2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧
→紀伊國屋書店で購入 「豊臣家と大阪城に捧げるメルヘン」 日本へ一時帰国すると、書店めぐりをしながら、今どんな本が注目されているのか、平積みになっている作品を見て歩くのが常となっている。売れているから読みたいとは思わないが、気になるタイトルや…
→紀伊國屋書店で購入 「科学技術への信頼を取り戻すために」 日本社会について、いったいどのような点を誇りと思うか、というアンケート調査の結果を眺めてみると、興味深い結果が見られる。政治や歴史と答える割合は低いが、経済はやや高く、そして科学技術…
→紀伊國屋書店で購入 「友達は無限には増えないもの?」 本書は、進化心理学者として著名なオックスフォード大学教授、ロビン・ダンバーが専門的な見地を織り交ぜつつ記したエッセイ集である。 論じている対象は、友人関係や言語に始まって、文化や倫理・宗…
→紀伊國屋書店で購入 「ソーシャル系メディアはコンテンツ系メディアの救世主となりうるか」 本書については、やや批判的な書評などもネット上では散見されるようだが、評者はその内容を概ね肯定的に評価しているし、電子書籍をめぐる状況の進展(あるいはそ…
→紀伊國屋書店で購入 「“日常系アニメ”に関する総合的研究」 本書が取り上げている“日常系アニメ”とは、具体的な作品名で言うならば『けいおん!』『らき☆すた』といったような、ごく日常のことを、大きなメリハリもなく、淡々と描き出した一連のアニメのこ…
→紀伊國屋書店で購入 表題のとおり古代ローマの一日を事実にもとづいて再現した架空ルポルタージュである。著者はイタリア国営放送で科学番組のキャスターを長年勤めてきた人だけに、ローマ帝国絶頂期の帝都に実際にテレビカメラを持ちこんで番組を作ったか…
→紀伊國屋書店で購入 本書では、「日本近海のまぼろしの島々について、その〝誕生〟から〝消滅〟までの経緯を追い、それを通して、近代日本の「南進」の一側面を見てゆく」。だが、著者、長谷川亮一は、「あとがき」で、「じつのところ、最初からこのような…
→紀伊國屋書店で購入 中公版『哲学の歴史』の第二巻である。このシリーズは通史だが各巻とも単独の本として読むことができるし、ゆるい論集なので興味のある章だけ読むのでもかまわないだろう。 本巻では紀元前4世紀から紀元後6世紀まで、アリストテレスの没…
→紀伊國屋書店で購入 これは、庭で野菜を育て、愛用のエスプレッソ・マシンを改造し、ニワトリを飼い、シガーケースでギターを作り、木でスプーンを掘り、紅茶キノコを仕込み、養蜂に挑戦する男の勇猛果敢かつユーモアにあふれた活動の記録である。 著者は、…
→紀伊國屋書店で購入 「11歳で誘拐された少女のメモワール」 数年前、自分がレイプされた真相を語った女性のインタビューをアメリカのテレビで見たことがある。インタビューの終わりにその女性は「これで、私を見る目が変わったでしょう?」と彼女は言った…
皆様ご無沙汰しております。ピクウィッククラブです。 前回のフェア、ジンピクの終了から約一ヶ月。ようやく売上ランキングが完成いたしました。 お待たせしてしまい申し訳ありません。これもひとえに売上集計が手間取るくらい多くのお客様にご来店いただい…
→紀伊國屋書店で購入 「地図をもってSF文学の旅に」 SF——サイエンス・フィクション——ときくと、すこし身構えてしまう。うっかりしたことを言ってしまうと、その道に通じた人たちから(つまりSFファン)完膚無きまでにたたきのめされてしまうか、「フッ…こい…
→紀伊國屋書店で購入 本書は、「世界政治叢書」全10巻の1冊である。しかし、ほかの巻のタイトルが聞き慣れた地域名・国名であるのにたいして、本巻のタイトルは「南部アジア」である。この聞き慣れないことばを使った理由を、編者のひとり山影進は「序章 南…
→紀伊國屋書店で購入 「日常のなかに漁師文化の痕跡を探り当てる」 星野博美、待望の新著である。私が星野博美ファンであるのは、彼女のエッセイの手にかかると、何気ない日常の光景がとてつもなく不思議な相貌を持って見えてくるからだ。その妄想力のありよ…
→紀伊國屋書店で購入 「脱獄の天才」 毎年夏休みで日本に一時帰国するが、今回はJRを利用し故郷の北海道を一周した。網走での暑い一日、流氷館や網走刑務所博物館を訪れた。犯罪者が更生のために苦しんだ場所を、興味本位で訪れる事は気が引ける所もあったの…
