早瀬晋三
→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書は、「「国家形成」という視座のもとで、綿密な実証的記述という地域研究の方法論を最大限に活かしつつ、社会学、政治学、国際関係論などの理論研究と歴史研究の成果も取り入れながら、紛争という現象の持つ意義を国家との…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書は、サザンオールスターの「桑田佳祐の嘆き」からはじまる。「ピースとハイライト」のなかの歌詞、「教科書は現代史を やる前に時間切れ そこが一番知りたいのに 何でそうなっちゃうの?」が紹介されているが、現代史云々の…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書のねらいは、「自由主義的な国際協調主義の高まりで幕を開けた新右派転換の動きが、いかにして偏狭な歴史修正主義を振りかざす寡頭支配へと帰着してしまったのか」、その政治プロセスを解き明かすことである。 「序章 自由…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 映画のタイトルにもなるように、「海賊」ということばからロマンと冒険をイメージする人がいるかもしれない。だが、その被害に遭うと考えると、そのようなイメージは吹き飛んでしまう。海賊の被害は国益に影響し、わたしたちの…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 たまに電話取材が入る。自信がないので、参考文献をあげて、それを「読んでからあらためてお電話ください」と言う。たいていは、あらためて電話はかかってこない。かかってきたときは、丁寧に対応することにしている。自信がな…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 著者、内田雅敏は「まえがき」の最後で、本書の目的をつぎのように語っている。「このブックレットでは、これまでの政府の歴史認識にかかわる公的な見解を紹介し、その中身をあらためて確認しながら、アジア諸国との和解はどう…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 歴史が書けないことには、いろいろな理由がある。マラヤ共産党の歴史については、1960年の非常事態終了までの研究がほとんどで、その後1989年12月に和平協定が締結されるまで30年間近く続いた武装闘争については、ほとんど語ら…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 帯に「ユーラシアにおける発達した市場経済は生態環境の制約に直面していた。なぜ西欧だけが分岐していったのか。グローバルヒストリーの代表作」とある。「グローバルヒストリー」ということばは、本書の原著英語版が出た2000…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 インスタントラーメンは、2012年に世界の総需要が年間1千億食を超えた。著者は、インスタントラーメンを最初に開発した創業メーカー日清食品の2代目社長である。日清食品は、国内25億食、海外110億食、計135億食、全世界の13.5…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「本書の大きな目的のひとつは、この「からゆきさん」と呼ばれる、しかし生き様は様々であった女性たちを取り巻く言説とまなざしの変容を、時代を追って検討していくことにある」。 さらに詳しく、同じく「序章」で、著者嶽本新…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「男たちの放蕩や「家」の没落を招いた遊郭。女たちの勤倹貯蓄精神や修養意欲は、どう公娼制度批判へ発展したのか。また、東アジアに拡大した日本の公娼制度政策の特徴を国際関係史的視点から解明。慰安婦問題の歴史的前提にも…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 参院選の「一票の格差」を是正する選挙制度改革で、隣り合う人口の少ない県を統合して新たな選挙区をつくる「合区」をめぐって、県連を中心に反対意見が出ている。県境越えの選挙区のどこに問題があるのだろうか。本書の「コモ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「神州極西の孤島」といえば、辺境や離島のイメージがあるかもしれない。だが、本書を読めば、五島列島は大陸、朝鮮半島とのgateway (出入口)で、日本の最先端であったことがわかる。 五島列島を「辺境」にしてしまったのは、…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「娼婦の生活史から日本とアジアの近代を問いなおす」「イギリス植民都市シンガポールの形成過程のなかで、性を生業にする日本と中国の女性たちはいかに生き、死んでいったか。近代という時代に翻弄されながらも懸命に生きた人…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 日本のアジア研究は、現在問題となっている歴史認識など近隣諸国との関係改善・強化に、あまり貢献していないようにみえる。