2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧
→紀伊國屋書店で購入 「社会学的なマニュアル本~若者を使いこなすために」 本書のタイトルにある「トリセツ」とは、取り扱い説明書の略である。だが、本書を読めば、たちどころに若者たちを取り扱うのがうまくなるかといえば、そうではないだろう。むしろ、…
→紀伊國屋書店で購入 「鉄道マンガの新しい可能性として~見事にキャラ化された中央線の各駅」 空前の鉄道ブームが起こっている、と言われて久しいが、そうした中で、これまでにあまり関連を持たなかったようなジャンルにおいても鉄道の姿を目にすることが多…
→紀伊國屋書店で購入 「鉄道文化史という壮大な試みへの序奏」 先月の東日本大震災は、語弊を恐れずに言えば、首都圏においては壮大な(負の)社会実験だったという側面を持つのではないだろうか。 評者自身、当日は「帰宅難民」の一人となったが、改めて日…
→紀伊國屋書店で購入 「「国敗れて、鉄道あり」~変わらずにあり続けるものがあたえてくれるもの」 本書のタイトルを文字通りに受け取るならば、時刻表そのものの歴史的変遷を記した書物を想像してしまうかもしれない。しかし、あとがきで「「私の」を冠すべ…
→紀伊國屋書店で購入 本好きの友人にきくと、たいていみな、うんと小さな子どもころお気に入りだった思い出の絵本があって、自分から欲しいと申し出るまで、親から本を与えられた記憶のない私にはうらやましい話である。 しかし、そもそも私は絵本にあまり興…
→紀伊國屋書店で購入 カロリング・ルネサンスのはじまった8世紀末からグーテンベルク前夜の15世紀前半まで、700年余の口語と文章語の関係を跡づけた本である。本書は岩波書店から出ている「ヨーロッパの中世」シリーズの一冊で、著者の大黒氏は中世イタリア…
→紀伊國屋書店で購入 ホメロスの叙事詩が筆記されはじめた頃からローマの公共図書館が荒廃に帰すまでの千年間の書物の歴史を描いた本である。著者のホルスト・ブランクは考古学と文献学を学んだ後、ローマにあるドイツ考古学研究所附属図書館に司書として勤…
→紀伊國屋書店で購入 慶応大学が1996年にグーテンベルク聖書を丸善から購入したのを期にHUMIプロジェクトというデジタルアーカイブ事業をはじめたことは高宮利行氏の『グーテンベルクの謎』と安形麻里氏『デジタル書物学事始め』で紹介されているが、本書はH…
→紀伊國屋書店で購入 1991年 米国から輸入された1頭の種牡馬が日本の競馬界に革命をもたらした。彼の名は“サンデーサイレンス”。優秀な競走成績を残しながらも、血統的には高い評価をされなかったため、母国米国では種牡馬となれず、日本に来たといわれてい…
→紀伊國屋書店で購入 「トップ科学者たちが語った近未来の世界」 私の息子は2002年に生まれ、21世紀を生きることになるのだが、彼が暮す21世紀の後半はどんな世界が待っているのだろうか。 時代的にみると、ヘンリー・フォードがT型フォードを発表したのが19…
→紀伊國屋書店で購入 「震災後の不安だらけ世界で、歯車として淡々と生きる」 3月11日の震災から、いつものようにものを考えることができない、書くことができなくなってしまった。3月から新しい土地(豊橋市)、新しい現場(転職しました)になったため、公…
→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 著者の箕輪成男氏は東京大学出版会をへて国連大学、愛知学院大学、神奈川大学などで教鞭をとった人で、日本出版学会会長、国際学術出版協会会長を歴任しておられる。ヨーロッパの出版史について『パピルスが伝えた…
→紀伊國屋書店で購入 音楽史、美術史とみてきて、著者、久保昭博の文学史の見方も変わってきた。それは、本シリーズ「レクチャー 第一次世界大戦を考える」の既刊だけではなく、2007年から4年間にわたって、月2回ペースで研究会を続けている共同研究の成果で…
→紀伊國屋書店で購入 活版印刷術の登場によってヨーロッパ社会がこうむった根本的な変化を研究した本であるが、「印刷革命」という表題は誤解をまねくかもしれない。本書の執筆のきっかけはマクルーハンの『グーテンベルクの銀河系』(1962)だったという。ア…
→紀伊國屋書店で購入 「物作りの哲学者」 素朴な疑問を抱き、素直に驚き、率直な問いを立てる。常識や先入見を鵜呑みにせず、自分で考え、調べ、読み、また考える。そういう単純な営みが、哲学である。 本書にはその営みが生きている。のみならず本書では、…
