2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧
→紀伊國屋書店で購入 地動説か天動説かという論争はニュートンの万有引力の発見で決着がついたと思いこんでいたが、そうではなかった。実験で証明されていないとして信じない人がすくなからずいたのだ。 地球の自転のまぎれもない証拠をつきつけたのがフーコ…
→紀伊國屋書店で購入 「インドから帰国した荒法師がみた日本」 佐々井秀嶺は、日本の総人口よりも多い約1億5千万人のインド仏教徒から上人様と呼ばれる、インド仏教運動のリーダー。故ラジブ・ガンディー首相からインド名、アーリア・ナーガールジュナを贈ら…
→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 ウンベルト・エーコの『前日島』に魔術的な治療法が出てくる。深手を負って腕を切断するしかなくなった銃士を救うために傷口にあてていた布をはがして薬液にひたすと一瞬で痛みがとまり、一週…
→紀伊國屋書店で購入 「ハードなセックスシーンもあるパラノーマル・ロマンス」 バンパイアやデーモンなど超現実世界の住人たちと人間の世界を舞台にした恋愛小説は、アメリカでは人気があり、最近では多くの作品が映画になっている。 今回紹介するのは、そ…
→紀伊國屋書店で購入 「アップルパイ神話」とは、二〇世紀前半のアメリカの主婦たちを「モダンな主婦」たらしめるためにメディアが作り上げた幻想である。本書は、その「モダンな主婦神話」の「巧妙な語り口」を読み解いてゆくことによって、「お袋の味」と…
→紀伊國屋書店で購入 『プリンキピア』は微積分ではなくユークリッド幾何学で書かれているが、もともと微積分を使って導きだした命題を微積分がまだ一般的でなかったのであえて古い手法で書き直したという意味のことをニュートン自身が語っている。 簡単にい…
→紀伊國屋書店で購入 「写真から感じるものと、テキストが伝えるものの狭間で、宙づりになる」 サンダルを履いていたり、裸足だったり。洗い立てのワンピースだったり、汚れた穴だらけのシャツだったり。笑っていたり。穏やかだったり、緊張していたり、放心…
→紀伊國屋書店で購入 ニュートン錬金術研究の第一人者だったB.J.T.Dobbsの最後の著書の邦訳である(Dobbsは「ドブズ」、「ダブズ」等と表記されることもある)。 Dobbsはケインズがオークションで落札しキングズ・カレッジに寄贈したいわゆるケインズ手稿を…
→紀伊國屋書店で購入 「友情の意味」 友人のいない人生ほど、さみしいものはない。恋人がいなくても、友人がいれば人生は生きるに値する。恋人とちがって、友人のあるなしは、いくつになっても大事である。定年後、職場外の友人もなく暇を持てあます夫を見て…
→紀伊國屋書店で購入 21世紀になって、ティーラシンはミャンマー(ビルマ)全土でそれまでの2万人台から急激に増加し、数年間で倍になった。尼僧院も、約3000ヵ所存在する。ティーラシンとは、ビルマ語で「戒(ティーラ)の保持者(シン)」を意味するように…
→紀伊國屋書店で購入 マクミラン社の「ヨーロッパ史入門」というシリーズの一冊である(邦訳はみすず書房から)。235ページあるが、本文150ページほどのコンパクトな本で80ページ以上が用語辞典、索引、300冊近い参考文献、訳者解説、日本語の参考文献にあて…
→紀伊國屋書店で購入 いささか誤解をまねく題名である。副題に「イスラーム文化の役割」とあるので、天文学とはいっても近代天文学の誕生にイスラム文化がどう影響したのかを論じた本だろうと察しがつくが、近代天文学についてふれているのは最初と最後の章…
→紀伊國屋書店で購入 天文学は望遠鏡の登場で大きく変わったが、本書は望遠鏡以前の天文学を17章にわけて通覧した論集である(邦訳版は13章)。副題に「古代からケプラーまで」とあるが、ヨーロッパだけではなく、インド、イスラム圏、極東(中国・朝鮮・日…
→紀伊國屋書店で購入 「げらげら笑って、ボロボロ泣いて。」 紀伊国屋の笹塚店に、ずっと平積みしてあるから、きっと沢山の人がファンなんだろうなぁ・・・と思いながらずっと横目で眺めていました。 そして、とうとう我慢できなくなって、1巻目を買ってしま…
