2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧
→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 NHK BSの「未来への提言」で日本でも一躍有名になった女性物理学者、リサ・ランドールの本を二冊紹介する。ランドールはケイト・ブランシェットを思わせる美人で、『ロード・オブ・ザ・リング』のガラドリエルが似…
→紀伊國屋書店で購入 最近の宇宙論の本ではインフレーション理論はビッグバン理論同様、確定的な事実であるかのように書かれている。ビッグバン理論はインフレーション理論と一体化している。ビッグバン理論には遠方の銀河ほど赤方変移が大きいという物証が…
→紀伊國屋書店で購入 曖々然、昧々然たる(ポスト)モダニズムの大パノラマ 曖昧さ、曖昧性を指すアンビギュイティ(ambiguity)という言葉は、心理学で愛と憎のふたつがひとつ心の中に併存することを指す語、アンビヴァレンス(ambivalence)と一緒に流行っ…
→紀伊國屋書店で購入 「排除される若者たちを知るために」 いま、若者がやり玉に挙げられている。中高年のインテリたちが、ストレス解消のために、あるいは出版社の要請に応えて書き散らしている若者バッシングを目的とした本がよく売れている。これらを「俗…
→紀伊國屋書店で購入 著者のビレンケンは旧ソ連出身の宇宙論研究者で、本書はサスキンドの『宇宙のランドスケープ』とほぼ同じ立場で書かれている。「多世界宇宙」とはサスキンドのいう「メガバース」にあたり、そこに無数の「島宇宙」(サスキンドの「ポケ…
→紀伊國屋書店で購入 「宇宙の風景(ランドスケープ)」というと比喩のようだが、ランドスケープとはひも理論の創始者の一人であるサスキンドが2003年に提唱した概念で、われわれが住んでいるような宇宙(「ポケット宇宙」と呼ばれる)を分類した一覧表をさ…
→紀伊國屋書店で購入 「精神科医も人の子だった。」 「オラは死んじまっただ~」のザ・フォーク・クルセダーズといえば、ある世代以上の人なら誰でも知っていると思う。加藤和彦らと共にそのメンバーであった北山修はその後、精神科医となり、現在は九州大学…
→紀伊國屋書店で購入 目下、情報理論による科学の再編成が進んでいるようだが、本書は多分、その最前衛に位置する本である。 著者のセス・ロイドはMITの機械工学科で量子コンピュータの開発にあたっている第一線の研究者である。機械工学科で量子コンピュー…
→紀伊國屋書店で購入 以前、フォン=バイヤーの『量子が変える情報の宇宙』を読み、情報理論が大変なことになっているらしいと知ったが、どう大変なのかが本書によってかなり見えてきた。「情報」という概念は今や宇宙論の核心にすえられ、科学のすべてが「…
→『愛の矢車草』を購入 →『愛の帆掛舟』を購入 「愛の湯豆腐、あるいは昭和の抒情性について」 橋本治のものなら何でも読むという熱心な読者ではなかったので、ぼくは昭和から平成の最初に発表された橋本のこの2冊の短篇集を読んでいなかった。もともと新潮…
→紀伊國屋書店で購入 「思考の散歩道」 「これは自問自答の本です」と最初にある。「私にとって書くことは考えつづけることだ」とも記されている。なるほど、結論と見えたものは、すぐに新しい問いに転じてつぎの章にバトンタッチされる。山頂を目指すのでは…
→紀伊國屋書店で購入 [劇評家の作業日誌](32) 今年の演劇界は異例なほど、ギリシア悲劇を題材とした舞台が多かった。2500年前に起源を持つギリシア悲劇に、特段エポック的な何かがあったわけではないが、現状が見えにくくなってくると、演劇の原点たるギリ…
→紀伊國屋書店で購入 「アメリカの援助政策を批判する」 先日、大正大学で行われた日本生命倫理学会で報告してきた。表看板からして達筆な毛筆書きでも 私は怯まず、中年社会人院生の図太さを発揮してきたのだ。母の介護で身と心が引き裂かれていたのを、学…
→『わたくし率 イン 歯ー、または世界』を購入 →『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』を購入 関西弁のマニエリスムかて、や、めっさ、ええやん ぱらっとめくったページにいきなり、 それまでの季節を洗濯機に入れたのは二十歳のこと。それをきし…
