書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2007-10-12から1日間の記事一覧

『アザンデ人の世界―妖術・託宣・呪術』エヴァンズ=プリチャード(みすず書房)

→紀伊國屋書店で購入 「妖術の論理学」 出版年は少し古くなるが、アザンデ人の世界における呪術の意味を詳細に考察したエヴァンス・プリチャードの古典的な著作で、いまなお読み応えがある。ヨーロッパの世界の住人であれば、偶然としか考えないところで、ア…

『ネオリベラリズムの精神分析-なぜ伝統や文化が求められるのか』樫村愛子(光文社新書)

→紀伊國屋書店で購入 「寄る辺のなさ」を埋め合わせるものは何か いま、人々は日々を生きる中で、「寄る辺のなさ」の感覚を強めている。この「寄る辺のなさ」(=流動化・不安定化=「プレカリテ」)の根には、生活を成り立たせる物質的基盤(雇用や収入)が…

『20世紀』 アルベ-ル・ロビダ[著] 朝比奈弘治[訳] (朝日出版社)

→紀伊國屋書店で購入 発明とモードに狂うのは内がうつろなればこその たとえば知る人ぞ知る愉しい図版集、デ・フリエスの“Victorian Inventions”(邦訳『ヴィクトリアン インベンション』)をのぞくと、19世紀末人士が発明狂の新時代をどんな具合に夢みてい…