池上彰、海竜社)

→紀伊國屋書店で購入 そう、それは私、そしてあなた。 買う、投資する、借りる、世の中をつかむ、備える、納めるの6つのカテゴリーごとに「NHK週刊こどもニュース」元キャスターの池上さんがやさしく解説。 【梅田本店・文作店頭POPより】

POP工房『片想いさん―恋と本とごはんのABC』(坂崎千春、WAVE出版)

→紀伊國屋書店で購入 本当はひとりでぜんぶ買い占めてしまいたいくらい、いとしくて、大切な本なのです。だから、どうか、あんまり急いで読まないでください。片想いさんの呼吸にあわせて、ゆっくりと、噛みしめるように、踏みしめるように、抱きしめるよう…

POP工房『焼きそばうえだ』(さくらももこ、小学館)

→紀伊國屋書店で購入 あまりにもバカバカしすぎる!! スーパーのおばさんとドラえもんに似ているという、本当にツイてない男「植田さん」。 彼の人生を勝手に見かねて、頼まれもしないのに、さくらももこ含む「男子の会」が立ち上がる! くだらなくも壮大な…

POP工房『無伴奏』(小池真理子、新潮文庫)

→紀伊國屋書店で購入 すごくいい本あります! 小池文学の最高峰。 とにかく切ない。 石田衣良氏も 「興奮して眠れなくなってしまった。これから『無伴奏』を読むあなたがうらやましくてたまらない」と大絶賛! ぜひぜひ読んでみてください。 【京橋店・米田…

POP工房『町長選挙』(奥田英朗、文藝春秋)

→紀伊國屋書店で購入 大爆笑! トンデモ精神科医!!の「伊良部シリーズ」第3弾! 『イン・ザ・プ-ル』『空中ブランコ』(直木賞受賞作)の続編ですが、どの順番で読んでも大丈夫。 患者も変だが、看護婦も、さらに医者はもっと変!? 今回も伊良部がやって…

POP工房『ブスの瞳に恋してる』(鈴木おさむ、マガジンハウス)

→紀伊國屋書店で購入 真実はドラマの数倍笑えます! 交際日数0日で結婚!? 放送作家・鈴木おさむと森三中の大島美幸のありえないけど本当のビックリおもしろ新婚エピソード満載です。 声を上げて笑うこと、間違いなしです。 【京橋店・大谷作店頭POPより】 …

『欧文書体 その背景と使い方』小林 章(美術出版社)

→紀伊國屋書店で購入 日常活動にパソコンの存在が欠かせなくなりつつあるのは、音楽家とて同じである。しかし慣れさえすればこんなに便利なものはない。 パソコンの操作が一通りこなせるようになると“カスタマイズの森”に迷い込み、何かとインストールしてみ…

『やめたくてもやめられない脳-依存症の行動と心理 』廣中直行(筑摩書房)

→紀伊國屋書店で購入 夜遅くなると何となくお酒が飲みたくなって、今日こそは少しだけにしておこうと思いながら飲み始めると、ついつい深酒になってしまうという毎日を送っている。自分では明らかにアルコール中毒だと思うのだが、人に話すと中毒とはそんな…

『国境を越える歴史認識-日中対話の試み』劉傑・三谷博・楊大慶編(東京大学出版会)

→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 日本語版と中国語版が同時に出版された本書は、「近年、東アジアにおける歴史認識のギャップを…

『Cascade Experiment』Alice Fulton(W. W. Norton)

→紀伊國屋書店で購入 Perhaps some will call me a poetry purist, but whatever happened to simplicity and subtlety? After reading Alice Fulton’s collection of poetry entitled Cascade Experiment, I was left longing for the elegant arrangements…

『ジーコスタイル』中小路徹(朝日新聞社)

→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 「劇評家の作業日誌(16)」 4年前、一人のブラジル人が日本サッカーの代表監督に招かれた。彼は80年代の世界サッカーシーンでもっとも活躍したスーパースターであり、93年日本で初めてプロリーグが開設され…

POP工房『ひみつの植物』(藤田雅矢,WAVE出版)

→紀伊國屋書店で購入 ピンクのたんぽぽ、真っ赤なヒマワリ、オレンジ色のカリフラワー…。すべて実在するのです! 育ててみませんか? お取り寄せ方法も載っています。 【新潟店・陽作店頭POPより】

POP工房『人類が知っていることすべての短い歴史』(B.ブライソン,NHK出版)

→紀伊國屋書店で購入 この本は宇宙の誕生から現在の世界に至るまでの道のりを物理学、生物学などを元に、わかりやすく面白く描き出していきます。理論確立までの科学史、現象の具体的な解説、科学者たちの面白エピソードも満載!実は、ワタクシ、ただいまこ…

『センセイの書斎―イラストルポ「本」のある仕事場』(内澤旬子,幻戯書房)

→紀伊國屋書店で購入 松田哲夫著『「本」に恋して』(新潮社)でもイラストレーションを手がけた内澤旬子さんの書斎拝見イラストルポ。「古典籍からananまで」が並ぶリンボウ先生の書斎、本棚がない!?南伸坊さんのオフィス、「標本と図鑑にあふれた」養老…

POP工房『あたらしい教科書2 本』(永江朗監修,プチグラパブリッシング)

→紀伊國屋書店で購入 ふむふむ へえー そうだったんだ! 本好きのあなたにぜひ、本棚に加えてほしい1冊! 本が誕生するまでの流れや印刷、デザイン話、コラムでは出版社のマークの誕生秘話、書皮(ブックカバー)の魅力etc…ともりだくさん! 「本」の世界は…

あのメガネ復活? 海外マガジンで体感するW杯!

●季刊「SOCCER DIGEST」(イギリス)最新号は「Top Ten Best World Cup Strikers 」特集●月刊「NATIONAL GEOGRAPHIC MAGAZINE」(アメリカ)最新号は「why the world loves soccer」特集●臨時増刊「SPIEGEL SPECIAL INTERNATIONAL EDITION」(ドイツ)最新号…

韓流に負けるな!「香港」好きのあなたにオススメの海外マガジン!

●季刊「WEST EAST MAGAZINE」(香港、最新号完売)●季刊「WE MEN MAGAZINE」(香港)最新号は浜崎あゆみ特集●月刊「TAIPEI WALKER」(台湾)最新号特集は「優質下午茶(優雅なアフタヌーンティー)」! 韓流ブームの影に隠れ、最近ではいまいちメジャーにな…

『公教育の未来』藤原和博(ベネッセコーポレーション)

→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 産前産後から地域をみつめていくと、気の遠くなるような先の話だけれど、いずれは我が子が学校へ行くということを考えるタイミングが来る。中学校となると、我が子がいつか・・・というよりも自分が中学生だったこ…

『思考のフロンティア 暴力』上野成利(岩波書店)

→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 「思考のフロンティア」シリーズの本を、この書評ブログでとりあげるのも、何冊目になっただろ…

『内臓のはたらきと子どものこころ』三木成夫(築地書館)

→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 「ハラワタ」から子どものこころを考えるということをしてみた人がいる、というのに惹かれて。 子どもの生活リズムを考えるとき、必ずしも外部環境だけを考えるべきではない、そこには「内部環境」も要因として現れ…