→紀伊國屋書店で購入 「アンソロジーは名作を掘り起こすスコップである。」 好きな曲をセレクトして自作のコンピレーション・アルバムを作ることは音楽の世界ではよくおこなわれてきたが、それと同じことが文学の世界でも起きつつあるらしい。気に入った短編…
→紀伊國屋書店で購入 「慎ましい生の痕跡としての文学」 文学は、なぜあるのだろうか。ある人間がそこに生きていたという痕跡を、自ら「ペン」を使ってこの世界に残すためかもしれない。「パン」を作ったり、食べたりするだけでは満足できない、ややこしい感…
→紀伊國屋書店で購入 「音・ことば・身体の文化誌」 2006年7月のブログで紹介した『「密息」で身体が変わる』の著者、中村明一が新著『倍音』を上梓した。人間同士のコミュニケーション手段として欠かすことのできない「音」の倍音構成をもとに考察された文…
→紀伊國屋書店で購入 東アジア海域を舞台として、近世世界史がようやく見えはじめてきている。本書を読み終えて、最初にそう思った。西欧中心史観としての「大航海時代」と日本のナショナル・ヒストリーとしての「南蛮貿易」は、それぞれそれなりに研究蓄積…
→紀伊國屋書店で購入 「一部だけ西部劇かも」 よしもとばななの小説は、真綿にくるまれたような言葉で書かれている。徹底的にほぐされて骨も抜いてあり、ごつごつしたところがない。セッカチなおじさん的思考の人からすると、のろまでじれったい、いらいらす…
→紀伊國屋書店で購入 「パリ在住剣豪の剣豪小説」 『伊藤一刀斎』の作者、好村兼一は私のパリのアパートから徒歩数分の所に住んでいる。大学の時にパリに来て気に入って住み着いてしまった人だが、フランスの剣道界で彼の名を知らぬものはいないだろう。剣道…
→紀伊國屋書店で購入 「フランス風ブラックユーモア」 イギリス人のブラックユーモア好きは有名だ。かつてダイアナ妃が交通事故で亡くなった時に、同僚が尋ねた。「ダイアナ妃が最後に食べたデザートは何だか知っているかい?」私が分からないと言うと、「タ…
→紀伊國屋書店で購入 「ニューヨーカー誌が期待する若手作家の作品」 人は自分の人生を生きる時、往々にしてふたつの選択を迫られる。ひとつは、自分に課された状況を受け入れ生きていく道。もうひとつは、流れに背いて今ある人生から外れていく道だ。どちら…
→紀伊國屋書店で購入 「<劇評家の作業日誌>(53)」 寺山修司は生きている。本書を読み終えて、最初に感じたのはこのことだった。 もちろんこの本は、寺山修司を主役として書かれたものではない。「演劇実験室◎天井桟敷」の主演女優であり、劇団の名華だ…
→紀伊國屋書店で購入 「重なる視線が意味するもの」 いきなり「共視論」などと言われても何のことか想像がつかない。まるで〝一見さんお断り〟みたいなタイトルである。しかし、このテーマ、かなりの注目株ではないかと筆者は思っている。その可能性と広がり…
→紀伊國屋書店で購入 一般的にネガティブなイメージを持たれがちな西欧中世ですが、本書はイタリア北部のロマネスク教会を中心に、カワイイ、ユーモラスな、とぼけた、美術作品や教会装飾の写真を多く紹介することで、そうした中世美術に対しての親近感を与…
→紀伊國屋書店で購入 本書を読んで、まず思ったことは、「危険な原発はいらない」という当たり前のことが当たり前に書いてある、ということだった。つぎに思ったことは、にもかかわらず、いまも原発による発電に頼って、わたしたちは生活しており、本書はわ…
→紀伊國屋書店で購入 本書の英文タイトルは、British cultural history。日本では、国名として「イギリス」が一般的だが、正式名称は「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)」。ロンドン…
イベント・ホライゾンからこんにちは。 今月も地下一階地図ガイド売場のへんてこ旅行フェア「と!RAVEL Book Fair」がピクウィック・クラブのブログを借用させていただきます。 こちらのフェアもなんと今回で最終回。思えば遠くまで来たものです。 一回目が…
→紀伊國屋書店で購入 「情報と文学の関係」 著者の佐々木中氏は『夜戦と永遠 フーコー・ラカン・ルジャンドル』(2008年)という大部の思想書で、注目を集めた。本書でも特にルジャンドルが重要な導きの糸となっているものの、主題はあくまで「文学」に据え…