書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『起源のインターネット』 喜多千草 (青土社)

→紀伊國屋書店で購入 『インターネットの思想史』につづく本である。『インターネットの思想史』が実質的には『パーソナル・コンピュータの思想史』だったように、本書も『起源のパーソナル・コンピュータ』と題すべき内容である。 起源のパソコンとはゼロッ…

『きょうも、いいネコに出会えた』岩合光昭(新潮社)

→紀伊國屋書店で購入 BGM(Jeff Beck/Beck Bogert Appice(1973)) 「今朝は3:30に起きて まだ星がきれいな時間に家を出た 月明かりのシルエットに黒猫が横切る 幸運の兆しだ」 例えば朝の4:00、マンションの1階では新聞配達人が床に新聞の束を置き、フロ…

『インターネットの思想史』 喜多千草 (青土社)

→紀伊國屋書店で購入 インターネットが中心をもたない分散型のネットワークになっているのは核戦争に耐えられるようにするためだという説がある。たいていのインターネット入門書にはそう書いてあるし、インターネットの前身がアメリカ国防総省の肝いりで作 …

『Possibilité d’une Ile -Prix Interallié 2005- 』 Michel Houellebecq (Editions Fayard):English translation 『The Possibility of an Island』 (Translated by Gavin Bowd)

→紀伊國屋書店で購入(英訳版) Michel Houellebecq is a provocative and direct author. Possibility of an Island is his latest novel for which he has won the 2005 “Prix Interallie” which rewards novels written by journalists. After reading Fre…

『疎結合―Web Serviceの残された課題』Doug Kaye(新紀元社)

→紀伊國屋書店で購入 ここ数ヶ月、Web2.0についての書籍が売上を伸ばしている。もちろん、IT分野に興味のある方であれば、Web2.0という言葉は1年以上前から耳にしていたはずだ。だが、リアルな出版物のタイトルにまでそれが使われ始めたのは、Web2.0がバズワ…

『アルファブロガー』 FPN (翔泳社)

→紀伊國屋書店で購入 多くの人から読まれトラックバックされる、強い影響力をもったブロガーを「アルファブロガー」という。 Future Planning Netというグループが「日本のアルファブロガーを探せ」というアンケートを2004年と2005年におこなったが、本書は2…

『長崎出島 オランダ異国事情』西和夫(角川書店)

→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 長崎の出島に行かなくても、http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/dejima/index.htmlを見れ…

『病院で死ぬということ』山崎章郎(文藝春秋)

→紀伊國屋書店で購入 「私たちが好む死のあり方を映し出す鏡」 この本には、医師である著者が病院での死のあり方に疑問を抱き、ホスピスを志すようになる軌跡が綴られています。前半部分には、病院での死を示す典型例がいくつかの物語として収められており、…

『ブログ 世界を変える個人メディア』 ダン・ギルモア (朝日新聞社)

→紀伊國屋書店で購入 最近は日本でもblogという言葉がすっかり定着したが、本書はblogの可能性を熱っぽく語った本である。 従来のジャーナリズムは権威ある新聞社や放送局、出版社が一方的に読者・聴取者に御高説をたれる講義型だったが、blogの登場により、…

『人は見た目が9割』竹内一郎(新潮新書)

→紀伊國屋書店で購入 →bookweb →bookweb →bookweb BGM(Char/気絶するほど悩ましい(1977)) 「目の力、覇気、smart、sharp、wit 人を和(なご)ませる快活さオーラ 目を細めてものを見るなんて論外 やっぱ英語出来ない男は**でしょ」 「人は見た目が9…

『グーグル Google - 既存のビジネスを破壊する』佐々木 俊尚(文藝春秋)

→紀伊國屋書店で購入 Google検索やGoogle地図を利用したり、Googleに関する記事や書籍を読んだりすると、Googleの技術の凄さや人間の優秀さはよくわかるのだが、 実際のところGoogleのビジネスモデルはどうなっているのか? Googleに弱点は無いのか? Googleは…

『才能の森—現代演劇の創り手たち 』扇田 昭彦(朝日新聞社)

→紀伊國屋書店で購入 「劇評家の作業日誌](14) 現在の演劇評論を代表する扇田昭彦氏は、もっとも多産な批評家の一人だ。すでに10冊以上の著書を持ち、60年代以降のアングラ・小劇場運動を世に知らしめた最大の功労者であることは周知のことだろう。…

『歴史和解は可能か-東アジアでの対話を求めて』荒井信一(岩波書店)

→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 2月11日の建国記念日の朝、靖国神社に行った。街宣車の垂れ幕には、「小泉改革」の文字がある…

POP工房『きよしこ』(重松清、新潮文庫)

→紀伊國屋書店で購入 重松清さんのこういうところが好きです。 「お話は―少なくともぼくの書くお話は、現実を生きるひとの励ましや支えになどならないだろう、と思っている。ましてや、慰めや癒しになど。ぼくはそこまで現実をなめてはいないし、お話にそん…

POP工房「うんこのえほん」シリーズ(文・村上八千世、絵・せべまさゆき、ほるぷ出版)

→紀伊國屋書店で購入 うんこは堂々としていいんだよ! 思わず楽しくなっちゃう!?「うんこのえほん」シリーズ!●『うんぴ・うんにょ・うんち・うんご』特大ポスター付き!●『うんこダスマン』特製うんこの種類シール80枚付き!●『がっこうでトイレにいける…

POP工房『ラッシュライフ』(伊坂幸太郎、新潮文庫)

→紀伊國屋書店で購入 祝文庫化! 空き巣を繰り返すプロの泥棒・黒澤、リストラされ、それからなぜか柴犬がついて来て、ひょっこり銃を手に入れてしまった男、愛人の妻を殺そうと画策するカウンセラーの京子、そして新興宗教の信者と、恩人である画商を裏切り…

