復刊候補一覧① 《哲学・思想・言語・宗教》
哲学・思想・言語・宗教
1
デカルトの自然哲学
初版1996・最終版2001年◆B6判◆232頁◆予価2808円(本体2600円)
デカルトは敗北したのか──形而上学と自然学からなる「哲学の樹」を解明する。コギトが、その宇宙論的思考のうちでもった意義とは。
2
社会性の哲学
初版2007・最終版2007年◆A5判◆584頁◆予価8424円(本体7800円)
人間存在を贈与論的構造に位置づけ、政治、経済、法の社会性の諸相を考察。労働と暴力をめぐる社会哲学を総合的に展開した遺著。
3
聖書の日本語 翻訳の歴史
鈴木範久
初版2006・最終版2008年◆四六判◆288頁◆予価3672円(本体3400円)
現代日本語のもう一つの源──人と出来事でたどる聖書翻訳通史。文語訳に始まり新共同訳に至る、近代日本の埋もれた系譜。
4
禅キリスト教の誕生
佐藤研
初版2007・最終版2007年◆四六判◆260頁◆予価3024円(本体2800円)
「復活」の禅的理解、「公案」の聖書的創作……禅の経験とキリスト教の歴史性を媒介として、より普遍的な宗教性の場への転回を試みる。
5
他者/死者/私 哲学と宗教のレッスン
初版2007・最終版2007年◆四六判◆250頁◆予価3024円(本体2800円)
他者あるいは死者とのかかわりの可能性を探りながら、「私とは何か」という問いを深めていく、思索のいとなみを示す。
6
覚醒への戦い
初版1981・最終版1987年◆四六判◆186頁◆予価2376円(本体2200円)
「20世紀の偉大なる精神の一人」と評するほどにその出会いの当初から心酔したロシアの思想家・グルジェフの全体像に、コリン・ウィルソンが迫った一冊。
7
デカルトの著作と体系
ジュヌヴィエーヴ・ロディス-レヴィス/小林道夫、川添信介訳
初版1990・最終版1990年◆四六判◆528頁◆予価6480円(本体6000円)
デカルトの思想形成の過程とその哲学体系の全体とを包括的に論述した、フランスにおけるデカルト研究の第一人者による、比類なき一冊。
8
われら不条理の子
初版1957・最終版1972年◆四六判◆160頁◆予価2376円(本体2200円)
大戦後の混乱期に青春時代を過ごした著者が、マルクス主義と社会、性と芸術などの問題に立ち向かう。戦後日本の芸術家や知識人に影響を与えた書。
9
長い歩み 中国の発見 『純粋理性批判』論考
シモーヌ・ド・ボーヴォワール/内山敏、大岡信訳
初版1959・最終版1966年◆四六判◆480頁◆予価6480円(本体6000円)
1955年秋、6週間にわたり中国を旅したボーヴォワールの中国現代史。膨大な文献と自らの見聞から、社会主義革命へ進む当時の中国を活写している。
10
超自然的認識
シモーヌ・ヴェイユ/田辺保訳
初版1976・最終版1992年◆四六判◆424頁◆予価4320円(本体4000円)
最後のノートからなる随想、草案、読書ノートなど。神秘主義的傾向、教会批判も一層明瞭に表われたヴェイユ思想の終着点を示す貴重な記録。
11
初版1989・最終版1989年◆四六判◆264頁◆予価3456円(本体3200円)
レヴィ=ストロースの新たな読解をふまえて構造人類学の成果を問う。ドゥルーズ、ジラールら構造主義以後の思想も俎上に載せ論理モデルを検証する。
12
飯田隆編
初版1995・最終版2004年◆A5判◆362頁◆予価5940円(本体5500円)
数学の真理は一種の規約によって生み出されるとする規約主義の立場が破産し、60年代後半に数学の哲学は復興した。ゲーデルの論文2本ほかを収録。
13
フーコーと教育 〈知=権力〉の解読
S.J.ボール編著/稲垣恭子、喜名信之、山本雄二監訳
初版1999・最終版2000年◆A5判◆302頁◆予価4860円(本体4500円)
規律・訓練、試験を通して「知=権力」社会の出現を透視する。フーコーに拠る教育への系譜学的アプローチ。
