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プロの読み手による書評ブログ

2007-09-26から1日間の記事一覧

『ハンナ・アーレント -- 〈生〉は一つのナラティヴである』ジュリア・クリステヴァ(作品社)

→紀伊國屋書店で購入 「やわらかに描き出されたアレントの生と思想」 クリステヴァの女性評伝三部作のうちの一冊で、ほかの二人はメラニー・クラインとコレットだ。ある種の女性は、「精神生活の生き方の天才」(p.11)でもありうるという視点から、この三人が…

『なんにもないところから芸術がはじまる』椹木野衣(新潮社)

→紀伊國屋書店で購入 [劇評家の作業日誌](30) ジャンルに囚われているところに批評はない。批評とは、自分の拠って立つジャンルへの安住が奪われる時に始まるのではないか。批評が「危機」と同義の critical という形容詞を持つのは、おそらくそこに理由が…