書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2005-12-19から1日間の記事一覧

『アリラン坂のシネマ通り』川村湊 著(集英社)

→紀伊國屋書店で購入 「[劇評家の作業日誌](11)」 今年は韓国映画の新作旧作の上映がことの他目についた一年だった。 池袋・新文芸座での韓国映画特集に始まり、新宿・シネマスクエアとうきゅうでの連続上映、12月に入って大阪での「韓流エンターテ…

『哲学者エディプス : ヨーロッパ的思考の根源』グー,ジャン=ジョセフ・クロード【著】〈Goux,Jean‐Joseph Claude〉・内藤 雅文【訳】(法政大学出版局)

→紀伊國屋書店で購入 「オイディプスのヒュブリス」 あまり期待せずに読み始めたが、意表をつかれた。フロイト以来、オイディプスの神話は人間の心性にとって普遍的なものとされているが、その普遍性がギリシアの神話の普遍性との差異のうちに形成されたもの…

日常に「読点」を打つ~本と珈琲のある場所で憩う

→紀伊國屋書店で購入 ●『ブックカフェものがたり』(矢部智子ほか、幻戯書房) ●『東京古本とコーヒー巡り』 (交通新聞社) ●『東京待ち合わせ案内』 (プチグラパブリッシング) →昨年公開された侯孝賢監督の「珈琲時光」、小津安二郎へのオマージュ、一青…

『ほんとうの社会力』辻 秀一(日経BP社)

→紀伊國屋書店で購入 「ここ一番で力が出せない」という悩みをよく耳にする。職種や年齢には関係ないようだ。当然のごとく、学生たちもぼやいている。私も演奏家である自分の問題として、また指導者の立場からも「どうしたらステージであがることなく、普段…