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舶来のエンターテインメントを満喫--海外ドラマのオフィシャルマガジン、続々登場!


○隔月刊「24 MAGAZINE」(イギリス)

○隔月刊「LOST」(アメリカ)

○隔月刊「BATTLESTAR GALACTICA」(アメリカ)

舶来品という言葉を聞かなくなって久しい。「だめよ、そのカップはお客様用、舶来品なんだから」「おとなりの玄関前に舶来の車がとまってたわね。絶対さわっちゃだめよ」。子どものころ、母にそんなことを言われたことがある。幼心に私は「はくらいひん」とは子どもが触れてはいけないもの、そして高価なものをそう呼ぶのだと思っていた。それが輸入品を意味すると知ったのは、ずっと後のことだ。

輸出黒字国日本、といった見出しが新聞を飾りはじめたのは私が中学生のころだったろうか。自動車、テレビ、ビデオデッキなどの日本の製品がアメリカをはじめ諸外国に輸出され、その品質のよさが認められたころだ。今ではむしろ、日本製=国産品の方が、少々値段は張るが良質なものといったイメージさえある。

しかし、エンターテインメントはアメリカにはかなわない。東京ベイに面したテーマパークは20周年を越えても大人気。ハリウッドスターが来日すれば成田空港はたちまち黒山の人だかりだ。テレビドラマも例外ではない。連邦政府機関の捜査官がテロと戦う「24 TWENTY FOUR」、無人島へ墜落した飛行機に乗り合わせた乗客のサバイバル劇「LOST」。リアルでスリリング、それでいて人間の感情を容赦なくさらけだす海外ドラマは観る者をひきこむ。日本では有料チャンネルやDVDで楽しめるが、海外ではそのオフィシャルマガジンが刊行されるほどの人気ぶりだ。

舶来のドラマを思う存分満喫しよう。大人に許された愉しみだ。

【洋書部・知】