2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧
→紀伊國屋書店で購入 昨年新文芸座の淡島千景特集のおりにおこなわれたトークショーで彼女の生の話を聞いた。高齢の映画人のトークショーは何度も聞いてきたが、なかなか言葉が出てこなかったり記憶があやふやだったり、中にはぼけているのではという人もい…
→紀伊國屋書店で購入 「恐るべき才能をもったノンフィクション作家の誕生」 石井光太。いまもっとも勢いのあるノンフィクション作家だろう。 本書は、石井光太のデビュー作である。 アジアの身体障害者、乞食を取材。取材したエリアは、カンボジア、ラオス、…
→紀伊國屋書店で購入 『映画女優 若尾文子』の中で四方田犬彦氏は若尾文子と対置できる女優がいるとしたら、それは岡田茉莉子だと言下に語っている。なるほど二人はともに昭和8年の東京生まれで女学校時代に地方に疎開し、世情の混乱が一段落してから東京に…
→紀伊國屋書店で購入 「医療化とカテゴリー、アイデンティティ」 自らの性別について何らかの違和感を覚え、「男/女」の間を越境して、自分にあった性の状態を求める人がいます。このような人たちのことは、かつては「異性装趣味」とか、あるいは「変態」と…
→紀伊國屋書店で購入 2003年に出た本の再刊である。初版が出た時に買おうかと思ったが、まだ若尾作品を十本くらいしか見ていなかったのでネタバレは困ると買うのを控えた。その後主要作品を一通り見たので(といっても現時点で35本にすぎないが)、さて読も…
→紀伊國屋書店で購入 「詩人とは何者か?」 私たちはよく人を二分化して捉える。金持ちと貧乏人、意地悪な人と優しい人、太っている人と痩せている人等、例を挙げるときりがない。しかし、詩人をどう捉えれば良いのだろうか。詩人と詩人ではない人、詩を詠む…
→紀伊國屋書店で購入 「真のパリを知るための一冊!」 日本に一時帰国して、出会う人達にパリに長年住んでいると話すと、「素敵ですね。」とか「うらやましい〜」等と良く言われる。自分が好きで住んでいる町だし、確かに美しい所なので、そう言われるのは嬉…
→紀伊國屋書店で購入 「アリストテレスの描いたアテナイ」 よくアテナイの民主政は前三三八年のカイロネアの戦いでテーベと同盟してマケドニアと戦って敗北した後は、輝きを失ったとされる。多くの概説書は、アテナイの歴史の記述をこの敗戦でやめてしまうの…
→紀伊國屋書店で購入 「障害者に無縁の人間が起業した、障害者就職支援会社」 ユニバーサルデザインについて調べていると障害者雇用の問題につきあたる。 「日本初の障害者専門の就職支援会社」の創業社長、木村志義氏による、起業ノンフィクションだ。木村…
→紀伊國屋書店で購入 「世界各国史」の分担執筆をしたとき啞然とし、一瞬戸惑った。自分がこれまで研究してきたことが、通史のなかで書けないのだ。自分の研究姿勢が間違っているのか不安になったが、すぐにだからこそ自分の研究は必要なのだと気がついた。…
→紀伊國屋書店で購入 「都市はツリーではない」で建築界のみならず現代思想にも大きな影響をあたえたクリストファー・アレグザンダーの思想がコンピュータの世界で継承され発展したことを跡づけた本で、ニューアカ時代にアレグザンダーの名前を知った者とし…
→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 「国木田独歩はビジュアル好きのすぐれた編集者だった」 古書ファンには女性が少ない。古書フェアなどでうつむき加減に、しかし内心は人にとられてなるものかと闘争心を燃やしつつ手を動かしているのは決まって男性…
→紀伊國屋書店で購入 「中年になっても価値ある起業のススメ本」 プロモーションが成功してかなり売れているようだ。ネットでも書評がずいぶんでている。それでも僕はこの本について紹介したい。 ひとりの人間が会社を起こして軌道に乗せるとはどういうこと…
→紀伊國屋書店で購入 「北京の都市計画史の最良の入門書」 北京を訪れた者が誰でも驚くのは、いかにも大陸的な、広大な土地を存分に使った巨大建築が立ち並ぶ様だろう。いわゆる高層ビルというより、横に広い感じの建物が並んでいる。再開発ラッシュの際、世…
→紀伊國屋書店で購入 「墓場で育った子供の物語」 「The Graveyard Book」。ファンタジー作家であり映画の脚本も手がける超人気作家ニール・ゲイマンの作品タイトルだ。 どこかで聞いたようなタイトルだと思っていたら、本の終わりに著者自身がこの本はラド…
