2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧
→紀伊國屋書店で購入 『ロリータ』の朗読CDである。アメリカは通勤に鉄道よりも車を使うことが多いので運転しながらでも楽しめる録音書籍が普及しているが、これは並の録音書籍ではない。朗読しているのはなんとエイドリアン・ライン版の『ロリータ』に主演…
→紀伊國屋書店で購入 「中小企業の慣習・政策・認識枠組みの歴史的変遷」 今回は、日本における中小企業とは何かという重要な論点を、統計的データだけでなく、歴史的背景を踏まえた認識枠組みから論じたこの本を取り上げたい。 本書の本格的な記述が始まる…
→紀伊國屋書店で購入 ネオプラグマティズムの提唱者として知られるリチャード・ローティの文学・思想論である。 ローティが注目すべき思想家であることは堀川哲氏の『エピソードで読む西洋哲学史』で教えられたが、本書を手にとったのはローティに対する関心…
→紀伊國屋書店で購入 『JOHNNY TOO BAD 内田裕也』は、モブノリオの書き下ろし小説「ゲットー・ミュージック」と内田が1986年に「平凡パンチ」で行った連載対談「内田裕也のロックン・トーク」を一冊に収めた特異な書物である。装丁は二冊が一枚の表紙でとめ…
→紀伊國屋書店で購入 17世紀のオランダを代表する画家レンブラントは、その作品の中で光を効果的に表現したことでも有名である。たとえば、彼の作品「愚かな金持ちの譬え」では、薄暗い部屋の中央に置かれたろうそくの光が周りを照らす様子がありありと描か…
『シナリオ別冊』の「作家を育てた日活ロマンポルノーシナリオ選集」は、日活ロマンポルノの優れたシナリオ10本が、脚本家、関係者の対談、解説などによって紹介されている。神代辰巳『一条さゆり 濡れた欲情』(71、監督・神代辰巳)、中野顕彰『牝猫たちの…
→紀伊國屋書店で購入 『「芸術」の予言!! 60年代ラディカル・カルチュアの軌跡』は、1968年10月から1972年12月に刊行された全13号の『季刊フィルム』と1973年7月から1974年6月に隔月刊となった全9号の『芸術倶楽部』に掲載されたテクストの選集の第一弾で…
→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 『ロリータ』を新訳した若島正氏の『ロリータ』論である。 若島氏は『乱視読者の新冒険』の第Ⅳ部にナボコフについて書いた文章を集めており、最初の伝記作家、アンドリュー・フィールドの蹉跌という切口からナボコ…
→紀伊國屋書店で購入 日本のナボコフ研究の第一人者、若島正氏による『ロリータ』の新訳である。 『ロリータ』の最初の邦訳は1959年に河出書房から上下二巻本で出た大久保康雄氏名義の訳だったが、この訳は丸谷才一氏によってナボコフの文学的なしかけを解さ…
→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 『群像』11月号のナボコフ特集は泥臭い文芸誌とは思えない充実ぶりだった。名のみ知られていた初期短編「ナターシャ」の翻訳もよかったが、一番の収穫はナボコフ研究の第一人者、ブライアン・ボイド氏の「ナボコフ…
→紀伊國屋書店で購入 「エスノグラフィーに触発される気づき――ALSのコミュニケーション論――」 私は2007年から、ALSの患者会である日本ALS協会の方々とも縁あってお付き合いをさせていただいています。今回はその一人である川口有美子さんの本をご紹介しま…
→紀伊國屋書店で購入 「日本には書評文化が根づかない と言われるのは何故か? 」 書評の評というのがあってそれが中々、的を得ていて、恐れ入る 良くも悪くも筆者の立ち位置を知るのは 筆者ではないことが良く分かる 相次ぐ雑誌の廃刊の中で、早く廃刊にな…
→紀伊國屋書店で購入 没後32年目に出版されたナボコフの遺作で、「死は悦び」という副題がついている。ナボコフは未完の作品はすべて焼却するように遺言していたが、その遺言に逆らって出版したというので世界的なニュースになった。 ナボコフの未完の「長編…
→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 「瞠目させられる構成力、驚愕の書」 2009年に読んだ本でもっとも驚いた本といえば、この『通訳ダニエル・シュタイン』である。さまざまなことに驚愕したが、まずは作品の形式だ。 最初の章はエヴァ・マヌキャンと…
