書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『阿姑とからゆきさん:シンガポールの買売春社会 1870-1940年』ジェームズ・フランシス・ワレン著、蔡史君・早瀬晋三監訳、藤沢邦子訳(法政大学出版局)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「娼婦の生活史から日本とアジアの近代を問いなおす」「イギリス植民都市シンガポールの形成過程のなかで、性を生業にする日本と中国の女性たちはいかに生き、死んでいったか。近代という時代に翻弄されながらも懸命に生きた人…

『帝国日本のアジア研究-総力戦体制・経済リアリズム・民主社会主義』辛島理人(明石書店)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 日本のアジア研究は、現在問題となっている歴史認識など近隣諸国との関係改善・強化に、あまり貢献していないようにみえる。それはなぜなのか、戦前・戦中からの連続性、非連続性をもって語らなければ、わからないのではないか…

『もうひとつの「王様と私」』石井米雄著、飯島明子解説(めこん)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 6月7日、アメリカ演劇界最高の栄誉とされる「トニー賞」の授賞式がおこなわれた。ミュージカル部門主演男優賞に「王様と私」の王様役で渡辺謙がノミネートされたことから、日本で大きく報道された。「私」役が主演女優賞を受賞…