2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧
→紀伊國屋書店で購入 「社会貢献でメシを食うための具体的な方法がわかる」 このブログの更新頻度が下がっているのは二児の父親となり、生活時間と、仕事時間のコントロールがまだうまくいっていないため。二児の育児をしているのは妻。それを手助けしている…
→紀伊國屋書店で購入 「異国にいる「孤独」が浮かびあがらせたもの」 彼女のこれまでの仕事を知っている人は、この写真集を開いてホントに長島有里枝?と首を傾げるかもしれない。1993年、大学生のときに「アーバナート」展でパルコ賞を受賞しデビュー、受賞…
→紀伊國屋書店で購入 「就職難に直面した中国の地方出身大卒者」 日本で話題になる「高学歴ワーキングプア」は、大学院卒のことである。特に、博士課程修了者や博士号取得者で仕事のない人々のことを指すだろう。 中国の大学院生も、特に文系出身者は、(ま…
→紀伊國屋書店で購入 「ハーバード大学に入ったホームレス少女」 1982年の夏、僕はハーバード大学のサマーコースを取った。人類学と数学のクラスを取り図書館にこもり勉強もしたが、テニスコートや室内プールなど、サマースクールに参加している夏の間だけ学…
→紀伊國屋書店で購入 「『明星』の図像から読み解くアイドルと社会の変遷」 「『明星』だけは読むな」 個人的な体験から始めたい。評者は少年時代(ほぼ1980年代)に、母親からこのように言われて育った。男性週刊誌や少年漫画の性表現や暴力描写の方がはる…
→紀伊國屋書店で購入 2007年に成立した国民投票法案、多くの人が憲法9条の問題を想定した。しかし、ほかにもある。たとえば、天皇制にかんしてである。この国民投票、タイミングがひじょうに重要で、なにかをきっかけにその時のムードでおこなわれると、将来…
→紀伊國屋書店で購入 「実際の女の快楽はこんなに便利なものではない。」 上野千鶴子は、上野千鶴子を演ずるのがほんとうにうまい。この人は実にいろいろな種類の言説を使いこなすが、どれもが驚くほどちゃんと「上野千鶴子」になっている。センテンスの頭と…
→紀伊國屋書店で購入 「時代の預言者としての詩人」 何かでこんな事を読んだことがある。明治の話だが、50年後の社会がどのように発展しているか予想してもらったということだ。それをグラフにすると、一般の人達の予想が最もゆるいカーブを描いていて、次に…
→紀伊國屋書店で購入 「名文をばらまく鼠小僧?」 楽しい本である。休憩時間に読んでいたら、思わず何度も声を上げて笑い出したくなった。または一人でにやりとしてしまう。誰かに見られていたらよほど奇妙に思われたことだろう。竹内政明は読売新聞のコラム…
→紀伊國屋書店で購入 「中国絵画史を書き換える画期的な著作」 欧米の中国美術史研究は、ここ二〇年ほどのあいだに瞠目すべき成果を挙げた。巫鴻(Wu Hung)、クレイグ・クルナス(Craig Clunas)、ロータ・レダローゼ(Lothar Ledderose)、白謙慎(Bai Qi…
→紀伊國屋書店で購入 前回にひきつづき、音楽界で使われる言葉に関する書籍をもう1冊紹介したい。関の『ひと目で納得! 音楽用語事典』が演奏者や指導者をターゲットにしぼり、自身の表現をより豊かに、きめ細かく構成するために役立つ参考書なのに対し、久…
→紀伊國屋書店で購入 社宅街とは働くよろこび微粒子が拡散するパワースポット ビルの屋上にある高架水槽を観察していたころ、公団や社宅がよく目についた。川崎市にあった新日本石油の社宅アパート群などは棟によって高架水槽のかたちが少しずつ異なっていて…
→紀伊國屋書店で購入 「豊富な一次資料を用いた若者の『自分探し』分析」 三浦展(『下流社会』)などの著名な論者により、若者が夢の「青い鳥」を追い過ぎているという言説がひとしきり行き渡った。しかし他方で、現在の若者はリスクテイクをせず、本を読ま…
→紀伊國屋書店で購入 帯に「選択の余地はない」「CO2大幅削減がもたらす新たな経済成長戦略とは」とあり、その答えは表紙見返りにつぎのようにあった。「刻一刻と進行する地球温暖化。この未曾有の環境変動を前に、従来型の経済発展はもはや許されない。いま…
→紀伊國屋書店で購入 「『ニューヨーカー』誌が選んだ「40歳以下の作家20人」のひとり、ネル・フリューデンバーガーの短編集『Lucky Girls』」 今年『ニューヨーカー』誌が選んだ「40歳以下の作家20人」のひとり、ネル・フリューデンバーガーの短編集『Lucky…
