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プロの読み手による書評ブログ

〔2013復刊書目〕 哲学・思想・言語・宗教

ギリシア語文法』高津春繁(岩波書店

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初版1960・最終版2010年◆A5判◆496頁◆税込7,875円(本体7,500円)
ISBN4-00-000342-9

引例が豊富で、精密なギリシア文法書である本書は、文章論に詳しく、方言も取り入れ、ギリシア文学に親しもうとする人々にも便利なように配慮されている。


『意味の深みへ』井筒俊彦岩波書店

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初版1985・最終版1990年◆B6判◆306頁◆税込5,355円(本体5,100円)
ISBN4-00-000115-9

古今東西の思想を渉猟し「意味の深みへ」と向かう碩学の思索は、思想のポストモダン的状況において、知の沃野が東洋哲学の世界を通して拡がることを示している。


『言語と言語学』ジョン・ライアンズ/近藤達夫訳(岩波書店

言語と言語学 →紀伊國屋ウェブストアで購入

初版1987・最終版1999年◆A5判◆412頁◆税込5,040円(本体4,800円)
ISBN4-00-000592-8

国際的に著名な言語学者ライアンズが多年にわたる教育経験にもとづき、これから言語学を学ぼうとする学生・社会人のために贈る入門書。


『倫理の復権 ロールズソクラテスレヴィナス岩田靖夫岩波書店

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初版1994・最終版2001年◆A5判◆296頁◆税込5,880円(本体5,600円)
ISBN4-00-002457-4

ロールズ正義論の哲学的背景を西欧倫理思想の伝統に探り、その発端と終末、ソクラテスレヴィナスに「正義と超越」をめぐる西欧的思考のポジとネガを見定める。


『破壊 人間性の解剖』エーリッヒ・フロム/作田啓一、佐野哲郎訳(紀伊國屋書店

破壊 人間性の解剖 →紀伊國屋ウェブストアで購入

初版1975・最終版2001年◆四六判◆852頁◆税込9,030円(本体8,600円)
ISBN978-4-314-00893-8

人間の歴史は暴力と残酷の記録で満ちている。『自由からの逃走』以来、フロムが一貫して追究してきた、人間独自の破壊性についての総括ともいえる大著。


『意味の限界 「純粋理性批判」論考』P.F.ストローソン/熊谷直男ほか訳(勁草書房

意味の限界 「純粋理性批判」論考 →紀伊國屋ウェブストアで購入

初版1987・最終版1999年◆A5判◆386頁◆税込4,410円(本体4,200円)
ISBN978-4-326-10069-9

イギリスの哲学者ストローソンのカント読解。〈経験に不可欠な構造〉についての分析的な議論を、〈学的ファンタジー〉から解き放って再構成する。


『ことばの進化論』D.ビッカートン/筧壽雄監訳(勁草書房

ことばの進化論 →紀伊國屋ウェブストアで購入

初版1998・最終版1999年◆A5判◆336頁◆税込5,145円(本体4,900円)
ISBN978-4-326-10122-1

ことばはどのように獲得されたか? カエル、チンパンジー、人/幼児の表示体系はどう違うのか? 進化の視点からことばの本質と構造に迫る。


『意識の自然 現象学の可能性を拓く』谷徹(勁草書房

意識の自然 現象学の可能性を拓く →紀伊國屋ウェブストアで購入

初版1998・最終版2004年◆A5判◆776頁◆税込10,500円(本体10,000円)
ISBN978-4-326-10123-8

三部構成によりフッサール現象学の全体像を描く大著。第一部は思想的源流、第二部は内部構造、第三部では継承者の評価と今後の展望を語る。


ウィーン学団 論理実証主義の起源・現代哲学史への一章』V.クラーフト/寺中平治訳(勁草書房

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初版1990・最終版1990年◆四六判◆320頁◆税込3,675円(本体3,500円)
ISBN978-4-326-19882-5