→紀伊國屋書店で購入 「被災の周辺へのまなざし」 1995年1月の阪神・淡路大震災当時、神戸大学医学部の精神科教授だった中井久夫は、自ら被災者としてあたった救援活動の切迫感あふれるドキュメントを、ともに活動したスタッフやボランティアたちと共著で、2…
→紀伊國屋書店で購入 2002年に上梓された『ウィーン・オーストリアを知るための50章』の改訂版が完成した。章の数も7つ増えた上に、旧版では4つしかなかった「コラム」が17にもなった──というわけで、本書には表題の地域に関する詳細な情報および洞察と並ん…
→紀伊國屋書店で購入 活版印刷術の登場によって写本の時代は終わったが、二千年以上つづいた写本の文化は一朝にして廃れたわけではなかった。最初の五十年間、揺籃期本(インキュナブラ)の時代には依然として写本の方が格が高く、活字本は写本を真似ようと…
→紀伊國屋書店で購入 グーテンベルク聖書を例にして書誌学の歴史と未来を展望した本である。書誌学というと図書館のデータベースや文献リストを思いうかべる人が多いと思うが、本書によるとそれは体系書誌学とか列挙書誌学と呼ばれる分野で、それとは別に分…
→紀伊國屋書店で購入 『人類最高の発明アルファベット』を書いたジョン・マンによるグーテンベルクの伝記であるが、おそらく決定版といっていいだろう。富田修二氏の『グーテンベルク聖書の行方』の第二章の伝記と8ページの年譜、高宮利行氏の『グーテンベル…
→紀伊國屋書店で購入 丸善が1987年に落札したグーテンベルク聖書は1996年に慶應義塾大学に売却された。ドヒニー本は現在では慶應本と呼ばれている。慶應義塾大学は人類の宝を単に保存するだけではなく、デジタル化して広く世界に公開する決定をし、HUMIプロ…
→紀伊國屋書店で購入 1987年10月22日、洋書の輸入販売で知られる丸善はニューヨーク・クリスティーズのオークションでドヒニー本として知られるグーテンベルク聖書を490万ドル(当時の邦貨で約7億円)で落札した。オークションの時点で現存するグーテンベル…
→紀伊國屋書店で購入 本書を読んで、あらためて芸術のもつ奥深さを感じた。だが、時間も空間も、あらゆるものを超えて、作品に込められたメッセージを読むことは、それほど簡単ではない。それだけに、著者のような優れた「翻訳者」がいると助かる。 著者が本…
→紀伊國屋書店で購入 記号学者ウンベルト・エーコと脚本家ジャン=クロード・カリエールが本に関する蘊蓄をかたむけた対談本である。 ジャン=クロード・カリエールについてはピーター・ブルック一座の座付作者くらいの知識しかなかったが、IMDBを見ると『ブ…
→紀伊國屋書店で購入 「猫を追悼する」 『吾輩は猫である』を処女作とした夏目漱石は、未完の『明暗』を絶筆として、1916年(大正5年)49歳で他界している。僅か10年の執筆人生で、漱石は不朽の名声を残したわけだが、『明暗』は立体的な心理小説として、そ…
→紀伊國屋書店で購入 「通路の堀り方」 母方からの遺伝だと思うが、筆者は小さい頃から算数が苦手であった。現在、ある学会の事務局で働いており、この時期になると予算だの決算だので「租税公課支出」とか「他会計振替収入」とか「前期繰越収支差額」といっ…
「音楽」パビリオンへの来客数殺到で幕を開けた「ぶんぱく'11」、早くも二週目の結果が出ましたのでここに発表致します! 第二週目集計期間:4/9~4/15 【パビリオン】 第1位:「美学」パビリオン 第2位:「アート」パビリオン 第3位:「音楽」パビリオン 第4…
→紀伊國屋書店で購入 「作家自身による作品誕生譚」 「作家」という名の人はいない。だが「作家」というカテゴリーに属する人達がいるのは確かなようだ。一体どのような人を「作家」と言うのだろうか。辞書の定義では「詩歌・小説・絵画など、芸術品の制作者…
→紀伊國屋書店で購入 「エルモア・レナードのヤング・アダルト作品」 僕は今はニューヨークに住んでいるが、昔2年ほどロサンゼルスに住んだことがある。 そのロサンゼルスで僕は三度居場所を変えた。初めはユニバーサル・スタジオの近くのアパートに住み、…
→紀伊國屋書店で購入 「本資料集は、極東国際軍事裁判(以下東京裁判と称す)において、国際検察局(International Prosecution Section, IPS と略)が、日本軍の戦争犯罪を立証するために準備した証拠書類(公文書、宣誓供述書、尋問調書、未提出証拠)中か…