書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『「心の専門家」はいらない』小沢牧子(洋泉社)

→紀伊國屋書店で購入 言葉のひとつひとつ、読み飛ばせないくらいの重さをもって投げかけかけてくる問題提起の本。 心は、傷ついてはいけないのか? ということについて、ゆっくり考えた。 こどもたちが「すごく傷ついた」と言ったとき、私たちはどうするだろ…

『仕事がもっと上手くいく<br> 図解 品よく見せる大人の技術』<br> インプレッション・ワークス(PHP研究所)

図解 品よく見せる大人の技術" title="仕事がもっと上手くいく 図解 品よく見せる大人の技術" src="http://bookweb.kinokuniya.co.jp/imgdata/4569647219.jpg" border="0" /> →紀伊國屋書店で購入 BGM(坂本龍一/ウラBTTB (1999)) 「emotional landscapes …

Be my Valentine. 海外マガジンで海の向こうのバレンタインを学ぶ!

●隔月刊「PAPER WORKS」(アメリカ)●隔月刊「MARY ENGELBREIT'S COMPANION」(アメリカ)●月刊「ESQUIRE US EDITION」(アメリカ) 2月です。今月は、乙女の年間行事バレンタインデーがあります。そわそわうきうき浮き足立っていらっしゃるのではありません…

ワールドカップなんて、まだ先の話…ではございません!~大会前のドキドキ感を高める本3冊

●『Die FIFA WM Deutschland 2006, Der Offizielle Turnierfuhrer』(BERTELSMANN LEXIKON VERLAG)●『2:0 0:6 Die Stadien』(Chris van Uffelen、VERLAGSHAUS BRAUN) )●『THE FIFA100』(Royal Academy of Arts) ワールドカップなんて、まだ先の話……で…

審査員は小学生からあの有名俳優まで!~英国の文学賞ホイットブレッド賞発表!

●『Matisse the Master』(Hilary Spurling、Penguin Books)●『The Harmony Silk Factory』(Tash Aw、HarperCollins)●『The New Policeman』(Kate Thompson、:Random House Children's Books ) ホイットブレッド賞は1971年に創設された英国の文学賞です…

『グラン・モーヌ』 アラン=フルニエ (みすず書房)

→紀伊國屋書店で購入 アラン=フルニエのファン・サイト、legrandmeaulnes.comで、『グラン・モーヌ』の映画のリメイクが今秋公開されるという記事を見つけた。 『グラン・モーヌ』は1913年に発表されたアラン=フルニエの長編小説で、フランスでは青春文学…

『臨床の知とは何か』中村雄二郎(岩波新書)

→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 「臨床」ということばを、『広辞苑』(第五版、1998年)で引くと「病床に臨むこと」とあり、「…

『ロートレアモン全集』 イジドール・デュカス (ちくま文庫)

→紀伊國屋書店で購入 『マルドロールの歌』を二十数年ぶりに読んだ。今でも新鮮であり、面白かった。 昨今子供を狙ったおぞましい事件があいついでいるが、その原型といえるような残虐行為がここには颯爽と描かれているのだ。 わたしが『マルドロールの歌』…

『他者の受容』ユルゲン・ハーバーマス(法政大学出版局)

→紀伊國屋書店で購入 「ロールズ論争の一環」 他者の受容というタイトルだが、受容(Einbeziehung)とは、取り入れる、取り込むという語であり、共同体を他者に開き、他者を取り入れる用意をすることである。ハーバーマスの他者の受容とは、「差異にきわめて敏…

『Classic Fiction of the Harlem Renaissance』edited by William L. Andrews(Oxford University Press )

→紀伊國屋書店で購入 This collection features the work of eight of the most influential African American writers to emerge from the Harlem Renaissance period. The pieces range from Larsen’s “Quicksand,” which seems part drawing room satire …

『Is It Just Me or Is Everything Shit? : The Encyclopedia of Modern Life』Mcarthur, Alan /Lowe, Steve(Time Warner Books)

→紀伊國屋書店で購入 「パートリッジ英語俗語辞典」は今回8版を数える英語俗語の辞典で、その最新版の刊行日、ロンドンのストランドにあるジョンソン博士旧邸での出版パーティーに招かれた。辞典編者や出版社のスタッフが集まる楽しい会合だった。この辞書ほ…

『平和ミュージアム』立命館大学国際平和ミュージアム監修(岩波書店)

→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 本書は、立命館大学国際平和ミュージアムが、2005年4月にリニューアルされたのを機に、「常設…

『繻子の靴』 クローデル (岩波文庫)

→『繻子の靴』上を購入 →『繻子の靴』下を購入 ポール・クローデルの『繻子の靴』の新訳が岩波文庫から出た。訳者はクローデル研究の第一人者渡辺守章で、本文と同じくらいの分量の注と解説が付されている。 とかなり興奮して書いているのだが、ポール・クロ…

『笑わせる側の人生』矢野誠一(青蛙房)<br>『酒場の藝人たち 』林家正蔵の告白(文春文庫 )

→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 「劇評家の作業日誌 12」 演芸や芸能という言葉は今どのように受け止められているのだろうか。長らく芸能の世界で批評やコラムを書かれてきた矢野誠一氏の新著は、この問題をいろいろな面から考えさせてくれる。 著…

