『伽藍とバザール—オープンソース・ソフトLinuxマニフェスト 』レイモンド,エリック・スティーブン(光芒社 )
インターネット上で何らかの業務を行う場合、いや個人の趣味の範囲内でインターネットを利用する場合でも、今や著作権関連のさまざまな知識で武装しておく必要がある。下手に知的財産権を侵害しようものなら、いつ何時訴えられるか分からない世の中である(他人を訴えるのを生業にしている人たちもいる)。例えば、画像ファイルの1種であるGIFに使用料が課されるという噂が流れたことがあるが、ネットユーザであればGIFファイルの1つや2つは必ず持っている。いきなり課金されてはたまったものではないが、現実にそうしたことは起こりうるのである。
しかし、「では権利関係の勉強を始めよう!」と思っても、各種の法令や規約が錯綜していて分かりにくいことこの上ない。そこでお薦めなのが本書である。元ネタになっているのはRaymondの論文「伽藍とバザール」。ネットに特有なオープンソース(いまさら恥ずかしくて人に聞けない用語の筆頭格)の中核思想に触れることができる。これ自体はネット上で有志の方々の和訳を手に入れることができるが、その他に有名な「魔法のおなべ」なども収録されていてお得だ。詳細法令の処理は弁護士に任せるとしても、その基本となる考え方はリテラシとして知っておこう。