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プロの読み手による書評ブログ

2007-04-30から1日間の記事一覧

『だれが信長を殺したのか』 桐野作人 (PHP新書)

→紀伊國屋書店で購入 著者の桐野作人氏は以前は朝廷陰謀説をとっていたが、2001年の『真説 本能寺』で自説をとりさげ、光秀単独犯行説に転じた。立場を変えた直接の理由は『晴豊公記』の輪読会に参加し、信長と朝廷の間に深刻な対立などなかったと確信したか…

『信長は謀略で殺されたのか』 鈴木眞哉&藤本正行 (洋泉社)

→紀伊國屋書店で購入 本能寺の変をあつかった本やテレビ番組は夥しい数にのぼるが、その多くは明智光秀の謀反の背後には共犯者ないし別の真犯人がいるという陰謀説をとっている。近年の信長人気の高まりとともに、陰謀説はいよいよ花盛りであるが、本書はそ…

『二人の天魔王』 明石散人 (講談社文庫)

→紀伊國屋書店で購入 最近はイエズス会陰謀説などという奇説まであらわれていて、本能寺の変の謎解きは煮詰まった感があるが、本書はまったく新しい視角から信長と本能寺の変に光をあてた本である。新しい視角とは室町幕府第六代将軍足利義教である。 義教は…

『「本能寺の変」本当の謎』 円堂晃 (並木書房)

→紀伊國屋書店で購入 わたしが本能寺の変に興味を持ったきっかけは半村良の『産霊山秘録』だった。 もう30年以上前になるが、『石の血脈』で華々しく再デビューした半村良がSFマガジンで『産霊山秘録』の連載を開始した。皇室を守るために歴史の背後で暗躍す…