2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧
→紀伊國屋書店で購入 『原子力都市』は、運動=理論家である矢部史郎が、日本中の都市をめぐる過程で生み出された特異な人文地理学的都市論をまとめた書である。分析の対象となっているのは、柏崎、(旧)上九一色村、呉、京都、むつ、川口、硫黄島、広島、…
→紀伊國屋書店で購入 『ジャ・ジャンクー 「映画」「時代」「中国」を語る』は、2009年に中国で刊行された同タイトルの全訳である。1996年に『小山の帰郷』でデビューしたジャ・ジャンクーは、『一瞬の夢』(98)で世界、そして日本でも広く知られていること…
→紀伊國屋書店で購入 本書は2004年に亡くなったスーザン・ソンタグが生前最後に出版した評論集 "Where the Stress Falls"(2001) の前半部分の邦訳である(邦訳はページ数の関係で二分冊にわかれている)。 表題からするとバルトを論じた本のような印象を受け…
→紀伊國屋書店で購入 ロラン・バルトとジャン・ピエール・リシャールはわたしがもっとも敬愛する批評家である。そのリシャールがバルトを論じた本を書いたというのだから、わたしにとっては大事件だ。ヌーヴェル・クリティックから構造主義批評、さらにはポ…
→紀伊國屋書店で購入 「鼻くその噂、タイムライン、モントリオール」 昨年からのツイッターブーム。多くのツイッター関連書籍が出版されていく。日本の出版界の宿痾である、柳の下にドジョウが100匹いる、という読者不在のマーケティングのもとに、内容が…
今回の「解説者による戦力分析」では昨今の海外文学ファンの話題を占有し続けている「エクス・リブリス」シリーズの編集者たち、白水社編集部の藤波さんと鈴木さんのお二人にお話を伺います。ワールド文学カップに参加している白水社さんの文学作品は、ほと…
→紀伊國屋書店で購入 「『オルタナティブ・メディア』を日本の文脈で考えるために」 本書は、ジャーナリストであり研究者でもあるミッチ・ウォルツ著ALTANATIVE AND ACTIVIST MEDIA(2005)をジャーナリストの神保哲生(じんぼう・てつお)さんが翻訳したも…
→紀伊國屋書店で購入 2010年はバルトの没後30年にあたるが、三人の弟子の文章を集めた本が出版された。『ロラン・バルトの遺産』である(本書は日本で独自に編集されたもので、この通りの本がフランスで出ているわけではない)。 三人の著者はバルトが亡くな…
→紀伊國屋書店で購入 バルトはサリトリウムで1943年から『ミシュレ全集』の抜き書きをはじめたが、その時使ったのがインデックス・カードだ。バルトは以後、メモや原稿の執筆をカードでおこなった。短い断章形式にはカードが向いているが、カードが断章形式…
→紀伊國屋書店で購入 「名誉毀損で勝ち抜いたジャーナリストの警鐘」 名誉訴訟で訴えられた二人のジャーナリストが、それそれの訴訟体験を赤裸々に語る対談本である。正確にいえば「対談」ではない。片方のジャーナリストが、もう一方にインタビューをすると…
→紀伊國屋書店で購入 2008年、歴代の皇室関係の墓所である陵墓への立ち入り調査がおこなわれた。明治維新以来の画期であった。いっぽう、陵墓指定がされていないが、継体天皇陵であることが確実視されている今城塚古墳の調査が、1997年以降おこなわれている…
→紀伊國屋書店で購入 講義ノートの三巻目は1978-1979年度と1979-1980年度の二年分をおさめる。最後の二年間の講義は「小説の準備Ⅰ」、「小説の準備Ⅱ」というひとつづきの内容だからである。 批評家のバルトがなぜ「小説の準備」というテーマを選んだのだろう…
→紀伊國屋書店で購入 コレージュ・ド・フランスでの二年目の講義ノートである。講義は1978年2月18日から6月3日まで13回にわたっておこなわれたが、第一日目に断っているように講義の準備をはじめようとする時期にバルトは母を亡くしている。 『彼自身による…
→紀伊國屋書店で購入 ライトの「限界」と「凄み」を伝える異色の書 フランク・ロイド・ライトの建てた旧帝国ホテルを知っている人は異口同音に、あのホテルは暗かったと言う。わたしのおぼろげな記憶でもそうで、華やかさにはほど遠く、ちょっと恐い感じさえ…
→紀伊國屋書店で購入 「ロゴスとミュートス」 ハイデガーが『存在と時間』の冒頭でプラトンの『ソフィステス』を引用しながら、哲学の問いとは「いかなる神話(ミュートス)も語らないこと」(242c)だと語ったこともあって、哲学は神話とは対立したものだと思…