POP工房『オニババ化する女たち―女性の身体性を取り戻す』(三砂ちづる、光文社新書)

→紀伊國屋書店で購入 アッ、オニババだ! ●異性とのお付き合いは早めに… ●初体験は10代のうちに… ●とにかく早婚を… ●お産は早いうちに… これらを怠るとオニババ化するらしい。本当なのかっー!? …そうなるとオニババは増える? 正解は本書で。 【玉川高島屋…

POP工房:ペンギン社「グレートアイデアズ」シリーズ(E.Gibbon『The Christians and the Fall of Rome』)ほか

→紀伊國屋書店で購入 1935年にイギリスで立ち上がったペーパーバック「ペンギン・ブックス」。その70周年を記念して刊行されたのが「グレートアイデアズ」シリーズ。 セネカ、ルソー、ギボン、ニーチェ、ラスキン、フロイト、オーウェル…。「世界を変えた書…

POP工房『きかんぼのちいちゃいいもうと ぐらぐらの歯』(ドロシー・エドワーズ、福音館書店)

→紀伊國屋書店で購入 ドロシー・エドワーズ全3作の1作目。いつもきかんぼのちっちゃい「いもうと」…。でもかわいいんです。挿絵は『よるくま』などで知られる酒井駒子さん。お話も挿絵もステキなおススメの一冊です。 【玉川高島屋店・水作店頭POPより】

新宿南店仕入だより~4月(『ジウ2 警視庁特殊急襲部隊』ほか)

→紀伊國屋書店で購入 【登場する新刊】---------------------------------------- ●「週刊ベースボール」別冊皐月号「王ジャパン世界一」 ●『紛争と難民 緒方貞子の回想』(集英社) ●『ジウ2 警視庁特殊急襲部隊』(誉田哲也、中央公論新社) ●『ストロベリ…

『J.S.バッハ』礒山 雅(講談社現代新書1025)

→紀伊國屋書店で購入 クラシック音楽における「三大B」と呼ばれる作曲家がいる。バッハ、ベートーヴェン、ブラームスという、いずれも名字がBで始まるドイツ音楽の正統派たちだ。重厚にして堅実な作風は、まさに日本人好みと言えるだろう。 三大Bのトップを…

『国際テロネットワーク-アルカイダに狙われた東南アジア』竹田いさみ(講談社現代新書)

→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 本書でとりあげている1990年ころからの東南アジアを、わたしもよく歩いた。ニュース報道として…

『アクシデント 事故と文明』ポール・ヴィリリオ (青土社)

→紀伊國屋書店で購入 「禍々しき予言者」 ヴィリリオの黙示録的な予言は呪文のように、ぼくたちの心を捉える。哲学者とは禍々しきことを告げる予言者のことだといった人がいるが、嘉きことを告げる予言者であるべきでないのはたしかだろう。ぼくたちにはどう…

『Strange Histories』Darren Oldridge(Routledge)

→紀伊國屋書店で購入 グロテスクな表紙だが内容は理性的な一冊である。魔女狩りは現代の目から見れば狂信が生んだおぞましい現象に思えるが、当時の人々にとってみれば至極まともな考えに基づいている。中世の人が現代人の行動を見たとしたら、我々の日常は…

POP工房『リアルワールド』(桐野夏生,集英社文庫)

→紀伊國屋書店で購入 何かが終わろうとしている夏休み。塾に行く支度をしていたトシが聞いたのは隣家の男子高生が母親殺しをした物音だった!! ホントの自分」と「他人の目に映る自分」を使いわける女子高生4人と母親殺しのミミズが関わりあい、すごいスピ…

POP工房『グッドラックららばい』(平安寿子,講談社文庫)

→紀伊國屋書店で購入 終わりよければ、すべてよし!? プチ家出中の母、倹約家でへんてこな父、ダメ男好きな姉、上昇志向の かたまりの妹。バイタリティあふれる4人の家族の物語。 求ム! 映像化! ぜひドラマで見てみたい! 【福岡本店・妻作店頭POPより】 …

POP工房『肝、焼ける』(朝倉かすみ,講談社)

→紀伊國屋書店で購入 「ある種の男性から敬遠され、 ある種の女性から熱烈に愛される小説を書いて行く人だと思う。」 山田詠美さんのこのコメントにひかれて読みました。 はい、まさに私はある種の女性でした。 30代独身女性、「負け犬」のひと言でくくるべ…

POP工房『流星ワゴン』(重松清,講談社文庫)

→紀伊國屋書店で購入 当店のおすすめ!! 涙が止まらなくなるので電車では読めない!! 寝る前に読んだら泣きすぎて、翌朝目が「3」の数字みたいに腫れていた!! 2005年10月「笑っていいとも!増刊号」で柴田理恵さんも大絶賛!! とにかく読んでほしい一冊…

POP工房『株価チャート練習帳 勝率8割5分を目指す』(秋津学,東洋経済新報社)

→紀伊國屋書店で購入 書名のとおり、「株価チャート」の読み方を練習問題形式で解説。 チャートの読み方に関する本の中でもかなりよくできた一冊です。 目標も現実的ですし、初心者にもわかりやすい! 100点!! 【福岡天神店・羽田作店頭POPより】 →紀伊國…

POP工房『人生を変える3分間の物語』(ミシェル・ピクマル,PHP研究所)

→紀伊國屋書店で購入 本当の気高さとは、本当の幸せとは…? 古今東西の叡智を絵本のかたちでわかりやすく語り、フランスでベストセラーになった哲学絵本。 【福岡天神店・丹本作店頭POPより】 →紀伊國屋書店で購入