2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「伝説の自主ゼミの全貌が明らかに」 本書は、「伝説のゼミ」としてその名を知られる、法政大学自主マスコミ講座のこれまでの軌跡をまとめたものである。 同講座は、稲増龍夫教授を中心に1988年に立ち上げられ、これまでに送り…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「再び「オタク・オリエンタリズム」を超えるために」 本書は、2012年2月28日の書評空間でも詳細させていただいたオタク文化に関する論文集『Fandom unbound : Otaku Culture in a Connected World』(Yale Unversity Press)の日…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 連載開始35周年にあたる2003年に出たさいとう・たかを氏自選の傑作集で、ゴルゴ13にちなんで13編をおさめる。読者だったら選ばないような渋い話が多い。派手ではないが、情念が内側でたぎっているような深みがある。 1200頁近く…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 13人の著名人が選んだ傑作集。各編の後に推薦者のインタビューがあり、思いのたけを語っている。各界のエキスパートの弁だけに面白い。 自選集は地味な作品が多かったが、こちらは大仕掛けでスカッとして、ゴルゴ13本来の面白さ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「ガンバレ、町工場!」 本作は、『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載中のマンガを単行本化したものであり、作者の土屋雄民氏はこれが初の連載作品だという。 タイトルからもわかるように、本作は、下町ボブスレープロジェ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「公共空間で交差する多元的現実」 「このマンガ、面白いですよ」 そういって薦めてくれたのは、地方空港の売店員の女性であった。無論、知り合いでも何でもなく、まったくの初対面に過ぎなかったが、そうした相手とコミュニケ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「第九」とはもちろんベートーヴェンの作曲した交響曲第9番のことである。聴覚を失った最晩年のベートーヴェンが創作した大規模な交響曲だ。最終楽章で混声合唱による「歓喜の歌」が高らかに歌われるこの作品が日本における年末…
→上巻を購入 →中巻を購入 →下巻を購入 「マンガ日本の古典」シリーズから出ているさいとう・たかをによる『太平記』である。 漫画だから吉川英治版をもとにしているのかなと思ったが、そうではなかった。オリジナルの『太平記』をかなり忠実に漫画化というか…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「「こころ」はどこにあるのか」 『カノン』、美しい響きだ。主人公である北斗=歌音の名前だが、やはり音楽の一形式である「カノン」を思い出してしまう。ある旋律を追唱していく一種の輪唱で、異なる音で始まるものもある。と…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 『神話論理』の第三巻である。 四巻本の三巻目になると普通なら読む速度が速くなってくるところだが、『神話論理』は巻を追うごとに速度が遅くなってくる。難解でもないし、つまらないわけでもない。書いてあることは実に簡単明…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「一色に込められた一生の姿」 いつだったか、京都の湯葉作りの名人と呼ばれる人のインタビューを読んだことがある。何十年となく毎日湯葉を作り続けている人だったが、今までどのくらい満足のできる湯葉ができましたかと問われ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「幻想的な世界で展開されるスリルに満ちた物語」 ニューヨークに春が来て、僕のアパートの前の通りにあるカフェやレストランは、店先にテーブルを出し、昼間から賑わっている。通りを歩く人や、通りで立ち話をする人も多くなっ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「父という謎」 運営者の紀伊國屋書店さんのご事情でまもなくこのサイトは閉鎖されるとのこと。評者の欄も少しずつ店じまいモードになるかと思う。これまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。 今回とりあげるのは…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「幸せ」ってなんだろう。だれもが考えることに、本書は経済学の立場から答えてくれる。ただし、こうすれば「幸せになれる」という指南書ではないことは、言うまでもない。著者、橘木俊詔は、「著者からのメッセージ」でつぎの…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「活字離れ」が心配される今どきの小学生や中高生にとって、活字を読んで文脈を理解するのはしんどい事なのだろう(もちろん大学生以上も例外ではない…)。必要に迫られない限り、文字ばかりの本を自発的に読むことは、あまり期…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 おもてなしとかクールジャパンとか、賑やかに言われている昨今だが、パン(とケーキ)もまた、世界に誇れるニホンの文化だろう。ヨーロッパ各国の伝統的なものが本場とくらべても遜色ないレベルで再現され、さまざまなオリジナ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「努力型知性という作家ハビトゥス」 評者は、野上彌生子の小説では、岩波文庫上下二巻の『迷路』を読んだのみである。それも野上彌生子への関心というより、満州事変前後から敗戦直前までの学生やインテリ文化がどう描かれてい…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「幼き日の城・武将・合戦好きから歴史の世界へ」 ミネルヴァ書房の自伝シリーズに高名な歴史家の一冊が加わった(小和田哲男『戦国史を歩いた道』ミネルヴァ書房、2014年)。著者は現在放映中のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の時…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「高次脳機能障害について知りたい人のために」 今年度から私は、富山県高次脳機能障害支援センターからの依頼を受けて、ピア・サポート事業にアドバイザーの役割で関わっています。具体的には、高次脳機能障害をもつ人のご家族…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書は、この40年余に書かれた詩篇とエッセイからなる。著者、森崎和江の書いたものは、時代を感じさせない。当然、40年、30年前に書かれたものには、その当時の時代背景がある。しかし、それをいま読んでも時代遅れと感じさせ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 ショッピングモールの店頭に宮崎あおいの写真がある。店内にも、いくつか写真のパネルがある。自然と「ヒマラヤほどの消しゴムひとつ・・・」というCMが浮かんでくる。宮崎あおいが、歩きながら、鉄棒にぶら下がりながら、草野…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「こうしてオバマは再選された」 2012年に行われたアメリカ大統領選。アメリカの政治の動きが好きな僕は、一度もオバマ大統領の再選を疑うことはなかった。 これは、僕がオバマのファンであり民主党を支持する人間であると…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「泥つきの掘りたて根菜もろもろ詰め合わせ」。選りすぐられても、磨きをかけられてもいない。食べてみないことには、うまいかまずいかもわからない(なかには有毒なものもあるかもしれない)。泥つきだから、種にもなるので育…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「”音楽家には国境がある”」 「音楽に国境はない」というのは真実だろうが、過去の歴史をひもとけば、「少なくとも、音楽家には国境がある」。これが、本書(中川右介著『国家と音楽家』七つ森書館、2013年)の重要なメッセージ…
→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 「鮮やかで華麗な手際」 作家や思想家などの知識人と政治家や官僚・財界人のテクノクラートとでは、ハビトゥスも活動する社会空間=界も大いにちがう。そのせいだろうが、知識人を研究する者はテクノクラートの研究…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 なぜ、領土問題は解決しないのか、本書を読めばわかる。だが、本書を読んでも、領土問題の解決の糸口どころか、ヒントも得られない、というのは言い過ぎだろうか。「領域権原および領域主権をもつことができるのは国家のみであ…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「評伝にはしない」 ノンフィクションというジャンルの可能性を感じさせる一冊である。 日本におけるカウンセリングのあり方を取材した本書は、内容からすれば、たとえば中井久夫や河合隼雄の評伝としてまとめられていてもおか…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 話題となっているのは初心者向けのピアノの教材だ。楽しげな語り口で語られていく内容は、とても充実している。また学術的なリサーチとしても充分な価値がある、貴重な一冊だ。 ブルクミュラーは1806年にドイツで生まれた作曲家…
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「精神医学批判をロード・ムーヴィーする」 アメリカの精神科診断基準であるDSMを批判する著作が、本国アメリカにおいても少なくないことは、今までも機会あるたびに書いてきた。だが、本作の出来映えは異色だ。鹿爪らしい論評…