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『MCSE教科書 TCP/IP—試験番号 70‐059 』ティッテル,エド/ハドソン,カート/スチュワート/J,マイケル(翔泳社)

MCSE教科書 TCP/IP—試験番号 70‐059

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MCPというのはMicrosoft社が行っている資格試験で、Windowsなどの技術力を認定するものである(MCSEはその上位資格)。こうしたベンダが行っている試験は、教材や受験料が高く、また以前はWindowsの信頼性も低かったことから、揶揄的に「MCP=危険物取扱技術者」などと呼ばれたこともある。したがって、IT技術者の中にはMCSEと聞いただけで拒絶反応が出てしまう人もいるのだが、MCSEは決してMicrosoft製品の詰め込み教育ばかりをしてMicrosoft信者を作り上げようというものではなく(その側面も強いが)、きちんとした基礎技術を理解させるようなカリキュラムになっている。

 特にここで紹介したTCP/IPの試験は秀逸で、ともすれば机上の学習で終わってしまいがちなTCP/IP関連知識が、実装製品ではどのように使われているのか詳細に問われる。試験制度が変わってしまったので、当該書籍は若干手に入りにくいかも知れないが、資格を取得する予定のない人やUNIX教徒も読んでおいて損はない一冊。

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