復刊候補一覧③ 《歴史・民俗》
歴史・民俗
43
近代天皇制と古都
高木博志
初版2006・最終版2006年◆四六判◆442頁◆予価3564円(本体3300円)
近代天皇制のもとではじめて奈良と京都が「古都」として表象されたのはなぜか。文化的表象形成の深部に働く政治を鋭く抉り出す。
44
毛里和子、増田弘監訳
初版2004・最終版2006年◆A5判◆400頁◆予価6264円(本体5800円)
71年のキッシンジャー秘密訪中時の会談記録。台湾、日本、ニクソン訪中時の共同声明草案などをめぐり率直な議論がかわされる。
45
ブラック・プロパガンダ 謀略のラジオ
山本武利
初版2002・最終版2003年◆四六判◆320頁◆予価3240円(本体3000円)
米軍はサイパンから日本全土に、国内の反軍勢力を装った謀略放送を流した。米国の情報公開により第2次大戦の実態が初めて明かされる。
46
日本の子守唄
松永伍一
初版1964・最終版1994年◆四六判◆228頁◆予価2592円(本体2400円)
子守唄のあの哀調はなぜか――民俗学的なアプローチで、庶民生活、出稼ぎ、故郷への慕情、社会風刺、エロスなど、唄い継いだ女性たちの心情を探る。
47
髪型の知性
宇野久夫
初版1978・最終版1978年◆四六判◆192頁◆予価2376円(本体2200円)
古今東西の髪型を紹介しながら、そこに込められた意味や人々の美意識、または抑圧の痕跡を見出し、あるべき社会と人間の姿を探るユニークな一冊。
48
春秋社
西洋の音、日本の耳 近代日本文学と西洋音楽
中村洪介
初版1987・最終版2002年◆A5判◆552頁◆予価6480円(本体6000円)
幕末維新の侍、官吏使節団、明治の文豪たちは洋楽をどう聴いたか。柳北、藤村、荷風、啄木らを中心に洋楽受容の足跡をたどる。
49
春秋社
日本王権論
初版1988・最終版2000年◆A5変型◆288頁◆予価2700円(本体2500円)
天皇制は何に支えられ、どんな機能を果たしてきたのか。存続の理由は何か。歴史学・民俗学・文化人類学の視点から日本精神史の深層に迫る。
50
春秋社
変成譜
初版1993・最終版1993年◆四六判◆416頁◆予価4320円(本体4000円)
熊野詣、修験神楽、法華経注釈など、中世神仏習合の多彩な展開を読解し心身と世界のドライスティックな変革=〈変成〉の壮大な宗教運動を甦らせる。
51
春秋社
金と香辛料
ジャン・ファヴィエ/内田日出海訳
初版1997・最終版1997年◆A5判◆576頁◆予価7560円(本体7000円)
危険を冒して異国の富を求めた先駆的実業家たち─大航海時代に先立ち海外ヘ飛翔し、「世界」経済の基礎を作った人々の活躍を描く名著。
52
薄闇のローマ世界 嬰児遺棄と奴隷制
初版1993・最終版1994年◆A5判◆224頁◆予価5832円(本体5400円)
ローマ世界における嬰児遺棄の実態を、パピルス文書、碑文史料等を人口動態理論にもとづく分析で解明する。サントリー学芸賞受賞
53
明惠 遍歴と夢
奥田勲
初版1978・最終版1998年◆四六判◆330頁◆予価4104円(本体3800円)
高山寺の創建者、明惠自筆の夢記を含む、おびただしい高山寺所蔵文書を丹念にたどって、明恵の生涯、その人と思想を描出する。
54
近日本海域の古代史
門脇禎二
5~7世紀の古代日本にも、自立した地域国家群の興亡の歴史があった。日本海域の諸地域を、考古学の知見をふまえて描いた力作。
55
歴史学選書3 中国古代の社会と経済
初版1981・最終版1992年◆四六判◆290頁◆予価3456円(本体3200円)
殷・周時代から、春秋・戦国期までの農業発展を跡づけ、漢代の社会・経済を概説的に俯瞰し中国古代史の諸問題を解明する。
56
私市正年
初版2004・最終版2005年◆四六判◆330頁◆予価4536円(本体4200円)
イスラーム主義運動の「熱狂と挫折」の歴史を、前近代から現代まで、北アフリカのマグリブ諸国(チュニジア・モロッコ・アルジェリア)を軸に論じてゆく。
57
過去の克服 ヒトラー後のドイツ
石田勇治
初版2002・最終版2005年◆四六判◆350頁◆予価4104円(本体3800円)
