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プロの読み手による書評ブログ

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『世界史の中の日本国憲法』佐藤幸治(左右社)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「立憲主義の本質は政治に対する法的統制である」 本書(佐藤幸治著『世界史の中の日本国憲法』左右社、2015年)のメッセージは、一言でいえば、上のタイトル「立憲主義の本質は政治に対する法的統制である」ということに尽きる…

『大分岐-中国、ヨーロッパ、そして近代世界経済の形成』K. ポメランツ著、川北稔監訳(名古屋大学出版会)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 帯に「ユーラシアにおける発達した市場経済は生態環境の制約に直面していた。なぜ西欧だけが分岐していったのか。グローバルヒストリーの代表作」とある。「グローバルヒストリー」ということばは、本書の原著英語版が出た2000…

『天才を生んだ孤独な少年期 ダ・ヴィンチからジョブズまで』熊谷高幸(新曜社)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「天才と孤独」 本書(熊谷高幸著『天才を生んだ孤独な少年期―ダ・ヴィンチからジョブズまで』新曜社、2015年)の存在を知ったのは地元紙の読書面に短い紹介が出ていたからだが、「天才と孤独」というテーマには惹きつけられる。…

『勝つまでやめない! 勝利の方程式』安藤宏基(中公文庫)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 インスタントラーメンは、2012年に世界の総需要が年間1千億食を超えた。著者は、インスタントラーメンを最初に開発した創業メーカー日清食品の2代目社長である。日清食品は、国内25億食、海外110億食、計135億食、全世界の13.5…

『「からゆきさん」-海外<出稼ぎ>女性の近代』嶽本新奈(共栄書房)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「本書の大きな目的のひとつは、この「からゆきさん」と呼ばれる、しかし生き様は様々であった女性たちを取り巻く言説とまなざしの変容を、時代を追って検討していくことにある」。 さらに詳しく、同じく「序章」で、著者嶽本新…

『近代日本社会と公娼制度-民衆史と国際関係史の視点から-』小野沢あかね(吉川弘文館)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「男たちの放蕩や「家」の没落を招いた遊郭。女たちの勤倹貯蓄精神や修養意欲は、どう公娼制度批判へ発展したのか。また、東アジアに拡大した日本の公娼制度政策の特徴を国際関係史的視点から解明。慰安婦問題の歴史的前提にも…