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プロの読み手による書評ブログ

2012-03-13から1日間の記事一覧

『オオカミの護符』小倉美惠子(新潮社)

→紀伊國屋書店で購入 きっかけは、一枚の護符だった。「武蔵國 大口眞神 御嶽山」という文字の下に、黒い犬のような獣の図像が描かれているその紙切れは、生家の土蔵の扉に貼られていた。 著者はそこから、地元でひっそりと受け継がれている「御嶽講」の歴史…

『山賊ダイアリ- ― リアル猟師奮闘記』岡本健太郎(講談社)

→紀伊國屋書店で購入 とある平日の午後、私は紀伊國屋書店新宿南店の漫画フロアをフラフラと歩いていました。たまには大型書店もいいものです。棚が広いので置いてある漫画の数が半端ではありません。普段目にしないマイナーな漫画に出会えます。掘り出し物…

『バターン 死の行進』マイケル・ノーマン/エリザベス・M・ノーマン著、浅岡政子/中島由華訳(河出書房新社)

→紀伊國屋書店で購入 タイトルの「バターン」と帯の「日米両軍を公正な視点で徹底的に検証した衝撃の書!」、そして訳者名を見て、本書に期待するものはあまりなく、しばらく書棚に放っておいた。読んでみて、思った通りの内容だった。 期待しなかったのは、…

『Nickel and Dimed 』Barbara Ehrenreich(Picador)

→紀伊國屋書店で購入 「アメリカの貧困生活体験談」 一度読み始め、四十ページほどで読むのを止めてしまったこの本。 本の内容は、生物学の博士号を持ち『タイム』誌にも記事を書き、自著も出版している著者が、いまのアメリカ低所得者の現実を探るため実際…