『『ビルマの竪琴』をめぐる戦後史』馬場公彦(法政大学出版局)

→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 2005年2月、竹山道雄『ビルマの竪琴』の舞台となった降伏日本軍人の収容所のあったムドンを訪…

『いい音ってなんだろう』村上輝久(ショパン)

→紀伊國屋書店で購入 「ピアノ調律師」という職業をご存じだろうか。平たく言えば「ピアノの音を合わせてくれる専門家」なのだが、この技術者なしでは世のピアニストは生きていけない。 ピアノは、楽器としてはとても複雑で大がかりな構造にできている。ふつ…

はみだし!キノベス!『グロテスクな教養』

→紀伊國屋書店で購入 「紀伊國屋書店スタッフがおすすめする今年のベスト30~キノベス2005」、 選外の書籍にもまだまだ紹介したい書籍がいっぱい!「はみだし!キノベス!」として紹介いたします。 ●『グロテスクな教養』 (高田里恵子、ちくま新書)教養崩…

はみだし!キノベス!『さらりいまんの知恵』

→紀伊國屋書店で購入 「紀伊國屋書店スタッフがおすすめする今年のベスト30~キノベス2005」、 選外の書籍にもまだまだ紹介したい書籍がいっぱい!「はみだし!キノベス!」として紹介いたします。 ●『さらりいまんの知恵』 (さらりいまん強化委員会、PH…

はみだし!キノベス!『信長の棺』

→紀伊國屋書店で購入 「紀伊國屋書店スタッフがおすすめする今年のベスト30~キノベス2005」、 選外の書籍にもまだまだ紹介したい書籍がいっぱい!「はみだし!キノベス!」として紹介いたします。 ●『信長の棺』(加藤広、日本経済新聞社) 日本史最大の謎、…

はみだし!キノベス!『わにわにのおふろ』

→紀伊國屋書店で購入 「紀伊國屋書店スタッフがおすすめする今年のベスト30~キノベス2005」、 選外の書籍にもまだまだ紹介したい書籍がいっぱい!「はみだし!キノベス!」として紹介いたします。 ●『わにわにのおふろ』 (文・小風さち、絵・山口マオ,福音…

洋雑誌編「2006年の傾向と対策~各国の年鑑誌を読む」

●年刊「THE WORLD IN 2006」(イギリス)●年刊「 " target="_blank" >TIME SPECIAL ISSUE: ANNUAL 2006」(アメリカ) ●年刊「DER SPIEGEL JAHRES-CHRONIK」(ドイツ) 2006年最初の月を、どのようにお過ごしですか? 去年の反省や、今年の目標設定などはお…

洋書編「クスッと笑えておまけに豆知識まで仕入れられる本3冊」

→紀伊國屋書店で購入 ●『KNOW-IT-ALL』(A.J.JACOBS、SIMON&SCHUSTER) ●『WHY DO MEN HAVE NIPPLES?』(M.LEYNER&M.D.B.GOLDBERG、THREE RIVER PRESS) ●『IT MUST'VE BEEN SOMETHING I ATE』(J.STEUNGARTEN、VINTAGE BOOKS) ●1冊目)雑誌編集者の著者は…

洋書編「ハリポタより読みやすい!20世紀最高の傑作ファンタジー『ナルニア国物語』を原書で読む!」

→紀伊國屋書店で購入 ●『The Magician's Nephew』 ●『The Lion,the Witch and the Wardrobe』 ●『Prince Caspian:The Return to Narnia 』(以上、C.S.Lewis、Harpercollins) →20世紀を代表するC.S.ルイスの代表作、『ナルニア国物語』。映画化に世界中が注…

『グローカルネットワーク-資源開発のディレンマと開発暴力からの脱却を目指して-』栗田英幸(晃洋書房)

→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 「グローカル」という言葉を聞いて、10年以上になる。大学の授業でも、はじめは詳しく説明した…

『ヘーヘーホーホー40年!』昭和のいる・こいる (ポニーキャニオン)

→紀伊國屋書店で購入 BGM(山崎まさよし/ドミノ) 「Head like a hole Maybe I'm all messed up それでも私、格闘技の味方です」 新年早々何ですけど、正直、突然生きているのがつらかったりします。あまりにもまともなのかまともでもないのかのような生活…

『Constantinople : The Last Great Siege, 1453 』Crowley, Roger(Faber and Faber)

→紀伊國屋書店で購入 一昨年だったかピカデリーのRoyal Academy of Artsで行われた「トルコ展」に出かけた。RAAは内容の濃いオリジナルカタログを作る美術館で特別展はどれも質が高いが、このトルコ展もモンゴル経由の中国文化、東アジアの文化、アラブイス…

『複雑適応系における熱帯林の再生-違法伐採から持続可能な林業へ』関良基(御茶の水書房)

→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 1978年以来、もう何回ルソン島を上空から見たことだろうか。見るたびに、森が消え、禿げ山化す…

『FM‐7 FM‐8 はるみのゲーム・ライブラリー』高橋はるみ(ナツメ社)

→紀伊國屋書店で購入 プログラミングが大好きだった。10歳の時にNECのPC-6001を手に入れて以来、小・中学校時代の生活のテーマは常に「いかにプログラミングの時間を確保するか」だった。先生に怒られて時間を無駄にするほど悪くもなく、かといってクラス委…