「過去の克服」にはそれを促す力と押しとどめる力があった。このふたつの力のせめぎ合いをとおして、「過去の克服」をめぐる戦後ドイツの歩みを概観していく。
58
中世の騎士文化
ヨアヒム・ブムケ/平尾浩三ほか訳
初版1995・最終版1997年◆A5判◆814頁◆予価17280円(本体16000円)
宮廷を中心に花開いた騎士文化の精神生活と物文化の実態とは。膨大な史料と実証的分析をふまえ、騎士・貴婦人の生活がその息づかいまで蘇る決定版。
59
性とスーツ 現代衣服が形づくられるまで
アン・ホランダー/中野香織訳
初版1997・最終版2005年◆四六判◆292頁◆予価4104円(本体3800円)
シンプルな必需品とも、退屈な代物とも称されるスーツ。その歴史をたどり、われわれの衣服の中にひそむ美的・性的・社会的メッセージを読み解く服飾史。
60
日本神話の比較研究
大林太良編
初版1974・最終版1977年◆A5判◆438頁◆予価5400円(本体5000円)
日本神話と世界各地の神話との比較研究の成果を結集し、比較・分析を綜合して比較神話学の問題点を摘出・展望する。
61
剣の神・剣の英雄 タケミカヅチ神話の比較研究
大林太良、吉田敦彦
初版1981・最終版1981年◆四六判◆270頁◆予価3240円(本体3000円)
剣神伝承の一致と対応を対照しつつ、日本神話と印欧諸族の神話との連続性を浮彫にし、比較神話学の方法により文化系統論に新視覚をもたらす。
62
桶と樽
小泉和子編
初版2000・最終版2000年◆A5判◆466+1頁◆予価8424円(本体7800円)
出土遺物や絵画・文献資料をもとに、壷・甕から桶・樽への転換期を探り、醸造業をはじめ、農業・漁業・鉱業から流通業まで、桶・樽が果たした役割を明らかにする。
63
奄美説話の研究
山下欣一
初版1979・最終版1979年◆A5判◆552頁◆予価8424円(本体7800円)
ユタが唱えてきた呪詞と民間説話群とを詳細に比較・検討しつつ、南島の基層文化におけるシャーマニズムという独自の視角から、南島説話成立の基盤を浮彫りにする。
64
南西諸島の民俗 Ⅰ
下野敏見
初版1980・最終版1980年◆A5判◆554+16頁◆予価8640円(本体8000円)
南九州から奄美・沖繩まで、島々の生活と文化を実地に精査して成った初の南島民俗集成。本巻は、生業・民具・航海(船)・漁業等の有形資料を中心に基層文化を探る。
65
社会人類学入門
J.ヘンドリー/桑山敬己訳
初版2002・最終版2007年◆A5判◆314頁◆予価4212円(本体3900円)
イギリス人類学の最新の成果を盛り込みつつ、日本の民族誌的事例を豊富に取り上げ、異文化としての日本、他者としての自己について考える機会を提供する好入門書。
66
新井政美
初版2001・最終版2008年◆四六判◆368頁◆予価4860円(本体4500円)
オスマン帝国=「イスラム国家」の凋落から近代国家への変身に賭けた、苦難の道のりをたどる。1699年以後の3世紀をカバーした興味津々の通史。
67
風見章日記・関係資料 1936-1947
北河賢三、望月雅士、鬼嶋淳編
初版2008・最終版2008年◆A5判◆580頁◆予価14040円(本体13000円)
盧溝橋事件から日中戦争の泥沼化、太平洋戦争、敗戦。近衛文麿内閣で対中国政策の渦中にあった政治家による日記他34編。昭和史研究の重要資料。
68
未來社
歴史と啓蒙
ユルゲン・コッカ/肥前栄一、杉原達訳
初版1994・最終版1994年◆四六判◆320頁◆予価3780円(本体3500円)
現代ドイツの歴史社会科学を代表する論客の、〈構造史〉と〈日常史〉の結合による新たな〈社会史〉の確立をめざし、歴史学方法論に一石を投じる論集。
69
未來社
海女
初版1970・最終版1975年◆四六判◆416頁◆予価3780円(本体3500円)
舳倉島に渡って、海女たちのきびしい過酷な生活をみて以来、全国の海女のたちの生活、歴史、文化を書き記した感動のヒューマン・ドキュメント。
70
未來社
バロマ トロブリアンド諸島の呪術と死霊信仰
マリノウスキー/高橋渉訳
