伊藤智樹
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「高次脳機能障害について知りたい人のために」 今年度から私は、富山県高次脳機能障害支援センターからの依頼を受けて、ピア・サポート事業にアドバイザーの役割で関わっています。具体的には、高次脳機能障害をもつ人のご家族…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「「よい」コミュニケーションをイメージする功罪」 「私はコミュニケーションが嫌いだ。できれば人と会いたくない。ひとりでいたい。電話もメールもしたくない・・・・」。こんな意外な(あるいは、図星を突いた)言葉で、この…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「ドイツを「鏡」に日本の介護保険制度を考える」 2000年に導入された日本の介護保険は、ドイツの例を参考にしたと言われています。もともとドイツは、1880年代に、帝政ドイツの宰相ビスマルクの主導によって、世界に先駆けて三…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「「若者」をだけで語らないために」 いつもよく耳にしてきた「最近の若者は・・」という言葉。あまりに素朴なものは「そりゃ年寄りの愚痴ってもんでしょ」などと退けることができても、もう少し洗練された議論であればどうでし…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「年金制度をきちんと考えるために」 年金制度について、最近、指導する学生の中に関心を寄せる者が出てきています。また、先日、私が所属する富山大学人文学部の1年生を対象とした授業で、特別企画として、日本年金機構スタッ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「無条件の承認でもなく、まったくの否定でもなく」 この本の著者であるすぎむらなおみさんは、高等学校に勤務する養護教諭(いわゆる「保健室の先生」)です。定時制高校に赴任し、なかなか心を開いてくれなかった生徒たちと文…
→紀伊國屋書店で購入 「発達障害当事者の語り手になるということ」 21世紀に入ったころから「発達障害」という言葉が人口に膾炙するようになってきています。教育を専門とする人や実際に経験した人などを除けば、内容的にはまだなじみの薄い言葉かもしれませ…
→紀伊國屋書店で購入 「医療者と患者の新しい関係に向けて」 以前の当ブログで(2008年04月30日)、近年、医師の経験と勘による判断よりもむしろ疫学的根拠(エビデンス(evidence):詳しくはさきほどの2008年04月30日のブログをご覧ください)を重視する医…
→紀伊國屋書店で購入 「支援の場を<ずらす>こと」 大学院の修士課程に入って研究をスタートさせようとしたころ、私はアルコール依存の人たちによるセルフヘルプ・グループ(自助グループ)に参加し始めました。そこでは、参加者たちが自分の体験を開示し語…
→紀伊國屋書店で購入 「生きるための医療的な行為をめぐる1990年代の動き」 この本のタイトルは「医療的ケアって大変なことなの?」という問いかけになっています。この問いかけ自体が、この本全体の主張を示しているのですが、それはまた現在の社会の姿を映…
→紀伊國屋書店で購入 「ユーモアあふれるエッセーから社会を垣間見る」 今回は、いま話題の難病体験記を取り上げてみたいと思います。著者の大野更紗さんは1984年生まれ。上智大学フランス語学科に進学後、ビルマ(ミャンマー)難民との出会いから、民主化運…
→紀伊國屋書店で購入 「吃音のことをまったく知らない人が吃音の悩みに安心して接近できる素材」 この本の著者である重松清さんは、著名な小説家にして著作多数。その作品を読んだことがある方も多いのではないかと思います。私は、吃音(きつおん=どもるこ…
→紀伊國屋書店で購入 「病いの語りへの実直な応答」 今回は、最近出版された、小児がんをもつ子供の親に関する研究をご紹介します。この本は、著者の鷹田さんが、2009年度に提出した博士論文(法政大学大学院)を、内容的にわかりやすい筋道になるようまとめ…
の臨床社会学――" title="摂食障害の語り――の臨床社会学――" src="http://bookweb.kinokuniya.co.jp/imgdata/4788512513.jpg" border="0" /> →紀伊國屋書店で購入 「<人々による>回復の物語を際立たせる:社会学のナラティヴ・アプローチにできることのひと…
