書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『「昭和」を生きた台湾青年-日本に亡命した台湾独立運動者の回想1924▶1949』王育徳(草思社)

→紀伊國屋書店で購入 「日本は台湾住民の生活水準を本国と同程度に引き上げ、いずれは同化することを目的として、世界のどこよりも良い植民地経営を目指したのである。このため、台湾は行政体制から経済、治安、衛生、教育のあらゆる面で近代化の恩恵を受け…

『憲法の常識 常識の憲法』百地章(文藝春秋)

→紀伊國屋書店で購入 「「憲法」と国のかたち」 昭和22年(1947年)5月3日、前年の11月3日に時の内閣総理大臣・吉田茂率いる吉田内閣下で公布された日本国憲法が、この日、施行された。 「憲法の常識 常識の憲法」と題しその日本国憲法(昭和22…

『ドラマトゥルク』平田栄一朗(三元社)

→紀伊國屋書店で購入 「<劇評家の作業日誌>(55)」 近年、日本の演劇界でしばしば耳にする言葉に、「ドラマトゥルク」がある。それを自称する者たちも少しずつ出てきた。日本語に置き換えると「文芸部員」となるドイツ語だが、その実態は今一つ摑みがた…

『魯迅 ― 東アジアを生きる文学』藤井省三(岩波書店)

→紀伊國屋書店で購入 「魯迅コンプレックス」 岩波新書でタイトルが『魯迅』というと、何となく手に取る前から内容が想像できると思う人もいるかもしれない。魯迅は外国文学の作家でも最もよく読まれているひとり。教科書にも頻出するし、世紀初頭の日本への…

ぶんぱく'11 人気パビリオン第三・四週

GWにも突入して、皆様どうお過ごしでしょうか? 4/1に開幕した「ぶんぱく'11」も残り一か月となりました。好評につき すでに品切れになってしまった書籍も出ており、お客様には大変ご迷惑を おかけしております。申し訳ありません。 さて、今回は二週間まと…