それはなぜなのか、戦前・戦中からの連続性、非連続性をもって語らなければ、わからないのではないか…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 6月7日、アメリカ演劇界最高の栄誉とされる「トニー賞」の授賞式がおこなわれた。ミュージカル部門主演男優賞に「王様と私」の王様役で渡辺謙がノミネートされたことから、日本で大きく報道された。「私」役が主演女優賞を受賞…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 西欧を中心とした領事制度は非西欧諸国を巻き込んで世界的に発展し、今日の外交の基本となった。従来、非西欧諸国での領事制度は西欧化あるいは近代化として、研究されてきた。日本も例外ではなく、領事制度を導入した日本は、…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「戦後責任」のことを考えれば、戦争をはじめることはできないはずだ。「戦後責任」は、だれもどのようなかたちであれ、とれるはずがないからだ。本書で語りあう4人は、そのことを充分にわかって議論している。 本書は、表紙見…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「戦場体験」を記録したもので、もっとも資料価値が高いのは、戦場で書いたものである。だが、全滅した部隊では、そのような記録は、まず期待できない。わずかな生存者が戦場でのメモをもとに、時間をおかずに捕虜収容所などで…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 著者小西誠は、「著者略歴」によると、「1949年、宮崎県生まれ。航空自衛隊生徒隊第10期生。軍事ジャーナリスト」で、『自衛隊の対テロ作戦』『ネコでもわかる?有事法制』などの時事問題のほか、『サイパン&テニアン戦跡完全…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書は、同著者による「ヨーロッパシリーズ」(パリ、ウィーン、ロンドン、ミュンヘン、オランダ)につぐ「アジアシリーズ」の第4弾である。第1弾のマレーシアを出版して半年のあいだにバンコク、香港・マカオ、そして本書シン…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「序章 二〇世紀アメリカ国民秩序へのアプローチ-アメリカニズムと社会的なもの-」「1 二〇世紀ナショナリズムへ」「(1)新旧のナショナリズム」は、つぎの文章ではじまる。「本書の目的は、二〇世紀におけるアメリカ・ナシ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「繰り返されてきた関係悪化と修復」と、帯にある。今回の「悪化」は長すぎる。いまの若者にとって、ものごころついたときから、ずっと「悪化」状態がつづいている。「いいとき」を知らないのである。この事実は、「悪化と修復…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書を読みながら、現代の金融のことを考えていた。つまり、本書でおもに扱っている18世紀後半から19世紀初めのイギリスの「投資社会」が現代につながっているということである。 本書帯には、大きく「証券投資をする人びとの誕…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 コーヒーと茶、砂糖、米、スズ・ボーキサイト・鉄鉱石・銅・ニッケル、天然ゴム、石油・天然ガス・石炭、ココナツとアブラヤシ、これらは、これまで東南アジアが世界に供給してきた代表的な一次産品である。そして、この7項目が…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 沖縄の問題は、近代日本そのものが問われるものであり、沖縄にとってだけでなく東アジアにとっての日本問題であったことが、本書を通じてわかってくる。帯にある「現代につながる難問を解く鍵は、沖縄にある」という意味を理解…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「いまに続く戦後の原点」 以下の書評を、共同通信から2015年3月5日に配信した。 まず、本書を読むと、戦勝も敗戦も意味をなさないほどの混迷状況のなかで、第2次大戦直後にさまざまな悲劇が起こったことがわかる。この事実を知…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書巻末の「参考文献」の「日本語文献」だけみても、アウンサンスーチー著6冊、「アウンサンスーチー」をタイトルにした書籍5冊がある。言説だけが先行し、2012年4月に下院議員に当選してからの実際の政治的手腕に疑問をもつ内…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「ナイチンゲール」のタイトルに惹かれて、本書を手にとった人がいるかもしれない。「看護師と雑役婦とが判別しにくかったこの時代に、下層階級から看護を取り戻し、看護師の社会的地位を高めた」ナイチンゲール(1820-1910)の…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「本書は当初、日本人読者向けの出版物として企画され」たが、1993年に英語の原文がフィリピンで出版されたままになっていた。その「序」で、編者のレナト・コンスタンティーノは、つぎのように述べている。「日本人はこの間の…