復刊候補一覧③ 《歴史・民俗》
歴史・民俗
39
考証 福澤諭吉(上)
富田正文
初版1992・最終版2001年◆A5判◆456頁◆予価6720円(本体6400円)
考証 福澤諭吉(下)
初版1992・最終版2001年◆A5判◆432頁◆予価6720円(本体6400 円)
これは、福沢研究に生涯をかけた著者にして初めて描き得た克明な伝記である。その人の思想営為と、一切の旧幣に捉われない自由濶達な人となりを描く。
40
統一ヨーロッパへの道
デレック・ヒーター/田中俊郎監訳
初版1994・最終版1997年◆A5判◆328頁◆予価4620円(本体4400円)
経済的側面からのみ語られるヨーロッパ統合の背景にある歴史的、思想的流れを、カント、ルソー、サン=シモン、クーデンホーフ・カレルギーたちから考える。
41
朝貢システムと近代アジア
浜下武志
初版1997・最終版1998年◆A5判◆256頁◆予価6510円(本体6200 円)
本書ではこのシステムの生成と構造を分析する。そしてそのシステムが今世紀の国際関係に及ぼした意味と、香港をめぐる中英関係の世界史的意味を考える。
42
アフリカの創世神話
阿部年晴
初版1965・最終版1981年◆四六判◆222頁◆予価2730円(本体2600円)
ディンカ族、ルグバラ族、ドゴン族……アフリカの諸部族が語り伝えた「創世神話」をもとに、その思念や
世界観を文化人類学の立場から探究した一冊。
43
文化批判としての人類学 人間科学における実験的試み
ジョージ・E.マーカス、マイケル・M.J.フィッシャー/永渕康之訳
初版1989・最終版1991年◆四六判◆368頁◆予価4200円(本体4000円)
人類学の辿った歴史と将来への展望を、「文化批判」を軸にして示しつつ、ポストモダンという時代に揺さぶられた「知」の混迷に鋭く提言する。
44
日本の子守唄
松永伍一
初版1964・最終版1994年◆四六判◆228頁◆予価2310円(本体2200円)
子守唄のあの哀調はなぜか――民俗学的なアプローチで、庶民生活、出稼ぎ、故郷への慕情、社会風刺、エロスなど、唄い継いだ女性たちの心情を探る。
45
春秋社
西洋の音、日本の耳
中村洪介
初版1987・最終版2002年◆A5判◆552頁◆予価6300円(本体6000円)
幕末維新の侍、官吏使節団、明治の文豪たちは洋楽をどう聴いたか。柳北、藤村、荷風、啄木らを中心に洋楽受容の足跡をたどる。
46
真宗における異端の系譜
笠原一男
初版1962・最終版1991年◆A5判◆360頁◆予価6090円(本体5800円)
真宗教団の発展の過程において異端が発生する理由をさぐり、その系譜を明らかにするとともに、中世から近世への社会的基盤を解明する。
47
織田政権の基礎構造 織豊政権の分析1
初版1975・最終版1991年◆A5判◆340頁◆予価6510円(本体6200円)
中世的性格を克服しきれないでいる織田権力の本質をその土地政策・対農民政策を中心に抽出する。克明な史料分析と確実な実証に基づいた研究書。
48
初版1977・最終版1993年◆A5判◆364頁◆予価6720円(本体6400円)
織豊政権の権力構造の分析を通じて近世封建制成立過程を追究。石高制、都市・商業政策、権力論から、近世封建制の諸特質を明らかにする。
49
中世日本文化の形成
桜井好朗
初版1981・最終版1986年◆A5判◆336頁◆予価5040円(本体4800円)
神々との関わりで中世という時代を生きた日本人の観念の世界に分け入り、古代と中世の関係の仕組みと中世文化形成の様とを見据える。
50
初版1988・最終版1992年◆四六判◆296頁◆予価3360円(本体3200円)
一地域であるとともに首都であり、その民衆運動が革命全体の進行に大きな影響を及ぼしたパリの、革命初期の民衆世界の変容を分析する。
51
埴輪と絵画の古代学
辰巳和弘
初版1992・最終版2000年◆菊判◆268頁◆予価5040円(本体4800円)
弥生土器絵画、分銅形土製品、円筒埴輪の線刻図文など様々な資料を駆使して、弥生・古墳時代の呪術的儀礼と精神世界を追求し、古代文化の基層を解明する。
52
鹿鳴館 擬西洋化の世界
富田仁
初版1984・最終版1995年◆四六判◆240頁◆予価3150円(本体3000円)
粋を集めた建築、舞踏、服飾、料理などの文化・風俗と、そこにかかわった人々の人間模様を再現し、鹿鳴館が日本近代史に果たした役割を捉え直す。
53
ファシズム体制下のイタリア人の暮らし
ジャン・フランコ・ヴェネ/柴野均訳
初版1996・最終版1996年◆四六判◆332頁◆予価5460円(本体5200円)
20 年の長きにわたるファシズム支配下でイタリア人はどのような暮らしをし、何を考えていたのか? 同時代を生きた人々の声をもとに伝える。
54
悪党と海賊
初版1995・最終版1995年◆A5判◆424頁◆予価7350円(本体7000円)
鎌倉後期から「南北朝動乱」に至る転換期に活動した悪党・海賊をめぐる論争史を展望、その実体を究明しつつ、この時期の政治・社会情勢を論ずる。網野史学の原点。
55
日本煉瓦史の研究
水野信太郎
初版1999・最終版1999年◆B5判◆360頁◆予価12600円(本体12000円)
