復刊候補一覧① 《哲学・思想・言語・宗教》
哲学・思想・言語・宗教
1
ギリシア語文法
高津春繁
初版1960・最終版2010年◆A5判◆496頁◆予価7875円(本体7500円)
引例が豊富で、精密なギリシア文法書である本書は、文章論に詳しく、方言も取り入れ、ギリシア文学に親しもうとする人々にも便利なように配慮されている。
2
意味の深みへ
初版1985・最終版1990年◆B6判◆306頁◆予価5355円(本体5100円)
古今東西の思想を渉猟し「意味の深みへ」と向かう碩学の思索は、思想のポストモダン的状況において、知の沃野が東洋哲学の世界を通して拡がることを示している。
3
言語と言語学
ジョン・ライアンズ/近藤達夫訳
初版1987・最終版1999年◆A5判◆412頁◆予価5040円(本体4800円)
国際的に著名な言語学者ライアンズが多年にわたる教育経験にもとづき、これから言語学を学ぼうとする学生・社会人のために贈る入門書。
4
倫理の復権
初版1994・最終版2001年◆A5判◆296頁◆予価5880円(本体5600円)
ロールズ正義論の哲学的背景を西欧倫理思想の伝統に探り、その発端と終末、ソクラテスとレヴィナスに「正義と超越」をめぐる西欧的思考のポジとネガを見定める。
5
孔子神話
初版1997・最終版1998年◆A5判◆368頁◆予価7875円(本体7500円)
聖人・孔子像の脱神話化の試み- 春秋戦国から清朝まで、儒教の形成史をたどり、宗教運動としてのダイナミズムに迫る。
6
破壊 人間性の解剖
エーリッヒ・フロム/作田啓一、佐野哲郎訳
初版1975・最終版2001年◆四六判◆852頁◆予価9030円(本体8600円)
人間の歴史は暴力と残酷の記録で満ちている。『自由からの逃走』以来、フロムが一貫して追究してきた、人間独自の破壊性についての総括ともいえる大著。
7
覚醒への戦い
コリン・ウィルソン/鈴木建三、君島邦守訳
初版1981・最終版1987年◆四六判◆186頁◆予価2310円(本体2200円)
「20世紀の偉大なる精神の一人」と評するほどにその出会いの当初から心酔したロシアの思想家・グルジェフの全体像に、ウィルソンが自ら迫った一冊。
8
デカルトの著作と体系
ジュヌヴィエーヴ・ロディス-レヴィス/小林道夫、川添信介訳
初版1990・最終版1990年◆四六判◆528頁◆予価6300円(本体6000円)
デカルトの思想形成の過程とその哲学体系の全体とを包括的に論述した、フランスにおけるデカルト研究の第一人者による、比類なき一冊。
9
意味の限界 『純粋理性批判』論考
P.F.ストローソン/熊谷直男ほか訳
初版1987・最終版1999年◆A5判◆384頁◆予価4410円(本体4200円)
イギリスの哲学者ストローソンのカント読解。〈経験に不可欠な構造〉についての分析的な議論を、〈学的ファンタジー〉から解き放って再構成する。
10
ことばの進化論
D.ビッカートン/筧壽雄監訳
初版1998・最終版1999年◆A5判◆336頁◆予価5145円(本体4900円)
ことばはどのように獲得されたか? カエル、チンパンジー、人/幼児の表示体系はどう違うのか? 進化の視点からことばの本質と構造に迫る。
11
意識の自然 現象学の可能性を拓く
谷徹
初版1998・最終版2004年◆A5判◆770頁◆予価10500円(本体10000円)
三部構成によりフッサール現象学の全体像を描く大著。第一部は思想的源流、第二部は内部構造、第三部では継承者の評価と今後の展望を語る。
12
シジウィックと現代功利主義
奥野満里子
初版1999・最終版1999年◆A5判◆344頁◆予価5985円(本体5700円)
自愛・博愛・正義の三原理を提起して、それらに厳密な分析を施したシジウィックの仕事を検証し、翻って現代倫理学の不備を批判する。和辻賞受賞。
13
V.クラーフト/寺中平治訳
初版1990・最終版1990年◆四六判◆320頁◆予価3465円(本体3300円)
フレーゲの新しい論理学に促され、従来の哲学の革新をめざした哲学者集団「ウィーン学団」の軌跡。現代哲学は彼らの主張なしには成立しなかった。
14
春秋社
チベット愛の書
ゲンドゥン・チュペルほか/三浦順子訳
初版1998・最終版1998年◆四六判◆296頁◆予価3675円(本体3500円)
古今の伝承を渉猟し、高度な密教哲学を背景に閨房の秘儀から占いまで男女の甘美な技法を流暢な文体で綴るチベット版カーマスートラ。
15
春秋社
人間 この問われるもの
ガブリエル・マルセル/小島威彦訳
初版1967・最終版1967年◆A5判◆432頁◆予価4725円(本体4500円)
現代文明を鋭く衝いた人間論の三部作を収録『人間、それに自らに背くもの』(1951)『知恵の凋落』(1954)『人間、この問われるもの』(1955)
16
春秋社
人間の尊厳
ガブリエル・マルセル/三雲夏生ほか訳
初版1966・最終版1966年◆A5判◆244頁◆予価4725円(本体4500円)
1961 年、同名の表題のもとにハーバード大学で行われた講演に加え、「常識の衰退」(1958)、「音楽と私」(1965)の二論文を併録する。
17
春秋社
仏教インド思想辞典
高崎直道 編集代表
初版1987・最終版1987年◆菊判◆562頁◆予価15750円(本体15000円)