フレーゲの新しい論理学に促され、従来の哲学の革新をめざした哲学者集団「ウィーン学団」の軌跡。現代哲学は彼らの主張なしには成立しなかった。


チベット愛の書』ゲンドゥン・チュペルほか/三浦順子訳(春秋社)

チベット愛の書 →紀伊國屋ウェブストアで購入

初版1998・最終版1998年◆四六判◆296頁◆税込2,940円(本体2,800円)
ISBN4-393-13277-7

古今の伝承を渉猟し、高度な密教哲学を背景に閨房の秘儀から占いまで男女の甘美な技法を流暢な文体で綴るチベットカーマスートラ


『仏教インド思想辞典』高崎直道 編集代表/三浦順子訳(春秋社)

仏教インド思想辞典 →紀伊國屋ウェブストアで購入

初版1987・最終版1987年◆A5判◆562頁◆税込12,600円(本体12,000円)
ISBN978-4-393-10171-1

仏教とインド思想のトータルな理解のために370の事項を厳選し、研究者はもとより学生・社会人まであらゆる層の要望に応える画期的辞典。


『無文字民族の神話』ミシェル・パノフほか/大林太良ほか訳(白水社

無文字民族の神話 →紀伊國屋ウェブストアで購入

初版1985・最終版1998年◆四六判◆294頁◆税込4,410円(本体4,200円)
ISBN978-4-560-08291-1

オセアニア、東南アジア、シベリア、エスキモー、北中南米、アフリカの諸民族が口承で伝える、生きた神話の構造を概観する。


ディドロ著作集1 哲学Ⅰ 〈新装版〉』ディドロ/小場瀬卓三、平岡昇監修(法政大学出版局

ディドロ著作集1 哲学Ⅰ 〈新装版〉 →紀伊國屋ウェブストアで購入

初版1976・最終版1992年◆四六判◆458頁◆税込6,090円(本体5,800円)
ISBN978-4-588-12010-7

哲学断想/盲人に関する手紙/基本原理入門/ダランベールの夢/物質と運動に関する哲学的諸原理/ブーガンヴィール旅行記補遺/哲学者とある元帥夫人との対話/他


ベルクソン読本 〈新装版〉』久米博、中田光雄、安孫子信編(法政大学出版局

ベルクソン読本 〈新装版〉 →紀伊國屋ウェブストアで購入

初版2006・最終版2006年◆A5判◆336頁◆税込3,675円(本体3,500円)
ISBN978-4-588-12133-3

20世紀の哲学に測り知れない影響をもたらし、現代思想の展開の軸となったベルクソンの思想を多角的に再検討し、ベルクソンルネサンスをめざすガイドブック。


『翻訳文化を考える 〈改装版〉』柳父章法政大学出版局

翻訳文化を考える 〈改装版〉 →紀伊國屋ウェブストアで購入

初版1978・最終版2002年◆四六判◆256頁◆税込2,625円(本体2,500円)
ISBN978-4-588-43611-6

「翻訳日本語」を照射して日本文化論に新たな視角を導入した著者が、日常語から文学作品に至ることばの現場から、翻訳がもたらした特殊日本的な文化の構造を抉る。


『辺境から眺める アイヌが経験する近代』テッサ・モーリス=鈴木/大川正彦訳(みすず書房

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初版2000・最終版2007年◆四六判◆312頁◆税込3,150円(本体3,000円)
ISBN978-4-622-03089-8

日本とロシアは、アイヌなどの先住民族をどのように国家に組み込んできたのか。辺境という視座から、国民国家の辿った軌跡と先住民族の経験を追う。


アウシュヴィッツと表象の限界』ソール・フリードランダー編/上村忠男、小沢弘明、岩崎稔訳(未來社)

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初版1994・最終版1995年◆四六判◆260頁◆税込3,360円(本体3,200円)
ISBN978-4-624-93223-7

アウシュヴィッツに象徴されるユダヤ人虐殺の本質とは何か。歴史学における〈表象〉の問題を中心に展開された白熱のシンポジウムの成果。