→紀伊國屋書店で購入 「テッド・チャンを読まずしてSFを語ることなかれ」 残念ながら今回アメリカ代表から落選してしまったテッド・チャンをどうしても採り上げたい。個人的にあまりに入れ込みすぎたために、肝心のフェアの推薦コメントが酷い出来になってし…
→紀伊國屋書店で購入 「妹から見た鷗外」 明治の文豪というと、夏目漱石と森鷗外の名前が必ず上がってくる。確かに作品も多く、人口に膾炙している。特に漱石は今でも人気がある。それに比べて鷗外はどうだろう。『高瀬舟』や『舞姫』は今でも多くの人に読ま…
→紀伊國屋書店で購入 フランスにはコレージュ・ド・フランスという毛色の変わった学校がある。入学試験も卒業証書もなく、知的好奇心のある人は誰でも無料で自由に受講できるのだ。 というと市民講座のようなものかと思うかもしれないが、市民講座とは格が違…
→紀伊國屋書店で購入 「『水俣』をとらえ直す、メディア研究の集大成」 「水俣」は現在も続いている。しかしながら、「水俣」は、例えば歴史教科書から新聞、テレビといったメディア言説において、悲惨で繰り返してはならない過去の歴史として語られる。この…
少し間が空いてしまいましたが、 いよいよ今回の掲載で、 「ワールド文学カップ」のページは終了。 そこに続くのは「往年の名選手たち」。 紀元前から第二次大戦前夜まで、 ソフォクレスからロレンス・ダレルまでをどうぞ。 ◎PDFを開く◎ 保存してご覧になる…
→紀伊國屋書店で購入 「起業家としての宗教家」 日本では、ベンチャー起業家はしばしば宗教家のように、つまり熱狂的な支持を集めるが、同時にきわめてうさんくさい存在であるように見られている。しかし、本書が示すのは、その逆も言えるということである。…
フェア開催まであと約一週間となりました。 およそ9,000冊の本たちが今か今かと出陣待機中。 どーん! 店頭に並べるためには、 いろいろとやらなければならないことがあります。 ひとまず、箱から出して出して、分けて分けて…… ばーん! ずーん! 全作品に解…
→紀伊國屋書店で購入 「休みなきランダムな世界」 本書の表題である「ミドルワールド」は、素粒子レベルのミクロワールド(ナノメートル以下)と、人体や動植物、宇宙といったマクロワールド(ミクロン以上)の中間にあるスケールの領域を指している。具体的…
→紀伊國屋書店で購入 「トーキング・キュア」 ウィトゲンシュタインがフロイトを高く評価しているのは意外だが、よく考えてみれば、不思議ではないのかもしれない。どちらも語ることによる治療(トーキング・キュア)を目指していたからだ。ウィトゲンシュタ…
今回の「解説者による戦力分析」では「epi文庫」や「epiブック・プラネット」のシリーズなど、早川書房の海外文学を単独で編集してきた山口さんにお話を伺います。山口さんの仕事には前回フェア「対決! 共鳴し合う作家たち」の時から大変お世話になっていて…
→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 「自分のピアノ教室をレベルアップしたい先生へ」 子供のお稽古事のひとつとして、ピアノのレッスンは常に人気が高い。聴覚の発達を意識した早期教育として、保育園の年頃からレッスンを開始するのも決して珍しいこ…
→紀伊國屋書店で購入 「患者の生き方と<ぶつかりあう>専門職」 著者の三井さよさんは、看護職を中心に対人援助に関わる人たちへの調査研究を行っている社会学者です。私と問題関心の持ち方が近く、大学院生時代から研究会仲間としてお付き合いさせていただ…
→紀伊國屋書店で購入 「文壇飲酒人類学、飲んで飲んで飲み倒す日々の記録」 私は本書を、発売されてすぐに神保町の東京堂で見かけていた。しかし装丁が同じ坪内祐三の『酒日誌』とそっくりだったので、もう持っている本だと思って手に取らなかった。さすがに…
またまた速報! ピクウィック・クラブの公式Twitterを作成致しました! こちらでは当ブログの更新情報や、 フェアに関する細かな話題などを掲載していく予定です。 ご期待下さい。 ハッシュタグ「#wbungaku」も併せて作成致しましたので、 4月1日以降に売場…
速報!! 新刊JP上のウェブラジオ番組Kinocastにて、 我々のフェア「ワールド文学カップ」が紹介されました! ナビゲーターの丸本恵子さんと新刊JP編集部の山田さんが、 ピクウィック・クラブの肉声を小出しにしながら 次回フェアについて大いに語って下さっ…