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プロの読み手による書評ブログ

2011-07-17から1日間の記事一覧

『ミドリさんとカラクリ屋敷』鈴木遥(集英社)

→紀伊國屋書店で購入 食道楽、あるいは着道楽と呼べる人になら、いまもお目にかかることはあるだろうが、普請道楽といったらどうか。家を建てたい人のための本は書店にたくさん並んでいるし、自慢のお宅拝見、といったテレビ番組もよくあるけれど、そうした…

『住まいの手帖』植田実(みすず書房)

→紀伊國屋書店で購入 「私の家の姿は私が覚えている」 解体前の友人の家の掃除を手伝った。もの作りの好きな三世代が暮らした一軒家で、そこかしこに手作りの気配がある。「必要なものはすべて運び出したから、欲しいものがあったらどうぞ」と言うので、なに…

『博士漂流時代―「余った博士」はどうなるか?』榎木英介(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

→紀伊國屋書店で購入 「博士課程と科学技術振興」 1950年代以降、科学技術振興政策によって大量に生まれた「博士」は、不安定な任期付きの職で研究を続ける若手研究者として「ポストドクター」(ポスドク)と呼ばれ、大きな問題を起こしている。増えすぎ…