日常に「読点」を打つ~本と珈琲のある場所で憩う
●『ブックカフェものがたり』(矢部智子ほか、幻戯書房)
●『東京古本とコーヒー巡り』 (交通新聞社)
●『東京待ち合わせ案内』 (プチグラパブリッシング)
→昨年公開された侯孝賢監督の「珈琲時光」、小津安二郎へのオマージュ、一青窈&浅野忠信の主演で話題になったが、タイトルには「珈琲を味わうときのように、気持ちを落ち着け、心をリセットし、これからのことを見つめるためのひととき」という意味が込められているのだという。浅野忠信演ずるは神保町の二代目古書店主(誠心堂書店が舞台)、タイトル通り、有楽町の「ももや」など喫茶店で珈琲を前に憩うシーンも登場する。
わさわさした日々の中で「読点」を打つ場所、というのがいくつかある。書店と喫茶店とはその最たるもので、私自身、仕事帰り、気持ちを切り替えるために寄り道してしまう場所でもある。「本」と「珈琲」はいつもつがいのようにある。
○刊行されたばかりの『ブックカフェものがたり』は、大阪の貸本喫茶「ちょうちょぼっこ」、神保町の「ボヘミアンズ・ギルド」など、少しずつ街に増えているブックカフェについての一冊。貸本屋+喫茶店、古(新刊)書店+喫茶店、喫茶店+店内閲覧用の本…とその形態はさまざま。本書は、9店の店主にブックカフェを開店したキッカケから「続けていくこと」の苦労にまで踏みこんだインタビューを中心に構成。開店のハウツー本としてもガイドとしても(巻末には全国のブックカフェ、ブックギャラリーリストを併載)楽しめる一冊だ。
ちなみに紀伊國屋書店でもロフト名古屋店に「エスパシオ紀伊國屋」、札幌本店内には京の老舗「イノダコーヒ」が併設されています。お近くの方はぜひ「読点」を打ちにきてください。