14
春秋社
仏典解題事典 第二版
水野弘元他編
初版1977・最終版1977年◆菊判◆520頁◆予価9720円(本体9000円)
膨大な経藏から重要な経典407を厳選。その成立・内容・研究などを各専門家が解説。新版では51項目を増補し、近年の研究を網羅。
15
哲学概説
桂壽一
初版1965・最終版1993年◆四六判◆350頁◆予価3672円(本体3400円)
哲学とは何かという問いに答えて、哲学の各部門と諸問題をとりあげ、その扱い方や解釈を示す。哲学とその歴史を見通す書。
16
記号論理学
清水義夫
初版1984・最終版2003年◆A5判◆192頁◆予価2808円(本体2600円)
論理学の初級コースの内容を平易に解説したテキスト。命題論理と述語論理から完全性定理やブール代数を経て、中級以上の議論につなげる。
17
方法としての中国
初版1989・最終版2000年◆四六判◆320頁◆予価4104円(本体3800円)
近代中国像は歪んでいないか。戦後の中国研究に視座の転換を迫り、アジアというもうひとつの世界イメージを提起する。
18
消尽したもの
ジル・ドゥルーズ、サミュエル・ベケット/宇野邦一、高橋康也訳
初版1994・最終版2006年◆四六判◆118頁◆予価3024円(本体2800円)
ベケットのTV放送用シナリオ4作品とそれをもとにしたドゥルーズのベケット論。〈消尽したもの〉という新しい哲学概念がかたちづくられる。
19
メンタル・スペース 自然言語理解の認知インターフェイス(新版)
ジル・フォコニエ/坂原茂、水光雅則、田窪行則、三藤博訳
初版1996・最終版2003年◆A5判◆292頁◆予価6804円(本体6300円)
意味研究の新しい地平を拓いた、言語学・哲学・認知科学の必読書。従来の理論では説明しきれない「一つの意味から複数の解釈が生じるメカニズム」を解明。
20
道徳的人間と非道徳的社会
ラインホールド・ニーバー/大木英夫訳
初版1998・最終版1998年◆四六判◆299頁◆予価4968円(本体4600円)
ヴェーバーの「心理倫理」と「責任倫理」の問題を克服し、倫理学と政治学に新生面を拓いた不朽の名著。アメリカの政治的リアリズムの精神的源泉でもある。
21
芸術崇拝の思想 政教分離とヨーロッパの新しい神
松宮秀治
初版2008・最終版2009年◆四六判◆300頁◆予価3888円(本体3600円)
芸術はいかにして〈神〉となったのか。宗教に代わる新しい支配原理となっていった芸術の思想を、民族、歴史、文化などの問題とからめて論じていく。
22
『存在と時間』講義
J.グレーシュ/杉村靖彦、松本直樹、重道健人他訳
初版2007・最終版2007年◆A5判◆676頁◆予価12960円(本体12000円)
ガダマーやリクールの流れを汲む解釈学的現象学の立場から『存在と時間』とその「作業場」の姿を鮮やかに浮かび上がらせた画期的な注釈書。
23
定義集
アラン/森有正訳、所雄章編
初版1988・最終版1999年◆四六判◆232頁◆予価3024円(本体2800円)
哲学者アランが、真に思索するとは何かを示す。ものとことばと思想の関連をみごとに表した210語の定義。落胆(ABATTEMENT)から宗教(RELIGION)まで。
24
我と汝・対話
マルティン・ブーバー/田口義弘訳
初版1978・最終版2004年◆四六判◆290頁◆予価3456円(本体3200円)
私とは何か、他者とはなんであるか? この根本的な問いのなかから、人間の全体性の回復をめざす。詩と哲学とをみごとに結合した破格な思想の書。
25
アベラールとエロイーズ
エチエンヌ・ジルソン/中村弓子訳
初版1987・最終版1988年◆四六判◆272頁◆予価3240円(本体3000円)
中世を彩る最大の悲恋であり高い思想性をもつ対話をテーマに、鋭い心理分析から中世哲学の碩学が投じた光。「学ぶべき書」そして「愛すべき書」。
