書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2008-07-22から1日間の記事一覧

『雲の都〈第3部〉城砦』加賀乙彦(新潮社)

→紀伊國屋書店で購入 「続いている話」 加賀乙彦のファンである。何がいいかというと、小説が長いからだ。たとえば、死刑囚の物語である『宣告』は新潮文庫で3冊(上|中|下)。第二次大戦前後を時代背景に、アメリカ人の妻を持つ日本の外交官・来栖三郎の…

『漁民の世界-「海洋性」で見る日本』野地恒有(講談社選書メチエ)

→紀伊國屋書店で購入 「終章 日本文化の基層としての「海洋性」」は、読みごたえがあった。著者、野地恒有の「海洋性」論に、引き込まれていく。それまでの第一~五章の具体的な事例で、のんびりした海辺の情景を楽しんできただけに、その落差は大きい。そし…