第14位 『明日の記憶』荻原 浩
(光文社/1,575円/4334924468)
読み終わってからずっとタイトルの意味について考えている。若年性アルツハイマーに侵された主人公は忘れないようにメモをとる。妻の名前、娘の名前、孫の名前。どんなに辛く、悲しい作業だろう。それでも薄れていく記憶。そして… ラストは本当に希望にあふれているのか?私にはわからないし、タイトルの意味も答えを出せずにいる。これから主人公が、そして家族が直面する未来はきっと想像以上に辛いだろう。それでも私は思いたい。明日は必ず来るし、それは決して悲しいだけではないんだと。
【松野満帆・本町店】