26
ヘーゲル伝
カール・ローゼンクランツ/中埜肇訳
初版1983・最終版2001年◆A5判◆378頁◆予価5940円(本体5500円)
1844年に、ベルリン版ヘーゲル全集の補巻として刊行。同時代人による伝記。ドイツ観念論を継承発展させる過程を中心に、誕生から死までを描く。
27
死
V.ジャンケレヴィッチ/仲澤紀雄訳
初版1978・最終版2009年◆A5判◆528頁◆予価8316円(本体7700円)
「死のこちら側の死」「死の瞬間における死」「死のむこう側の死」、人類永遠のテーマを奏でる思索の交響曲。「死は同時に生きる手段であり障碍だ。」
28
権力 その歴史と心理
初版1959・最終版1992年◆四六判◆360頁◆予価4320円(本体4000円)
哲学者ラッセルは、社会変化の根本動機を〈権力〉に見出し、人間の統治の問題への理解を示す。古代や中世の僧侶や王との対比で近代を分析する。
29
一般言語学の諸問題
初版1983・最終版2007年◆A5判◆344頁◆予価7128円(本体6600円)
ソシュールの学統を継ぎ、文化人類学、社会学、歴史学、精神分析への広がりを視野に収める言語学。構造と分析、統辞機能などのテーマ、21論文。
30
みる きく よむ
初版2005・最終版2006年◆四六判◆244頁◆予価3780円(本体3500円)
創造の源泉とは? 芸術の普遍性とは? 文化人類学を率いた、20世紀ヨーロッパ精神を代表する知性の一人が、魅力豊かに「思考の快楽」へ誘う。
31
関係としての自己
初版2005・最終版2009年◆四六判◆312頁◆予価3240円(本体3000円)
「私」とは何か。「自己」とは何か。豊富な臨床経験と、生命や存在への透徹した眼差しをとおして、そのあり方の謎に迫る、木村人間学の到達点。
32
初版1998・最終版1998年◆A5判◆480頁◆予価6264円(本体5800円)
わが父は、いかにしてキリスト信者となったか。内村鑑三、新渡戸稲造を継ぐ人の内面と彼をめぐる青春群像。未公開の日記を引用しつつ甦らせる。
33
未來社
ガーダマーとの対話 解釈学・美学・実践哲学
ガーダマー/巻田悦郎訳
初版1995・最終版1995年◆四六判◆100頁◆予価2160円(本体2000円)
解釈学の巨匠に若き学徒が挑戦的に問いかけた哲学対話。ガーダマーの思考を現代哲学の地平においてとらえ直し、その生涯を明快に浮かび上がらせる。
34
未來社
道徳情操論 上
スミス/米林富男訳
初版1969・最終版1999年◆A5判◆382頁◆予価4860円(本体4500円)
スミスの体系において『国富論』に直接先行する古典の完訳。「行為の道徳的適正について」など、1~3部を収録。
35
未來社
レバノンの白い山 古代地中海の神々
山形孝夫
初版1976・最終版2001年◆四六判◆306頁◆予価3240円(本体3000円)
初期キリスト教史・宗教人類学の第一人者が碑文や伝承の断片を手がかりにキリスト教の生まれた風土、自然的・歴史的背景を考察する名著。
36
西行の思想史的研究
目崎徳衛
初版1978・最終版1995年◆A5判◆466頁◆予価8640円(本体8000円)
新史料の発掘と旧説の修正によって、西行の伝記上の多くの問題点を歴史的に解明。文化の諸領域に広く関与した、「中世人」西行の全貌を提示する。
37
日本中世の禅宗と社会
初版1998・最終版1998年◆A5判◆498頁◆予価9180円(本体8500円)
日本の中世社会に大きな影響を与えた禅宗の実像を解明。禅と念仏・神祇信仰の関係、禅宗寺院の組織と仏事法会より中世後期仏教の特質を追究する。
38
日本キリシタン史の研究
五野井隆史
初版2002・最終版2002年◆A5判◆408頁◆予価9720円(本体9000円)
中世末期、短期間に多くの日本人が新しい宗教を受け入れたのは何故か。布教の実態を克明に追究し、キリシタンの光と影の歴史を解明。