2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧
→紀伊國屋書店で購入 ケプラーが25歳の時に出版した処女作である。この本がチコ・ブラーエに認められ、共同研究者格(実質は助手)で招かれ、ケプラー三法則の発見につながっていく。ケプラーの三法則がなかったらニュートンの万有引力の理論もなかったわけ…
→紀伊國屋書店で購入 「自由とは人間だけが生み出す人工的なイメージである」 天才、森博嗣による「自由論」である。 森は自由に生きてきた人である。いまも自由だろう。だから、凡人である私たちはその生き方を特別視してその自由な姿勢を、天然のものであ…
→紀伊國屋書店で購入 「写真機がもたらす孤独、それが物語る「東京」」 街を歩くのが何よりも好きな私は、天気のよい夕方など、いまこのときに輝いている何かがどこかで待っているような気がしてそわそわする。風景は光や湿度や風の具合によって佇まいを変え…
→紀伊國屋書店で購入 「世の中は、スポーツとは違い、実力主義ではない こうして半年が過ぎ、私は朽ちて堕ちて行く 真実を伝えたところで、この世は成り立たず 私はこうして死んで行く」 私への論評は私の糧(かて)にはなるが、それでも、真実を伝えられな…
→紀伊國屋書店で購入 1601年10月24日、チコ・ブラーエは亡命先のプラハで54歳で急死した。死因は尿毒症か尿路感染症とされてきたが、本書は水銀製剤による毒殺であり、下手人は共同研究者だったケプラーだと告発している。 400年もたってなぜそんな話が出て…
→紀伊國屋書店で購入 「ヴァーチャルから実体へ」 宗左近が逝って4年になる。東京大空襲の時に、手を離したために母を死なせてしまい、自己への叱咤のために「そうさ、こんちくしょう!」と言ったのがペンネームの由来だというのは有名だ。だがそんなエピソ…
→紀伊國屋書店で購入 「アメリカのライトウイング司会者が伝える「嘘」」 前回の大統領選で共和党候補のジョン・マケインが負け、勢いを失ったアメリカの共和党。共和党はいま党を引っ張っていくリーダー不在の形だ。 一方、オバマ・アドミニストレーション…
→紀伊國屋書店で購入 「意識と身体のままならなさが、敗北の官能を呼び込む」 脳性麻痺とは何か。さまざまな本が書かれてきた。当事者、家族、専門家・・・。マイノリティのなかのマイノリティといえる脳性マヒ者たちは語られつくされている。そう思っていた…
→紀伊國屋書店で購入 「日本赤十字社の歴史は、その高い知名度に反して、一般的にはあまりよく知られていない」という。その理由は、「第一に、人道援助そのものにたいする一般的な関心の高まりが、湾岸戦争以降の「国際貢献」をめぐる議論に触発された側面…
→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 ケストラーの『ヨハネス・ケプラー』は科学史の本として異例のベストセラーとなった『The Sleepwalkers』(1959)の第四章の邦訳である。あまりにも面白かったので原著をとりよせて最初から読んでみた。 「人間の宇宙…
→紀伊國屋書店で購入 「初の入門書」 アガンベンの仕事もかなりまとまってきて、彼の思想を紹介する書物が登場し始めた。英語版でも五冊から六冊はある。これはドイツの研究者による入門書である。雑誌『現代思想』の特集号(二〇〇六年六月号)を別とすると、…
→紀伊國屋書店で購入 パラダイム理論で知られるトマス・クーンが1957年に上梓した処女作である。クーンは本書の5年後、『科学革命の構造』でパラダイム理論を提唱し、科学史のみならず思想界に衝撃をあたえることになる。 本書にも2ヶ所「パラダイム」という…
→紀伊國屋書店で購入 見えないものへの思いをたぐりよせる「聴き語り」の力 新潟県北部。河口からたどると、松山、村上、千綱、岩崩、三面を流れる三面川の上流に作られた奥三面ダムのために、三面地区は昭和60年9月に閉鎖された。朝日連峰の山中にあって、…
→紀伊國屋書店で購入 「身体性と結びついた知能」 本書は、知能を「身体性」との関わりから問おうとする研究書である。著者たちは、思考が行われる場を脳の外に、具体的には、身体と環境の接面において見ようとする。彼らによれば、空間的認知や社会的認知は…
→紀伊國屋書店で購入 「建築家の目で見た北京の都市論」 北京の中心部は、背が低く敷地面積の大きい建物が、地を覆うように建っていて、のっぺりとした印象を与える。また、長安街や環状線などの道幅の広さにも、多くの人が驚かされるだろう。東京やソウルと…