→紀伊國屋書店で購入 「夏目鏡子は悪妻か?」 毎年9年生(中学3年生)の一学期に、夏目漱石の『こころ』を教材として使用している。といっても、日本の教科書ではなく、文庫本だ。だから数頁を読むのではなく、冒頭の「私はその人を常に先生と呼んでいた。」…
→『ワーキングプア―日本を蝕む病』を購入 →『高学歴ワーキングプア―「フリーター生産工場」としての大学院』を購入 ワーキングプア。悲痛な響きだ。最近使われるようになった言葉だが、目いっぱい働いても生活保護の水準にも届かないような収入しか得られず…
→紀伊國屋書店で購入 「内なる怪獣」 半世紀近くにわたって世界中のこどもたちに愛読されてきた本書を今さら取り上げるのにはわけがある。センダックの作品は、比較的多くが日本語にも翻訳されているが、彼の芸術への信仰と熱情はあまり知られていない。 わ…
→紀伊國屋書店で購入 人は70才でこんなやわらかいファンタジアを持てるものなのか デザインに革命をもたらすイタリア人デザイナーには、流石レオナルド・ダ・ヴィンチを輩出したお国柄だけのことはあり、何でも知って何でもやってみようという多面万能、西周…
→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 著者、齋藤純一は、「公共性」という言葉の意味合いをつぎの3つに大別している:1)「国家に…
→紀伊國屋書店で購入 「ふつうの小説には登場できません」 西村賢太の名前はどこかの書評で知った。その評はたいへん好意的なものだったし、その後もちょくちょく名前を聞いたので何かの折にネット注文しておいたのだが、いざ現物が到着してみると、あらため…
→紀伊國屋書店で購入 「デジタルな状況を生き抜く覚悟」 最初のページにあるのは、廃品を寄せ集めてブルーシートで覆った、雑草だらけの河原にある小屋。ページを繰ると、今度はアップで撮った廃物が目に飛び込んでくる。プラスチックのオイルタンク、ロープ…
→紀伊國屋書店で購入 現代は情報化社会で、私たちの周りには大量の情報が溢れている。したがって、それを利用したいと思ったら、自由に情報を選んで享受できる。こんな風に私たちは思いがちである。 しかし、この本の著者はその逆であるという。私たちに届く…
→紀伊國屋書店で購入 「汚点(しみ) 心を迷わせるための」 今年2007年もいろいろな展覧会が見られた。東京はその気になれば世界一、さまざまなアートを一遍に楽しめる稀有な場とつくづく思う(料理にも言えるだろう)。模倣と具象に即(つ)いて市民社会に…
→紀伊國屋書店で購入 幸せな「家」たちにこの本を贈ろう 年月を経た住宅地を何の目的もなく歩くのが、私は好きだ。 パラパラとページをめくり目に飛び込んできた一文で、この本を開く準備は瞬時に整った。年月を経た住宅地を何の目的もなく歩くのがなぜ好き…
→紀伊國屋書店で購入 「アメリカがどこに向かっているかが透けて見える本」 アメリカで最近人気の高まっているものに4年制大学を卒業したナニー(子守り)がある。これまでナニーというと、子育てを終えたあまり裕福ではない女性が多かったが、この傾向に変…
→紀伊國屋書店で購入 「夢みるクローゼット・クイーン」 勤めていた洋装店を辞め、岡崎市の親元にもどった青年は、来る日も来る日も絵を描きつづけ、中原淳一のもとへと送りつづけた。戦後まもないころ少女たちを夢みさせた、中原淳一編集の『ひまわり』や『…
→紀伊國屋書店で購入 ディテールの神に嘉されて永久に年とる暇などない めちゃめちゃ知識を強いるポストモダン批評満載の建築学の本が続いて流石に頭が痛い、少し楽しいビジュアル本で目を楽しませようというか、同じ痛いのでも目に痛いタイプの本を新刊で何…
→紀伊國屋書店で購入 グラフィックな快感に御褒美のあめ玉を 整理整頓ができない理由を、自身の「極端な秩序志向、まっすぐな整調的思考」にあると思い至ったところから、この遊歩ははじまる。散らかった机を今片づけてもまたすぐに散らかるのだからそこに時…
→紀伊國屋書店で購入 「予定日は12頁」 実は今の車にする前はT社のSupraでした。 高速に入った時のスポーツシートに押し付けられる加速といい、低い車高で路面を捕らえる太い足まわりといい、そしてボディに伝わる吹き上がるエンジン音といい、かなりのお気…
→紀伊國屋書店で購入 空間はどきどきしている/風船だ、と歌う大理論書だ 先回紹介の『建築の書物 都市の書物』に取り上げられた、現代文化における建築および建築学の位置を知る上で必須の100冊の中で、とりわけ読者に直接手にとってみたいと思わせたに違い…