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プロの読み手による書評ブログ

〔2012復刊書目〕 文学・芸術

『焔の文学 完本』モーリス・ブランショ/重信常喜、橋口守人訳(紀伊國屋書店)

焔の文学 完本 →紀伊國屋書店で購入

初版1958・最終版1997年◆四六判◆466頁◆税込5040円(本体4800円)
ISBN978-4-314-00796-2

無と有、沈黙と言葉、死と生……。揺れ動く作家の魂を文学の〈焔〉のなかにこそ見出そうとする、フランス批評の孤峰ブランショ、珠玉の評論集。


『告白と呪詛』シオラン出口裕弘訳(紀伊國屋書店)

告白と呪詛 →紀伊國屋書店で購入

初版1994・最終版1994年◆四六判◆256頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-314-00694-1

「生にはなんの意味もないという事実は、生きる理由の一つになる。唯一の理由にだってなる」―― 80 歳を前に自ら最後の著作と決めた、シオランの到達点。


『写真の哲学のために』V.フルッサー/深川雅文訳(勁草書房)

写真の哲学のために →紀伊國屋書店で購入

初版1999・最終版2004年◆四六判◆200頁◆税込3150円(本体3000円)
ISBN978-4-326-15340-4

脱産業社会/情報社会における「装置」と「人間」が作り出す新しい自由とは何か。ベンヤミンマクルーハンを超えるメディア=文明論。


ワルターベンヤミン』T.イーグルトン/今村仁司ほか訳(勁草書房)

→紀伊國屋書店で購入

初版1988・最終版1989年◆四六判◆360頁◆税込4200円(本体4000円)
ISBN978-4-326-15213-1

現代イギリスの文芸評論家、マルクス主義者である著者によるベンヤミンの読解。型通りのものではなく、随所に卓見がきらめいている。


バーナード・ショー名作集』鳴海四郎ほか訳(白水社)

→紀伊國屋書店で購入

初版1966・最終版1988年◆四六判◆644頁◆税込6930円(本体6600円)
ISBN978-4-560-08222-5

「カンディダ」「悪魔の弟子」「人と超人」「ピグマリオン」「聖女ジョウン」「デモクラシー万歳!」を収録。《世紀の皮肉屋》ショーの喜劇集。


シューベルトの歌曲をたどって』ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ/原田茂生訳(白水社)

→紀伊國屋書店で購入

初版1976・最終版1998年◆四六判◆552頁◆税込7875円(本体7500円)
ISBN978-4-560-08223-2

ドイツ歌曲の第一人者が、シューベルトの生涯、交友、恋愛、歌曲の成立、解説、後世作曲家への影響などを年代を追って綴る、卓抜なシューベルト読本。


『考える/分類する 日常生活の社会学ジョルジュ・ペレック阪上脩訳(法政大学出版局)

考える/分類する 日常生活の社会学 →紀伊國屋書店で購入

初版2000・最終版2000年◆四六判◆150頁◆税込2100円(本体2000円)
ISBN978-4-588-02202-9

収集―分類―整理という人間の社会- 心理的素描を試みる考現学的考察を通じて、現代社会と人間の恐るべき変貌を描き出す。


クナッパーツブッシュ 音楽と政治』奧波一秀(みすず書房)

クナッパーツブッシュ 音楽と政治 →紀伊國屋書店で購入

初版2001・最終版2001年◆四六判◆236頁◆税込3150円(本体3000円)
ISBN978-4-622-04265-5

ドイツ各地で徹底収集した厖大な史料に、緻密な検証を加える。分析の先に見えてくる大指揮者の真の姿とは。暗い時代との関わりを鋭く抉る意欲作。


ロシア・アヴァンギャルドと20世紀の美的革命』ヴィーリ・ミリマノフ/桑野隆訳(未來社)

→紀伊國屋書店で購入

初版2001・最終版2001年◆A5判◆182頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-624-71082-8

ナロード(民衆)による革命と美的革命の相克をめざした、20 世紀ロシア・アヴァンギャルドを、 世界の美術史のなかに位置づける基本書。