仏教とインド思想のトータルな理解のために370 の事項を厳選し、研究者はもとより学生・社会人まであらゆる層の要望に応える画期的辞典。
18
哲学概説
桂壽一
初版1965・最終版1993年◆四六判◆350頁◆予価3570円(本体3400円)
哲学とは何かとの問いに答えて、哲学の部門、問題をあげ、それらの扱い方や解釈の試みを示す。哲学および哲学の歴史の全般的な見通しを与える書。
19
隠遁の思想
佐藤正英
初版1977・最終版1983年◆四六判◆298頁◆予価3360円(本体3200円)
人倫と仏道と歌のからみ合いのうちに、中世隠者を支えた“隠遁” の思想を力強く描く力作。
20
霊と肉
初版1979・最終版1983年◆四六判◆296頁◆予価3360円(本体3200円)
人間はたえず肉と霊の分裂の間に生きている。歴史的な素材を多様に織り込みながら、〈生〉〈死〉、〈仮面〉〈素面〉、〈浄土〉〈極楽〉を考察する。
21
形象と時間 クロノポリスの美学
谷川渥
初版1986・最終版1991年◆四六判◆258頁◆予価4200円(本体4000円)
現代社会の〈時間〉の加速化・断片化現象を踏まえつつ、古今東西の絵画・彫刻、建築、写真、文学、遊びのなかに豊饒なる〈時間〉を読む。ポリフォニックな時間論。
22
想像力と驚異
ピエール=マクシム・シュール/谷川渥訳
初版1983・最終版1983年◆四六判◆328頁◆予価4725円(本体4500円)
神話・文学・芸術・医学等の多様な領域を巡りつつ、奇異なもの・不可思議なものの中に人間精神の創造性を見出し、その活性化をはかる。
23
無文字民族の神話
ミシェル・パノフほか/大林太良ほか訳
初版1985・最終版1998年◆四六判◆294頁◆予価4410円(本体4200円)
オセアニア、東南アジア、シベリア、エスキモー、北中南米、アフリカの諸民族が口承で伝える、生きた神話の構造を概観する。
24
ディドロ著作集1 哲学Ⅰ
ディドロ/小場瀬卓三、平岡昇監修
初版1976・最終版1992年◆四六判◆458頁◆予価6300円(本体6000円)
哲学断想/盲人に関する手紙/基本原理入門/ダランベールの夢/物質と運動に関する哲学的諸原理/ブーガンヴィール旅行記補遺/哲学者とある元帥夫人との対話/他
25
ベルクソン読本
久米博、中田光雄、安孫子信編
初版2006・最終版2006年◆A5判◆336頁◆予価3675円(本体3500円)
20 世紀の哲学に測り知れない影響をもたらし、現代思想の展開の軸となったベルクソンの思想を多角的に再検討し、ベルクソン・ルネサンスをめざすガイドブック。
26
翻訳文化を考える
初版1978・最終版2002年◆四六判◆256頁◆予価2625円(本体2500円)
「翻訳日本語」を照射して日本文化論に新たな視角を導入した著者が、日常語から文学作品に至ることばの現場から、翻訳がもたらした特殊日本的な文化の構造を抉る。
27
我と汝・対話
マルティン・ブーバー/田口義弘訳
初版1978・最終版2004年◆四六判◆290頁◆予価3360円(本体3200円)
私とは何か、他者とはなんであるか? この根本的な問いのなかから、人間の全体性の回復をめざす。詩と哲学とをみごとに結合した破格な思想の書。
28
現象学の理念
初版1965・最終版2004年◆A5判◆208頁◆予価3360円(本体3200円)
『論理学研究』以後の現象学の展開を語る講義録。〈超越論的・構成的現象学〉の理念の表明と、〈超越論的主観性への現象学的還元〉の方法の確立。
29
モードの体系 その言語表現による記号学的分析
初版1972・最終版2004年◆A5判◆464頁◆予価7035円(本体6700円)
人間は自分たちの衣服から、どのようにして意味を作り上げるのか? ファッション・ジャーナリズムにお
けるモードの意味作用を探究した事例研究。
30
北一輝著作集1 国体論及び純正社会主義
北一輝/神島二郎ほか解説
初版1959・最終版2004年◆A5判◆458頁◆予価8400円(本体8000円)
初版1959・最終版2004年◆A5判◆460頁◆予価8400円(本体8000円)
北一輝著作集3 論文・詩歌・書簡 関係資料雑纂
初版1972・最終版2004年◆A5判◆762頁◆予価10500円(本体10000円)
明治政府を震駭させ発禁となった「国体論及び純正社会主義」、革命と戦争への予言の書「支那革命外史」「日本改造法案大綱」ほか、全貌を示す著作集。
31
辺境から眺める アイヌが経験する近代
テッサ・モーリス=鈴木/大川正彦訳
初版2000・最終版2007年◆四六判◆312頁◆予価3150円(本体3000円)
日本とロシアは、アイヌなどの先住民族をどのように国家に組み込んできたのか。辺境という視座から、国民国家の辿った軌跡と先住民族の経験を追う。
32
未來社
アウシュヴィッツと表象の限界
ソール・フリードランダー編/上村忠男、小沢弘明、岩崎稔訳
初版1994・最終版1995年◆四六判◆260頁◆予価3360円(本体3200円)
アウシュヴィッツに象徴されるユダヤ人虐殺の本質とは何か。歴史学における〈表象〉の問題を中心に展開された白熱のシンポジウムの成果。
33
未來社
道徳情操論(上)
スミス/米林富男訳
初版1969・最終版1999年◆A5判◆382頁◆予価5040円(本体4800円)
スミスの体系において『国富論』に直接先行する古典の完訳。「行為の道徳的適正について」ほか、1 ~ 3 部を収録。