第14位『学問』山田詠美
(新潮社/1,575円)
海辺の町で成長していく四人の少年少女たち。方言のかわいらしさや大好きな故郷への思い、かけがえのない幼なじみへの気持ち・・・ その日々はきらきらと輝きに彩られているけれど、やがていつかは訪れる死の影も静かにそこにある。彼らは大人になることを怖がってはいない。自分の中に芽生えた扉に気がつくこと、その扉の開け方を知ること、上手く開けられるように繰り返すこと、これすなわち学問なり。好きなものこそ上手なれ。読んでいて身体中にじんわりと幸せがしみてきます。
〔北千住マルイ店・平野千恵子〕