→紀伊國屋書店で購入 「特撮のパトリオティズム」 脚本家・上原正三は、日本の特撮の歴史を語る上で不可欠の存在である。上原は、円谷プロダクション制作の『帰ってきたウルトラマン』でメインライターを務めた後、いわゆる「戦隊モノ」の草分け的存在にあた…
→紀伊國屋書店で購入 「あたかも世界を編集しているような「現代写真」のありよう」 写真ほど誕生以来、激しく変し多様化を遂げてきたメディアはないだろう。撮り方のスタイルや様式だけでなく、それがもつ社会的な意味が大きく変化してきた。写真はカメラで…
→紀伊國屋書店で購入 仕事柄なるべく目を通しておいたほうが良い類の本があって、大学や出版や電子書籍といったテーマの本は、どうしても手にとってしまいがちだ。で、今回はまさにその名の通りの『大学論』。大塚英志氏が神戸の大学でまんがを教えているこ…
→紀伊國屋書店で購入 「超効率的努力のススメ」 桑田が高校から読売ジャイアンツにすんなり入団し、清原が不本意にも西武ライオンズに入団せざるを得なかった1986年当時、私はウィーンで暮らしていた。ウィーンで、地球の裏側にある日本でのプロ野球事情が報…
→紀伊國屋書店で購入 「一級のミステリー」 これは二〇〇六年五月に初めてコプト語の原文が発表された『ユダの福音書』の本文とその読解である。新約聖書の伝統的な外典には、このような文書は存在しない。「裏切り者」のユダを書き手あるいは主人公とする福…
→紀伊國屋書店で購入 「小説家になりたいなら小説を読むな!!」 小説家という職業 天才作家、森博嗣の執筆のノウハウがすべて公開されている。おもしろい。読むべし。(と書いたものの、僕は森博嗣の小説作品をまともに読んだことはないのだ。エッセイのほ…
→紀伊國屋書店で購入 現在イスラーム教徒が居住する地域は、もともと遊牧民、海洋民などが多く、イスラーム化以前からグローバルな経済活動をおこなっていた。それらの人びとが、このグローバル化の時代に手をこまねいているわけがない。イスラーム銀行の試…
→紀伊國屋書店で購入 「ホネットのポストモダン論」 フランクフルト学派の第三世代のホネットの粘り強い思考が記録された一冊である。時事的な論文も含まれるが、注目は前著の『承認をめぐる闘争』での考察を展開した「正義の他者」と、文明がもたらす害悪に…
→紀伊國屋書店で購入 「消えゆく新聞社とそこに関わる人々の人間模様」 旧式のコンピュータが並ぶ古いニュースルーム。机の上には資料や新聞が山と積まれ、床には煙草の吸い殻が散らかっている。 こんな新聞社で働く人々にはどんな運命が用意されているのだ…
→紀伊國屋書店で購入 「天城越え」 先日、天城峠を訪れた。目的は中伊豆温泉巡りだったのだが、今にして思えば、一度は訪れてみたかった峠が、どこかで温泉道楽の行き先を定めていたのかもしれない。天城峠に惹かれたわけは、本書『黒い画集』に収められてい…
→紀伊國屋書店で購入 「認知科学の可能性と行き詰まり」 『心の哲学』のシリーズ二冊目『ロボット篇』である。ただしロボットが直接に登場するのは、フレーム問題を取り上げた第三章「ロボットがフレーム問題に悩まなくなる日」だけであり、認知科学のさまざ…
→紀伊國屋書店で購入 「「障害者ビジネス」に参入するときの必読書」 タイトルの通り、障害者を取り巻く経済についてまとめられている。ストレートな内容である。しかし、このような直球の書籍はこれまでなかった。 障害者について論じられた書籍というと4つ…
→紀伊國屋書店で購入〈上〉 →紀伊國屋書店で購入〈下〉 朝鮮戦争は、米国人にとって「忘れられた戦争」「歴史から見捨てられた戦争」であるという。米国と中国の参戦によって戦線は膠着状態となり、「Die for a tie」、引き分けるために死ぬ「二流」の戦争と…
→紀伊國屋書店で購入 著者、松方冬子の博士論文をもとにした『オランダ風説書と近世日本』(東京大学出版会、2007年)を読もう読もうと思いながら、延び延びになっているうちに、この新書が出た。 本書は、1960年代まで支配的であった「江戸時代の日本は国を…
→紀伊國屋書店で購入 「サマーリーディングにお勧めの一冊」 最近あまりお目にかからなくなったが「チックリット(chick lit)」という言葉がある。チックリットとはchick literature(若い女性の文学)の略で、若い女性が登場人物となり、自分を取り巻く社…