書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2005-11-24から1日間の記事一覧

第30位 『本当はちがうんだ日記』穂村 弘

→紀伊國屋書店で購入 (集英社/1,470円/4087747662) こんなにダメダメな俺は本当の俺じゃない!もっとカッコイイ自分―エスプレッソを心から美味しいと思い、風邪を引いた女の子のお見舞いに気のきいたオシャレな品をさらりと持っていけるデキル男としての人…

今年の特別賞!!『くうねるところすむところ』平安寿子

→紀伊國屋書店で購入 今年の特別賞!!(文藝春秋/1,750円/4163239901) 人生変えようと思うなら、これぐらいの力技が必要なのかもしれない。がけっぷちの女二人が、何も分からないのに土建屋の世界に飛び込んで、やっぱり奮闘、死闘の連続。なのに結局、あ…

番外編(POP賞編) 『生きる意味』上田紀行

→紀伊國屋書店で購入 (岩波書店/777円/400430931X) バブルの時代に土地や株を買ったわけでもなく、被害者でもなく、まして加害者でもなく、なのにこの言い知れぬ閉塞感は何なのだろう。それは 生きる意味の不況 だと著者は言う。幸せを求めることが、いつ…

番外編(POP賞編) 『帰ってきたもてない男』小谷野敦

→紀伊國屋書店で購入 (筑摩書房/735円/4480062467) ひえ~、あのもてない男が帰ってきた!何!?しかも結婚したのか?え、でも3年で離婚したのか?なんだ、よかった~、やっぱりもてない男はそうでなくっちゃ(不謹慎でごめんなさい)。 で、結婚生活はど…

番外編(POP賞編) 『誤読日記』斎藤美奈子

→紀伊國屋書店で購入 (朝日新聞社/1,575円/4022500328) 「本は誤読してなんぼ」、「誤読術さえ身に付ければ、どんな本も無駄にはなりません」といって10箇条の「誤読方法」を紹介した上、ここ約五年間にわたる新刊本約175冊を紹介してます。そういえばこん…

番外編(POP賞編) 『家族と住まない家―血縁から“暮らし縁”へ』島村八重子・寺田和代

→紀伊國屋書店で購入 (春秋社/1,785円/439333504X) 築150年の古民家に異世代の男女7人が暮らす「松蔭コモンズ」をはじめ、あえて「家族と住まない」ことを選択した10人の住まいと個人史を紹介した本。他人と心地よく生活するための距離感やスキルは、家族…

番外編(POP賞編) 『ケプラー予想』ジョージ・G・スピーロ

→紀伊國屋書店で購入 (新潮社/2,520円/4105454013) 「船倉にもっとも効率よく丸い砲弾を積み込む方法とはどんなものだろう?」一見単純に見える問いであり、解答らしきものも誰が見ても納得できるものでした。しかし、その「解答らしきもの」は本当に正し…

番外編(POP賞編) 『踏切趣味』石田 千

→紀伊國屋書店で購入 (筑摩書房/1,575円/4480816402) 中央線と西武新宿線(池袋線でも可)、比べたらどっちが「勝ち」だろう。 知名度、人気度、沿線グルメ度、カルチャー度etc…。まあ、申し訳ないが10戦9勝ぐらいの割合で中央線の勝ちだろう。でもひとつ…

番外編(POP賞編) 『嗤う日本の「ナショナリズム」』北田暁大

→紀伊國屋書店で購入 (NHK出版/1,071円/4140910240) 71年生まれの新進気鋭の社会学者による60‐00年代論。革命を夢見ることを世代的に許されず、コピーライターがこの世を皮肉る時代をリアルタイムで理解するには幼すぎ、「俺たちひょうきん族」にはかろう…

番外編(POP賞編) 『蜂起』森巣 博

→紀伊國屋書店で購入 (金曜日/1,890円/4906605028) 徹夜必至の、テロリズム推奨、娯楽とエロス満載の非国民小説。国家とか、国民とか、民族とか、セキュリティとか、ええい纏めて粉砕じゃあ、といわんばかりの『ナショナリズムの克服』実践篇。小泉首相じ…

番外編(POP賞編) 『ポーの話』いしいしんじ

→紀伊國屋書店で購入 (新潮社/1,890円/4104363014) うなぎ女、ひまし油、メリーゴーランド、うみうし娘…。妖しい名を持つものたちとの交流の中で少年ポーは何を見、聞き、感じたか。清濁併せ呑む世界の中でポーは成長していく。世の中には色んな人間の色々…

番外編(POP賞編) 『ヒッチコック「裏窓」ミステリの映画学』加藤幹郎

→紀伊國屋書店で購入 (みすず書房/1,365円/4622083035) ヒッチコックの名作「裏窓」を新たな観点から徹底解説した刺激的な1冊。というのも、事件が起きるのが当たり前のミステリ映画において実は殺人は行なわれていない、と著者は主張しているのです。ヒッ…

『人権について』ジョン・ロールズ他(みすず書房)

→紀伊國屋書店で購入 「人権をめぐる名講義集」 この書物はアムネスティ・インターナショナルが毎年オクスフォード大学で開催している連続講座の一冊で、一九九三年の講義を集めたものだ。毎年開催されているこの連続講座はかなり読み応えのあるもので、今回…