第26位『おべんとうの時間』阿部了・写真/阿部直美・文
(木楽舎/1,470円)
ふたを開けるようにぱっと開くと、左ページにおべんとう、右ページにそのおべんとうを食べる人の笑顔があります。形も中身も開ける場所も人それぞれ。おべんとうについて語れば、いつの間にかその人の生き方が語られています。幼い頃の思い出、家族との絆、仕事への思い、将来のこと。この小さな箱には、ごはんと一緒に愛情や優しさや願いや人生が、ぎゅっと詰められているのです。優しくてあたたかくて美味しいいくつものおべんとうと物語に、なぜだか泣けてしまうのです。
〔札幌本店・魚井伸香〕