書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2008-01-18から1日間の記事一覧

『猫のあしあと』町田康(講談社)

→紀伊國屋書店で購入 「愛猫家につける薬」 猫とつく本にはしぜんと手がのび、猫を愛する作家となれば無条件に親近感をおぼえてしまうのは猫好きの性なのだろう。数年前、ある猫雑誌で町田康が取材されているのを読み、自宅で数匹の猫と暮らしているのみなら…

『新編 悪魔の辞典』アンブローズ・ビアス(岩波文庫)

→紀伊國屋書店で購入 日本人はおしなべて「大人同士の洒落た会話」を楽しむのが下手なようだ。何かの祝賀会のような機会に知らない人と同席しても、そこで会話が盛り上がることはあまり期待できない。 初対面の人との専門外の会話にも気軽に参加し、そこを笑…

『知の版図-知識の枠組みと英米文学』鷲津浩子、宮本陽一郎[編] (悠書館)

→紀伊國屋書店で購入 ルース・ベネディクトの『菊と刀』に心底恐怖した なにしろ凄いタイトル。魅惑そのもののタイトルの一冊。荒木正純氏経由、同じく悠書館ということで続けて読んでみた。編者の一人、鷲津浩子氏は、アメリカ文学をやる人たちに一番欠けて…