2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「「道徳的中立化」され、「液状化」した監視社会」 本書は、『リキッドモダニティ』などの著作で知られ、現代社会に鋭い批判の視線を送り続ける社会学者ジグムンド・バウマンと、監視社会論の第一人者として知られるデイヴィッ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「「虚構の現実化」と「現実の虚構化」の合わせ技」 本書は、いわゆる腐女子を対象とした、昨今流行の「あるある」本の一つでありながら、それらの多くがせいぜい一コママンガを交えた細切れのエピソード集であるのに対し、四コ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「アメリカ型精神疾患の蔓延と克服の可能性」 われわれはいわゆる精神疾患もしくは精神疾患のようにみえる状態にどのように向かい合っているだろうか。ここで問うているのは、自分や周囲の者がそれらに罹患した場合のことではな…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「ゲーミフィケーションを考えるために、読み返したくなる名著」 何度となく読み返したくなる名著というものがある。この社会の何がしか、本質的で重要な点を言い表しているような著作、評者にとっては、この『遊びの社会学』が…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 日本語で読めるカントの研究書として有名な本である。初版は今から30年近く前に出たが、何度か改版をくりかえしてロングセラーをつづけている。 よく言及されるので気になっていたが、はじめて読んだ。意外だったのは読みやすい…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「イギリス史はおもしろい」 ロンドンの国会議事堂を知らない人はいないだろう。テムズ川ぞいにそびえるビッグベンという大きな時計塔は、メアリーポピンズやピーターパンなど、イギリスの童話を題材にした映画にも登場する。上…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「ぜんぶ読ませないと気が済まない小説」 遅ればせながら芥川賞受賞作。当欄でも、すでに大竹昭子さんが取り上げておられる。 読みはじめての第一印象は、こちらの読書のぜんぶを面倒みてくれる文章だな、ということだった。た…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「「移動性(モビリティ)の社会学」への期待的な展望」 本書はイギリスの社会学者、ジョン・アーリが2000年に出した著作“Sociology beyond Societies: Mobilities for the twenty-first century”の翻訳である。原著が出されて…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 カントは1772年度の冬学期から『実用的見地からの人間学』(以下、『人間学』)を開講した。カントは当時48歳で『純粋理性批判』を準備する10年間の沈黙の期間にはいっていた。 『人間学』はコペルニクス的展開のただ中ではじま…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「カメラを携えた語り部」 人生で写真が切実なものになるときは三度ある。一度目はこの世に生まれでたとき、三度目はこの世に別れを告げて遺影となったときで、ふたつのあいだ、人生の伴侶を得て結婚をするときに二度目が巡って…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「「若者」をだけで語らないために」 いつもよく耳にしてきた「最近の若者は・・」という言葉。あまりに素朴なものは「そりゃ年寄りの愚痴ってもんでしょ」などと退けることができても、もう少し洗練された議論であればどうでし…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「生と死をめぐるおもしろ対談集」 まったく科学的な知識のないわたしでも、「再生医療」とか「ES細胞」とか「iPS細胞」とかは聞いたことがあるし、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞したことや、iPSのiが…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「この奇跡は必然か?」 フランスのブルゴーニュ地方に、最高のワインを作るルロワ・ビズー女史がいる。ロマネ・コンティの共同経営者であった父の薫陶を受け、幼い頃から抜群のティスティング能力を発揮した。だが、次第に満足…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「忘却のさせられかた、記憶のさせられかた」とも読めた。本書は、『敗北を抱きしめて』の著者ダワーが、1993年以降に発表したエッセイ・評論に、それぞれ自ら書き下ろした解題をつけた論集である。そのときどきに書いたものは…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「東京本郷区駒込林町九番地」、現在の文京区千駄木五丁目三番地十一で、女性たちの手による雑誌『青鞜』が発刊されたのが明治四十四年。