→紀伊國屋書店で購入 グレン・グールドに関する新しい評論が上梓された。「ピアニストとして演奏活動に携わっている現役同業者の視点から見て、グールドの心理と行動を解き明かす」というユニークなアプローチで、同じくピアノ演奏を生業としている私にとっ…
→紀伊國屋書店で購入 お盆の時期になるとよくTVで、怪談や心霊話を扱った番組が放送される。そういうものが苦手で、子どものころは、その手の話で盛り上がりそうになると、嫌がって耳をふさいだり歌をうたったりといった幼稚な行為にでてその場をしらけさ…
ワンダーランド――明治から平成まで" title="ワンダーランド――明治から平成まで" src="http://bookweb.kinokuniya.co.jp/imgdata/4625684080.jpg" border="0" /> →紀伊國屋書店で購入 「 ここのところ、三歳になる愚息につきあってケーブルテレビのディズニー…
→紀伊國屋書店で購入 「文章の美しさが光る作品」 文章の美しさはどこから生まれてくるのだろう。アメリカ文藝出版社の名門、クノッフより出版された『The Piano Tuner』の第1章を読んで僕はそう考えた。 第1章はたった11ページの章だが、二度読み返した。…
→紀伊國屋書店で購入 「〝老い〟という解放」 英語の詩を読みたい。ひとりだけ選ぶなら、どの詩人がよろしいか? ときにこんな質問をもらう。しかし、「ひとりだけ」というのはなかなか難しい。英詩人は個性派揃いなので、できれば軟派から硬派、閑寂から疾…
→紀伊國屋書店で購入 もう8年前になるが、レオン=ポルティーヤの『インディオの挽歌』という本を読んで文学性の高さに驚き、感銘を受けた。 コロンブス到達以前のアメリカというと人身御供にあけくれる石器段階の未開人しかいなかったと思われがちだが、チ…
→紀伊國屋書店で購入 本書は、日本移民学会創設20周年記念論文集である。学会の記念誌は、その分野の研究史と最先端の研究動向がわかることが期待され、期待通りのものは長く重宝される。本書も、その期待を裏切らないものになっている。 日本移民学会が創設…
→紀伊國屋書店で購入 「親子の絆と運命を描いた小説」 灯りのない夜の海を航海していく一湊の船。深い闇の中で、探し求めていたもう一湊の船が近づいてくる。乗組員は耳を澄まし波の音を聴く。甲板から身を乗り出すと船の微かな灯りが見えた気がした。しかし…
ピクウィッククラブです。 今回の更新では、簡略ながらお知らせと謝辞を述べさせていただきます。 昨日8/7(日)をもちまして、2か月と1週間にわたり開催してきました人文書宣言×ピクウィック合同フェア「人文書宣言第23弾 小説と思考の繋留――〝気づき〟の先…
→紀伊國屋書店で購入 妻のパンツを上手くたためない夫・Aさんの話から本書ははじまる。「たてに三つ折り→さらに三つ折り→先を穿き口にはさむ」という妻のたたみ方ができずに悩むAさん。妻からダメだしを食らうことしばしばなので、洗濯物の山をみると気持…
" target="_blank" > " target="_blank" >→紀伊國屋書店で購入 「居場所を生み出す「まなざし」これだけは手に入れたい15の心得」 NPO法人フリースペースたまりばの西野さんに 何度か、お会いしたことがある。 穏やかな、すきとおった瞳ですうっと心の中に入…
→紀伊國屋書店で購入 「日米戦争を交互の視点から捉える」 アジア太平洋戦争におけるフィリピンでの日本人戦没者は50万人超であるという。凄まじい数字である。ただ、日本人は忘れがちだが、フィリピン人の犠牲はさらに上回り、当時の人口の7%に当る110万人…
→紀伊國屋書店で購入 「<劇評家の作業日誌>(57)」 3・11以後に書かれた文章は、震災と原発の状況から無縁でなくなった。それはある意味で窮屈なほどに、「状況の言葉」として読まれてしまう。 震災直後からツイッターに詩を書き続け、それが反響を…
→紀伊國屋書店で購入 1927年朝鮮生まれの詩人で作家である森崎和江の生きざまを、その時どきの作品とからめて、1975年生まれの近代政治思想史研究者である中島岳志が聞き出したのが、本書である。すでに森崎作品に慣れ親しんでいる人、とくに2008年に刊行さ…
→紀伊國屋書店で購入「殺し文句でする批評」 このところ批評集成の刊行が相次いでいる丸谷才一。7月に出た最新刊がこの『樹液そして果実』である。 作家や作品の名前が止めどなく出てくる丸谷才一の批評文はメニューの豊富なレストランみたいで、どんどん注…