書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2006-03-20から1日間の記事一覧

『なにもかもなくしてみる 』太田 省吾(五柳書院)

→紀伊國屋書店で購入 「劇評家の作業日誌(13)」 今回は昨年から読み進めていた本書をとりあげよう。 太田省吾氏は、1960年代以降の現代演劇を代表する劇作家・演出家であり、77年に発表された出世作『小町風伝』以来、「沈黙劇」で知られる前衛的…

『Bestiary』Barber, Richard(TRN)(Boydell & Brewer)

→紀伊國屋書店で購入 「ベスティアリ」は13世紀に流行した動物譚のひとつ。イギリスで書かれた。著書の目的は自然科学の探求では毛頭ない。創造主が創りあげた自然の姿を通じて、原罪から逃れられない人間という存在を、神の体系内部へ誘うというもの。善性…

『いわいさんちへようこそ!』岩井俊雄(紀伊國屋書店)

→紀伊國屋書店で購入 「「子どもと遊ぶこと」へのレッスン」 ちいさな女の子が、窓辺でほおづえをついている。すぐ前にはぼうぼうと延びたミニトマト。結わえられた手製のウエルカム・ボードが風に揺れると、そこが「いわいさんち」だ。 「いわいさん」とは…