書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2009-11-29から1日間の記事一覧

『漢字廃止で韓国に何が起きたか』 呉善花 (PHP新書)

→紀伊國屋書店で購入 幕末から1980年代まで漢字廃止運動という妖怪が日本を跋扈していた。戦前は「我が国語文章界が、依然支那の下にへたばり付いて居るとは情けない次第」(上田萬年)というアジア蔑視をともなう近代化ナショナリズムが、戦後は漢字が軍国…

第16位『日本人の知らない日本語』蛇蔵 海野凪子

→紀伊國屋書店で購入 (メディアファクトリー/924円) 日本語学校の先生と生徒のやりとりを見ながら「日本語って何だろう?」を知ることができます。日本人なのに初めて知ることや外国人の日本語の使い方が載っていて、学びながらも笑って読んでしまう一冊…

第17位『ダブル・ジョーカー』柳広司

→紀伊國屋書店で購入 (角川書店/1,575円) たぶん私は結城中佐に魅了されている。陸軍内に設立されたスパイ養成学校“D機関”。主たる結城中佐は(私の勝手な想像では)渋い美中年で恐ろしいほど頭はキレる。魔王・スパイマスターの側面しか知ることは出来…

第18位『きのうの神さま』西川美和

→紀伊國屋書店で購入 (ポプラ社/1,470円) 「ゆれる」の西川美和監督が僻村の医療の現実を見つめた、新たな傑作「ディア・ドクター」・・・ 本書は、映画という時間軸では語りきれなかった取材の成果や思いをすくいあげてみたという短編小説集。この人ならで…