書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2009-07-29から1日間の記事一覧

『ウィキペディア革命』 アスリーヌ編 (岩波書店)

→紀伊國屋書店で購入 本書はフランスのグランゼコールの一つであるパリ政治学院(シアンスポ)で講師をつとめるピエール・アスリーヌが、演習でおこなったWikipediaに関する調査をもとにまとめた本である。パリ政治学院を卒業したばかりの若いジャーナリスト…

『TOKYO一坪遺産』坂口恭平(春秋社)

→紀伊國屋書店で購入 はじめてパリに行ったとき、その街並み、建築はもちろんだが、ああ、西洋だなあ、としみじみ感じたのは、建設現場のありようを見たときだった。ちょうどルーヴル美術館が「グラン・ルーヴル・プロジェ」、ミッテラン政権下の大再開発の…

『モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない』マリ-・フランス・イルゴイエンヌ/高野 優 訳(紀伊國屋書店)

→紀伊國屋書店で購入 「「モラルハラスメント」と翻訳者の社会的責任」 高野 優(=翻訳家) 翻訳者は社会的な存在ではない。と、長い間、思っていた。もちろん冷静に考えれば、それがまちがいだとすぐわかる。なんらかの職業についていて、社会と関わりを持…

『The power of the dog』Don Winslow(Vintage Books)

→紀伊國屋書店で購入 「荒々しい疾走感が味わえる作品」 ロサンゼルスに住んでいた頃、車を飛ばしてサンディエゴを抜けアメリカの国境を越えメキシコのティワナまで行った。 アメリカの永住権をもっていた僕は、アメリカを出てメキシコに行って、そのあと何…