→紀伊國屋書店で購入 「フランスの戦後思想の転変」 ヴェルナール・アンリ・レヴィの長大なサルトル論。一世代下からみたサルトル論であるが、ほとんど同時代と言ってもいいほどに、長い時期をともに生きてきた哲学者による論であって、実感がこもっていて読…
→紀伊國屋書店で購入 「名伯楽名馬を知る」 パリに長く住んでいると、何度かは三ツ星レストランに行く機会もある。しかし、日本に一時帰国した時に、日本で三ツ星級のフレンチレストランに行こうとは余り思わない。本場に住んでいるからという驕りのせいか、…
→紀伊國屋書店で購入 「ロボットのもたらす戦争の革命」 先ごろアカデミー賞作品賞ほか6部門で賞を獲得したキャスリン・ビグロー監督の『ハート・ロッカー』は、イラク戦争に従軍する爆弾処理兵を扱った映画である。これまでは戦争映画の主人公というと、前…
→紀伊國屋書店で購入 「戦時日本へのまなざしを知るための貴重な資料」 本書『日本人の行動パターンは、ルース・ベネディクトの代表作『菊と刀』が発表される前に書かれた論文、「Japanese Behavior Patterns」(1945年)とそれ以前に書かれた「What shall b…
→紀伊國屋書店で購入 「21世紀の出版ビジネス」 2010年は、「電子書籍元年」の掛け声が盛んだった。おびただしいジャーナリズムの記事が書かれているが、何か食い足りない。どれも皮相な現象を追うことに終始していて、肝心の「本」はどこへ行ってしまうのか…
→紀伊國屋書店で購入 「〈リベラリズム〉の教科書」 原著 A Short Introduction to Moral Philosophy は1747年刊。一年前に出た翻訳だが、画期的な本邦初訳だし、古典はいつまでも古びないのだから、まだ湯気が立っていると言ってもよかろう。私としては、前…
→紀伊國屋書店で購入 「平成饒舌体?」 力のある新人が出現する時にはどのような特徴があるのだろうか。私には例えばそれは一種の違和感、またはノイズとして感じられることが多い。阿部和重や平野啓一郎の時がそうだった。読んでいて独特の「ずれ」を感じた…
→紀伊國屋書店で購入 「絵空の社会認識を描こう」 建築家が構想を描いた絵で、なんらかの理由で実現することのなかったものを「アンビルド・ドローイング」と呼ぶ。実現しなかったといっても、コンペに負けたとか途中で頓挫したというような負の遺品や怨恨の…
→紀伊國屋書店で購入 「柔術/柔道のグローバルな展開と還流」 「柔術/柔道はいったいいつ頃、どのようにして国境を越え、海外に根付いていったのだろうか。その国際化の道のりとはどのようなものだったのか」 本書はこのような問題意識を出発点としており…
→紀伊國屋書店で購入 「出来損ないの領域」 文学作品の文章をねちねち分析していると、「君たちのやっているのは認知科学や認知言語学のできそこないみたいなもんだよ」と言われることがある。たしかにそうなのだ。同じ文学作品を扱うのでも、いわゆる〝認知…
→紀伊國屋書店で購入 「ママとのつきあい方を研究しよう」 新大久保の韓国焼肉屋で初めて信田さよ子さんにお目にかかった。編集者や書店の人たちが企画した熊谷晋一郎さんの退院祝いであった。たらふく食べた後、喫茶店で2時間ほどみんなでおしゃべりしたが…
→紀伊國屋書店で購入 本書の各章のタイトルを見て、時代は変わったと思った。開発援助といえば、先進国の発展モデルがあって、援助する側はそれに沿って着実に実行すればよく、失敗すればそれは援助される側に原因があると、一方的に解釈されてきた。そんな…
→紀伊國屋書店で購入 「「革命」に抗って、具体的に観察し、書くこと」 草森紳一は、どこまでも具体的に語ろうとする。ある一つの平凡な出来事に関する執拗なまでに詳細な描写が、いつの間にか抽象的・論理的な思考に結び付いていくところに彼の文章の独特の…
→紀伊國屋書店で購入 「少女の目で描いた一〇〇年前の村落共同体の暮らし」 この本のことはある編集者の方から贈っていただいて知った。著者・船曳由美さんは自分の先輩格に当たる方でその仕事ぶりを常日ごろ尊敬している、その彼女がこのたびこのような本を…
→紀伊國屋書店で購入 「デリダの理論の深みをうかがわせる」 帯によるとデリダの「晩年の主著」である。この書物は二つの講演で構成される。一つはスリジィの恒例の一〇日間にもおよぶ講演とセミナーでの長文の記録「強者の理性--ならず者国家はあるか」であ…