→紀伊國屋書店で購入 2ちゃんねるやMIXI、ニコニコ動画など日本で独自に進化したアーキテクチャに積極的に意義を見いだそうという本である。世界標準からはずれた日本独自のアーキテクチャはガラパゴス的と揶揄されることが多いが、本書は戦闘的なガラパゴ…
→紀伊國屋書店で購入 「自身の姿を映し出す鏡」 茂木健一郎(脳科学者) 科学上の発見は、それが画期的なものであるほど予想されないかたちで起こる。たとえば、一九〇一年、第一回ノーベル賞の対象となったヴィルヘルム・レントゲンによる「X線」の発見。…
→紀伊國屋書店で購入 「市民が育む芸術イヴェント」 毎年世界各地で若いピアニストの登竜門となる、大小さまざまなピアノコンクールが開催されている。しかし数の多さが災いし、たとえ上位入賞しても、それがプロのピアニストとしてのスタートに必要な「ピア…
→紀伊國屋書店で購入 ケータイ小説のブームは2006年の『恋空』をピークに鎮静したが、現在でも固定ファンに支えられて結構な部数が出るという。落ちつくべきところに落ちついたということか。 わたしはケータイ小説には興味はなかったが、佐々木俊尚氏の『電…
→紀伊國屋書店で購入 「使える社会起業の指南書」 NPO法人NEWVERY代表、山本繁さんの著作第二弾。いまもっとも注目すべき社会起業家の一人である。その彼が多忙な業務の合間をぬって書き上げた。 若い起業家は、経験主義になりがちであり、自分の体験イコー…
本書は、拙著『戦争の記憶を歩く 東南アジアのいま』(岩波書店、2007年)の英語版である。日本語版は、小泉純一郎首相の靖国神社参拝が問題となっていた2003~05年に東南アジア6ヶ国などの博物館や戦争記念碑を訪ねて、それぞれの国でのアジア太平洋戦争の…
→紀伊國屋書店で購入 「無理に詩人である必要はありません」 詩人には二通りいる。 まずは言葉の遅い詩人。どちらかというとその言葉が読者より〝遅れている〟と感じられる詩人だ。読む人の方が先を歩き、詩は後から追いついてくる。読者は少しペースを落と…
→紀伊國屋書店で購入 「異様な思想家の「遺言」」 イリイチの晩年に行われたインタビューで、前の『生きる意味』と同じように、イリイチが胸襟を開いたディヴィッド・ケイリーが対話の相手。特に後期の著作についての説明が興味深い。晩年のフーコーは、ニー…
→紀伊國屋書店で購入 現在の国会図書館館長長尾真氏が1994年に上梓した本の新装版である。発刊当時はまったく話題にならなかったが、昨年あたりから長尾構想がらみで注目されるようになり復刊が待たれていた。 長尾構想とは2008年4月の日本出版学会の講演で…
→紀伊國屋書店で購入 電子書籍に関するムックだが、よく出来ている。 まず小飼弾氏と池田信夫氏の巻頭対談。小飼氏はiPhoneアプリで著書を三冊出版し7000部以上販売している実績があり、池田氏は電子書籍出版会社アゴラブックスを立ちあげている。取材者では…
→紀伊國屋書店で購入 「アメリカのボップ・カルチャーが分かる本」 『James Dean Died Here』。訳すと『ジェームス・ディーンはここで死んだ』となる。小説やノンフィクションではなく、どちらかというと事典のような本だ。 内容は、アメリカのポップ文化に…
→紀伊國屋書店で購入 「時代を超越して写しだされたもの」 『日本村 1969ー79』という写真集を見たのは、1979年の出版時よりずっとあとのことだが、日本中をこんなにエネルギッシュに撮りまくっていた写真家がいたのかとびっくりした。しかも作者の山田脩二…
→紀伊國屋書店で購入 「皮肉の利いた現代中国文化事典」 中国の大衆文化はめまぐるしく早い展開を見せている。毎年のように新しい流行語が登場しては消えていく。断片的な情報は流れてくるが、その全体像をつかむのはなかなか難しい。どの国の場合でもそうだ…
→紀伊國屋書店で購入 出版社サイドからの電子書籍論である。著者は新聞社の技術職、ファッション誌の編集者、ビジネス書専門出版社のサイトの責任者などをへてクロスメディアという会社で独立した人である。最近はアゴラブックスという電子書籍の会社を立ち…
→紀伊國屋書店で購入 著者の石川幸憲氏は在米のジャーナリストだがIT系のライターではない上に、本書は今年の1月という不運な時期に出ていて iPadは最初と最後に「噂」として言及されているにすぎない。表題に Kindle をうたっているものの、Kindleに多大な…