→紀伊國屋書店で購入 河出ブックス、2月上旬発売のタイトルをご紹介していきます。 1点目は、平川祐弘さんの『日本語は生きのびるか――米中日の文化史的三角関係』です。 平川さんは、比較文学者で、東京大学名誉教授。フランス、イタリア、ドイツの留学経験…
→紀伊國屋書店で購入 本書は、「若者に希望を!」と、若者を応援するための教育論を展開している本田由紀(東京大学教育学研究科教授)の最新刊である。 まず「序章 あらかじめの反論」で、著者はこれまでの経験から予想される5つの否定的反応を取りあげ、反…
→紀伊國屋書店で購入 「リーマン・ショックはどうやって起こったか」 2008年3月、アメリカの大手投資銀行および証券会社のベア・スータンが資金繰りに行き詰まり、連邦準備制度理事会(FRD)が緊急の特別融資をおこなった。 その週末にはJPモルガン・チ…
→紀伊國屋書店で購入 「差別の壁」 今年のパリはよく雪が降る。普段は東京と同じ位で、滅多に雪は降らないのだが。石畳に雪が積もるのは美しい。私の故郷である北海道の友人たちにそんな話をすると、雪かきの苦労を忘れたか! とお叱りを頂くかもしれない。…
→紀伊國屋書店で購入 「ウィーン音楽大学インゴマー・ライナー教授の講義ノート」 日本で楽譜と言えば、まず五線譜が思い浮かぶだろう。「オタマジャクシは苦手でして…」と敬遠する人も少なくない。慣れないうちはとまどうものの、親しんでみれば実に良くで…
→紀伊國屋書店で購入 本書は、2001年に出版され、絶版になって古書店で高値になっていた同著者の『世界最強の商社-イギリス東インド会社のコーポレートガバナンス』(日本経済評論社)の改訂版のような本である。目新しいものがあまりないのは、「日本にお…
→紀伊國屋書店で購入 「小林秀雄を語る方法」 小林秀雄の『本居宣長』が最後まで読めなかったという人には、お薦めの本である。いや、小林秀雄などまるで興味がない、小林秀雄のどこが偉いのかさっぱりわからない、という人にもいい。もちろん、ニッポンの批…
→紀伊國屋書店で購入 「サンバのテンポを持つ小説」 数年前、住んでいたニューヨークからフロリダの友人の家まで車で行ったことがある。ニューヨークからフロリダまでは車だと24時間くらいかかる。その日は朝早く出発したが、途中で夜になりインターステー…
→紀伊國屋書店で購入 「夢幻的人生」 書店で厚い本を見ると惹かれてしまう。本狂いの人間の悪い癖だ。厚い本だと楽しみが長く続くのが嬉しいのである。薄いと、会席料理の一部に時々現れるお寿司のように、食べてしまうのが(読んでしまうのが)もったいなく…
→紀伊國屋書店で購入 「韓国の現代史を大づかみにするために」 社会学者の高原基彰です。今回からこの「書評空間」に私の担当欄を設けて頂けることになりました。 私は、「分かりやすくて内容の薄い本を何十冊速読するより、濃密で有益な情報のつまった本を1…
→紀伊國屋書店で購入 「万物がフリーになるわけではない。希少性という商機はいつも目前にある。」 インターネットによって、さまざまなサービス、商品の価格がフリー(無料)になっていく。その破壊的な力によって、既存のビジネスモデルが崩壊したり、変革…
→紀伊國屋書店で購入 「待つということ」 志賀直哉を読み返すのは20年ぶりくらいなのだが、あまりに圧倒的で参ってしまった。そういえばそうだった。こういうふうに「あまりに圧倒的だ」と思わせるのが志賀の得意技なのだ。 この岩波文庫版は初期から中期…
河出ブックス創刊第3弾、吉村正和『心霊の文化史――スピリチュアルな英国近代』 、丸川哲史『竹内好――アジアとの出会い』 は間もなく発売となります。ぜひご覧ください。 ***** イベントのご案内です。あさっての10日です。 先月刊行いたしました、飯沢…
→紀伊國屋書店で購入 ここ数年、ポスト・ネグリともいうべきイタリアの思想家たちの紹介が開始されている。パオロ・ヴィルノ、マウリツィオ・ラッツァラート、そして今回紹介するビフォは、ともにアウトノミア運動でネグリと戦列をともにし、いまもそれぞれ…
→紀伊國屋書店で購入 「戦時下の小学生の疎開体験がリアルに伝わってくる」 遠出だというのに、読みかけの本を忘れて家を出てしまった。鞄の中には一冊も本がない。新幹線に40分乗るだけなのだが、帰りの電車のことも考えると、本がない日帰り旅行はいかにも…
→紀伊國屋書店で購入 「経済システムの究極の目的は、単なる効率性の向上ではなく、人々の福祉水準を高めること、つまり、人々を幸せにすることにある」と、著者、諸富徹は「四、経済学を学ぶ意味とは何か-読者への期待を込めて」を結んでいる。本書には、…