その七十三年後の昭和五十九年、著者の森まゆみと、山崎範子、仰木ひろみの三人が、地域…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「音楽はビジネスではなく、聖職(カザルス)」 パブロ・カザルス(1876-1973)は、20世紀最大のチェリストである。クラシック音楽のファンなら、そのことは誰でも知っている。しかし、本書(細田晴子著『カザルスと国際政治-カタ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 カントの『自然地理学』と対をなす『実用的見地における人間学』(以下『人間学』)の概説本かと思って読んだら、そうではなかった。 本書の元になった本は『モラリストとしてのカントⅠ』という表題で、『人間学』などを材料に…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「文学研究の新たな地平へ」 作家であれ研究者であれ、この人と同じ時代を過ごすことができてよかった、と思える人々がいる。新刊を心待ちにしたり、掲載論文を探したりする対象は、多い方が楽しい−−すべてをフォローするのは大…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「アメリカ東部のプレップ・スクールが舞台となった小説」 マサチューセッツ州ボストンで大学の4年間を過ごした僕は、時々マサチューセッツ州が恋しくなる。ボストンは都会なので、ボストンに行きたいとはあまり思わないが、大…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 カントというと謹厳実直な哲学者を思い浮かべる人が多いだろう。毎日規則正しく散歩したので時計がわりになったという逸話がいよいよ気難しそうなイメージを強める。 しかしカントを直接知る同時代人の書簡や回想によると、実際…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「トカトントンの降臨」 絲山秋子は、2003年のデビュー以来、一定の質と量の執筆を維持しつつ、着々と成長している。粗暴な棘を孕んだ荒々しさと、心の機微を読む繊細さが巧みに同居するところに、この作家の醍醐味がある。二極…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 カントが還暦を過ぎてから発表した政治哲学と歴史哲学に関する論文を集めた本である。 60歳は当時としては大変な高齢だが、カントは3年前に『純粋理性批判』を世に問うたばかりで、本格的な活動はこの頃からはじまる。『実践理…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 『カント全集』の第16巻で『自然地理学』をおさめる。 『自然地理学』とはカントがケーニヒスベルク大学の私講師となった翌年の1756年夏学期から事実上の引退をした1798年まで、実に43年間にわたって講義した科目である。1772年…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「真の日本料理とは?」 数年前から、パリは日本食ブームである。バカンス前は中華料理店だったのが、バカンスから帰ってきてみると「Restaurant Japonais」となっている事が珍しくなくなった。メニューは「寿司・焼き鳥」がメ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「だからアイルランドはおもしろい」 栩木伸明氏は、今、日本でもっとも元気な外国文学者のひとりだろう。専門はアイルランド文学。筆者が最初に手に取ったのは『アイルランド現代詩は語る ― オルタナティブとしての声』(思潮…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「二〇年経った」で始まる本書は、『エビと日本人』(岩波新書、1988年)の続編である。著者、村井吉敬は「この二〇年、エビとそれを取り巻く世界もかなり大きな変化に見舞われた。その変化が何なのか、そのことを本書のなかで…
→『カント「視霊者の夢」』を購入 →『神秘家列伝〈其ノ壱〉』を購入 『視霊者の夢』は1766年、カントが42歳の時に出版したスウェーデンボリ論である(英語読みではスウェーデンボルグ)。 スウェーデンボリはカントより36歳年長のスウェーデンの科学者である…
→『悲しき熱帯Ⅰ』を購入 →『悲しき熱帯Ⅱ』を購入 世界的なベストセラーとなったレヴィ=ストロースの自伝的紀行である。 原著は1955年に刊行されたが、日本では1967年に『世界の名著』第59巻にマリノフスキーの『西太平洋の遠洋航海者』(これも文化人類学の…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 古人類学の図鑑である。原著は2005年に刊行され、2011年に改訂版が出た。日本では2008年にハードカバーで邦訳が出ているが、1万2600円という個人には手の出しにくい価格だったので、2012年に装幀を簡略化し価格を6,090円におさ…
→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 最近、気になっていることがある。言語と音楽の共通点だ。双方とも人類ならではのコミュニケーション手段だが、そこにはルールが存在する。言語には「単語」という部品があり、それらを組み合わせるための「文法」…