明治の文明開化と共に開花した我国煉瓦造建築の成立と消長を技術史・文化史の視点から跡づけ、歴史的建造物を具体的に検討しつつ、煉瓦の魅力と可能性をさぐる。
56
博物館の歴史
高橋雄造
初版2008・最終版2008年◆A5判◆538頁◆予価7350円(本体7000円)
2010 年度全日本博物館学会賞受賞 古代王国の宝物庫からルネサンス期の〈キャビネット〉を経て、現代の公共博物館に至る歴史を方法論の形成を軸にあとづける。
57
日本古代都市論序説
鬼頭清明
初版1977・最終版1991年◆A5判◆316頁◆予価5775円(本体5500円)
正倉院文書に残る三人の下級官人の生活と行動を追求し、その舞台である都市平城京の歴史的性格を生々と考察。優婆塞貢進、民間写経、出挙銭等に関する論稿も収録。
58
近世伊勢湾海運史の研究
村瀬正章
初版1980・最終版1980年◆A5判◆456頁◆予価6825円(本体6500円)
昭和56 年度住田海事奨励賞受賞 伊勢湾・三河湾海運の実態を、廻船業の経営、浦廻船と商品流通、河川水運、沿海農村の変容、海難及び海上犯罪等の問題から追求。
59
近世の琉球
渡口真清
初版1975・最終版1975年◆四六判◆492頁◆予価3675円(本体3500円)
石高、租税制度、位階制度、行政機構等にわたる多面的・実証的な分析を通して、史書の虚実を探り、幕藩体制下の一地域として琉球の実像を浮彫りにする。
60
竹富島誌〈民話・民俗篇〉
上勢頭亨
初版1976・最終版1985年◆四六判◆362頁◆予価4725円(本体4500円)
現代の語部ともいうべき著者が、半世紀余にわたり記録し続けたこの島の民俗資料を集成。本篇は民話・伝説、風習・年中行事、さらに幻の神歌=神口・願い口を収録。
61
竹富島誌〈歌謡・芸能篇〉
上勢頭亨
初版1979・最終版1979年◆四六判◆490頁◆予価5775円(本体5500円)
本篇はアユー、ジラバ、ユンタ、ユングトゥ等の古謡、節歌、童謡、さらには例狂言・笑し狂言19 篇を収録し、強制移住と人頭税の歴史、玩具・民芸品等にもおよぶ。
62
南島貝文化の研究
木下尚子
初版1996・最終版1996年◆B5判◆586頁◆予価15750円(本体15000円)
第6 回雄山閣考古学賞受賞 南島で開花した多彩な貝製品の文化を復元するとともに弥生時代以来南島と九州・本州との間に行われてきた貝交易のルートを究明する。
63
未來社
海女の島[新装版]
マライーニ/牧野文子訳
初版1989・最終版2004年◆四六判◆170頁◆予価2625円(本体2500円)
戦前北大でアイヌを研究し、戦後記録映画撮影のために再び来日した人類学者の紀行文。日本民族への深い関心に貫かれて島と人とを詩情豊かに描く。
64
未來社
ロスト/林功三訳
初版1991・最終版1991年◆四六判◆438頁◆予価3990円(本体3800円)
ドイツの収容所の一つであるダッハウで襲い来る恐怖と戦いながら、文豪ゲーテなど文学を糧に生き抜いてきたオランダ人ジャーナリストの日誌。
65
未來社
日本の憑きもの
石塚尊俊
初版1999・最終版2001年◆四六判◆300頁◆予価3360円(本体3200円)
憑きものの種類・分布からその社会構造・憑きもの筋・行者・社会倫理等憑きもののあらゆる側面を多くの資料と調査によりつつ総合的に究明した名著。
66
未來社
ヨーロッパ~栄光と凋落
A.J.P.テイラー/川端末人、岡俊孝訳
初版1994・最終版1994年◆A5判◆488頁◆予価6090円(本体5800円)
1943-55 年に書かれた歴史論を収録。ナポレオンからフランス革命やヒトラー、ドイツなどヨーロッパの歴史と精神を吟味する論文集。
67
未來社
イモと日本人
初版1979・最終版1998年◆四六判◆292頁◆予価3360円(本体3200円)
新年に餅を供え食べることを拒否する餅なし正月の習俗を緒口に、イネの文化に対抗する異系異質の文化体系を立証。日本人のもう一つの世界観を探る。
68
未來社
朝鮮から見た古代日本
全浩天
初版1989・最終版1997年◆A5判◆230頁◆予価3360円(本体3200円)
日本の古代文化の源流をどこに求めるべきか。朝鮮からの視点で朝鮮と古代日本との関係を実地踏査によって探り、豊富な写真・図版で実証的に示す。
69
未來社
琉球諸島の民具
上江洲均、神崎宣武、工藤員功
初版1983・最終版1983年◆四六判◆406頁◆予価6090円(本体5800円)
故宮本常一博士の民具学の方法論を下敷にし、琉球地方の生活用具を採集・分類した民具百科。豊富な写真資料と分類表、採訪記からなる民具民俗誌。
70
未來社
スキナー/塚田富治訳
初版1991・最終版1996年◆四六判◆184頁◆予価2625円(本体2500円)
イタリア・ルネサンス期の巨人政治家の独創的な思想と人間について、現代有数の歴史学者が書き下ろした入門書。新しい視点でのマキアヴェリ像。
71
未來社
歴史と啓蒙
ユルゲン・コッカ/肥前栄一、杉原達訳
初版1994・最終版1995年◆四六判◆320頁◆予価3990円(本体3800円)
現代ドイツの歴史社会科学を代表する論客の、〈構造史〉と〈日常史〉の結合による新たな〈社会史〉の確立をめざし、歴史学方法論に一石を投じる論集。