書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2008-01-30から1日間の記事一覧

『孤独の発明』ポール・オースター 柴田元幸訳(新潮文庫)

→紀伊國屋書店で購入 ―狂気の発明― かつてオースターの諸作品を読んだ時、そこに綴られる世界に戦慄に近い感覚を覚えたのを思い出す。そこには、分裂した精神が奇妙な具合に統合されているような独特の空気があった。思考と感覚のあいだの連結が外れたり繋が…

『衝撃の古代アマゾン文明』 実松克義 (講談社)

→紀伊國屋書店で購入 いかにもという題名と著者が考古畑でない点で損をしてるが、南北アメリカ大陸の歴史のみならず、今後の環境問題を考える上できわめて重要な意義をもった本である。 著者の実松克義氏は宗教人類学者で、現代のシャーマンの聞きとり調査を…