初版1981・最終版1981年◆四六判◆206頁◆予価2160円(本体2000円)
社会人類学の古典とされる名高いトロブリアンド諸島調査のもっとも初期においてなされた調査報告で、島人の信仰面を照射する。
71
未來社
稲を選んだ日本人 民俗的思考の世界
初版1982・最終版1995年◆四六判◆236頁◆予価2700円(本体2500円)
日本文化の歴史を稲作民と畑作民の二つの異集団文化の接触過程として捉え、その対立・抗争・同化・吸収の諸相を追いながら民俗的世界の構図を解明する。
72
鎌倉時代政治史研究
初版1991・最終版1991年◆A5判◆352頁◆予価8100円(本体7500円)
吾妻鏡等の基礎史料を細密に検討し、鎌倉幕府と公家政権の関係を解明。鋭い切り口と豊かな構想に支えられた中世史研究者必読の基本文献。
73
日本の貨幣の歴史
滝沢武雄
初版1996・最終版2004年◆四六判◆296頁◆予価3240円(本体3000円)
日本の貨幣の歴史を、各時代の重要問題を的確に解明し、先行研究を基礎に分かり易く詳述した貨幣通史。
74
一向一揆と戦国社会
神田千里
初版1998・最終版1998年◆A5判◆364頁◆予価8640円(本体8000円)
「百姓の持ちたる国」をめざして光芒を放った一向一揆。その信仰、教団との関係、信長との対決と和解、その後の教団の発展などを総体的に解明。
75
王権神話の二元構造 タカミムスヒとアマテラス
溝口睦子
初版2000・最終版2000年◆A5判◆318頁◆予価8100円(本体7500円)
日本の歴史が大きく転換したヤマト王権時代、朝鮮半島から取り入れられた文化と弥生以来の土着文化の二元構造を、記紀神話の分析から論証。
76
鎌倉府体制と東国
小国浩寿
初版2001・最終版2001年◆A5判◆314頁◆予価8424円(本体7800円)
室町幕府は、なぜ反発を繰り返す鎌倉公方を代々任じ続けたのか。南北朝内乱の中で、鎌倉府権力が確立に至る過程を解明する。
77
軍都の慰霊空間 国民統合と戦死者たち
本康宏史
初版2002・最終版2002年◆A5判◆384頁◆予価8640円(本体8000円)
軍人墓地など戦死者を弔う特別の空間の立地や景観、儀礼などを通し、軍事都市を中心に展開した近代国家による民衆統合の様相を解明。
78
中世東国の領域と城館
齋藤慎一
初版2002・最終版2002年◆A5判◆338頁◆予価9720円(本体9000円)
領主は支配のためにいかなる本拠と領域を設定したのか。活動の中心的空間である本拠や「境目の城」から、領主と領域の関係を考察。
79
戦前期日本と東南アジア 資源獲得の視点から
安達宏昭
初版2002・最終版2002年◆A5判◆268頁◆予価8100円(本体7500円)
1930年代、経済的には脆弱で英米に依存しながらも、自立した総力戦体制を形成しようとするジレンマを持つ日本帝国主義の特質を解明。
80
苧麻・絹・木綿の社会史
永原慶二
初版2004・最終版2005年◆四六判◆384頁◆予価3456円(本体3200円)
日本列島に生きた人びとの生活を、前近代の三大衣料原料であった〈三本の糸〉を手繰りながら織り出す。歴史学の巨星、最後の著作。
81
平安王朝の子どもたち 王権と家・童
服藤早苗
初版2004・最終版2004年◆A5判◆336頁◆予価8208円(本体7600円)
父親が子を認知する歴史的成立過程をから家・親権の問題を解明。さらに童舞の意義などを探り、家格や身分秩序との関わりを分析する。
82
中世日本の国際関係 東アジア通交圏と偽使問題
橋本雄
初版2005・最終版2005年◆A5判◆364頁◆予価9720円(本体9000円)
朝鮮や明に現れた偽使たちを派遣した地域勢力から、室町幕府外交体制崩壊の過程を解明。国家と地域の関係を軸に、新たな国際関係像を構築する。
83
陸軍幼年学校体制の研究 エリート養成と軍事・教育・政治
野邑理栄子
初版2006・最終版2006年◆A5判◆304頁◆予価9180円(本体8500円)
なぜ陸軍は閉鎖的なエリート養成制度を作り出したのか。教育界の反発に対抗しつつ特権化を図る過程を、新発見の史料を駆使して解明。