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第15位 『夕凪の街 桜の国』こうの史代

夕凪の街 桜の国

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(双葉社/840円/4575297445)

 考えさせられます。ゆっくりと進む何気ない日常を描いた物語の中から、被爆者の忘れられないあの日の出来事。そして生きているというだけで感じてしまう罪悪感。やわらかく描いてあるからこそ、逆に原爆の恐ろしさがこみあげてきます。読むだけでは終わらない。読み終わってからも、いろいろな思いがかけめぐります。


【笹本麻由・札幌本店】

 60年前、ヒロシマの空の下で何があったのか、想像することしかできないわたしたち。この話の舞台は戦後の日本での何気ない日常ですが、主人公の女の子は色々なことを教えてくれます…。「お前がしあわせになんなきゃ姉ちゃんが泣くよ」

【岡部なおみ・札幌本店】

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