→紀伊國屋書店で購入 「「どっちつかず」であることの生き難さ」 今回は、当ブログで以前(2010年9月)ご紹介した天田城介さんの最新刊をご紹介します。 この本は、天田さんの著作『の社会学』を、多くの人が読めるように書き直す意図で作られたものです。…
→紀伊國屋書店で購入 「「24時間・365日の安心」の理想と現実」 以前の書評(2010年9月21日 注1)で「小規模多機能サービス拠点論」についてふれたことがありますが、今回は、そのようにして導入された小規模多機能(注1)が現在どのような情況にあるのか…
→紀伊國屋書店で購入 「現代社会が待望する医療史研究、ようやく現る!」 以前当ブログで取り上げたアーサー・フランク『傷ついた物語の語り手』(2006年6月)について、「回復の物語(the restitution narrative)」が私たちにとって基本的な概念であるこ…
→紀伊國屋書店で購入 「パワーアップした社会学入門テキスト」 今回は、以前の当ブログ(2005年11月 )で取り上げた『図解 社会学のことが面白いほどわかる本』のリニューアル版とでも呼ぶべき本をご紹介します。 前作『図解~』について、「あまり根気のな…
→紀伊國屋書店で購入 「「当事者」を語ることの意味」 「この苦しみは体験した者でなければわからない」。これは、私が研究の過程で知り合ったある難病を持つ方が、専門職を前に体験談を語った中で出てきた言葉です。一瞬、「あなたたちは『非当事者』であり…
→紀伊國屋書店で購入 「現場に学び、の核心に迫る」 今回は、いつも研究会でご一緒させていただいている先輩の佐藤恵さんの本を紹介します。 この本で取り上げられているのは、阪神大震災以後のプロセスにおいて、とりわけ障害者や高齢者といった(いわゆる…
→紀伊國屋書店で購入 自分自身がぼんやりと感じた違和感に徹底してこだわりなさい、と社会学ではしばしば教えられます。というのも、そうした違和感は、日々の生活の中では流されてそのままにされがちですが、実は非常に重要なテーマにつながることが少なく…
→紀伊國屋書店で購入 「根源的な生き難さへの問い」 さまざまな研究やドキュメンタリーなどで「素晴らしい介護の実践」や「これからの社会の切り札となる介護」が紹介される時、何か違和感を覚えることはないでしょうか。それは、確かにそれが素晴らしいもの…
→紀伊國屋書店で購入 「医療化とカテゴリー、アイデンティティ」 自らの性別について何らかの違和感を覚え、「男/女」の間を越境して、自分にあった性の状態を求める人がいます。このような人たちのことは、かつては「異性装趣味」とか、あるいは「変態」と…
→紀伊國屋書店で購入 「<負け戦>を語ること――ALSをめぐる社会批判の視座」 今回はALSを社会学的に考えるうえでは基本書となる一冊を取り上げます。著者である立岩真也さんは、1960年生まれの社会学者で、現在は立命館大学大学院(先端総合学術研究科…
→紀伊國屋書店で購入 「患者の生き方と<ぶつかりあう>専門職」 著者の三井さよさんは、看護職を中心に対人援助に関わる人たちへの調査研究を行っている社会学者です。私と問題関心の持ち方が近く、大学院生時代から研究会仲間としてお付き合いさせていただ…
→紀伊國屋書店で購入 「エスノグラフィーに触発される気づき――ALSのコミュニケーション論――」 私は2007年から、ALSの患者会である日本ALS協会の方々とも縁あってお付き合いをさせていただいています。今回はその一人である川口有美子さんの本をご紹介しま…
→紀伊國屋書店で購入 「2次分析を通してみえる魅力的な世界」 社会学の(おそらく他の学問分野でも)質的研究においては、自分自身でデータを<もぎとってくる>ことの大切さが、しばしば言われます。実際、苦労してフィールドノーツを書き溜めたり、インタ…
→紀伊國屋書店で購入 「研究者でもあり支援者でもある、ということ」 この本は、文部科学省によって国際的にも先端的で優れた成果が期待できるものとして採択された「グローバルCOEプログラム」(創成拠点:立命館大学)の成果報告として刊行されたもので…
→紀伊國屋書店で購入 「「もうあと少し…」の知的好奇心に応える入門書」 世界地図や地球儀をみると、世界中の陸地が国境と線で区切られ、必ずどこかの「国」に属するようになっています。また、それぞれの領域に住んでいる人は「~人」という国民としてとら…
→紀伊國屋書店で購入 「社会問題を無条件に「解決すべきもの」ととらえるのではなく、かといって支援に無関心でもいられない」 近年「ひきこもり」という言葉を頻繁に耳にするようになってきました。例えば、数年前にニート支援を卒業論文のテーマにした学生…