書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

平井玄

『金融危機の資本論 グローバリゼーション以降、世界はどうなるのか?』本山美彦 萱野稔人(青土社)

→紀伊國屋書店で購入 【新自由主義は終わるのか?】 「貧乏、恐慌、危機。そんなタイトルのついた本しか売れない」。 出版に携わるすべての友人たちが、そう嘆く。その通りだろう。事実、出版産業の最末端で日銭を稼ぐ私の仕事も壊滅状態である。1月から驚く…

『ヒロシマ独立論』東琢磨(青土社)

→紀伊國屋書店で購入 「場所」について語ること 東琢磨の転換点」 「独立宣言や憲法草案をひとりでコツコツ書いているあいだは俺は狂人か?という気持ちでいたが、これで晴れておおっぴらに狂人だ」と、著者は後書きに書いている。これを読んで私は思った。…

『VOL 02』(以文社)

→『VOL 01』を購入 →『VOL 02』を購入 「格差」の話に飽きた人のために この1週間で2日しか仕事がないー。 トホホな話だが、こんなイントロで書評を始める人など、このサイトにはいないでしょう。 本当に飽き飽きしてしまったのだ、思想の話でも音楽の話でも…

『抵抗の場へ―あらゆる境界を越えるために マサオ・ミヨシ自らを語る』マサオ・ミヨシ×吉本光宏(洛北出版)

→紀伊國屋書店で購入 「天邪鬼」になること 「マサオ・ミヨシ」というカタカナ名は、初めて見た時からなんだか怪しく感じていた。1991年に創刊された『批評空間』誌だったと思う。そのアドヴァイザリー・ボード(編集顧問)の1人として、エドワード・サイー…