書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2008-10-02から1日間の記事一覧

『兄弟(上)(下)』余華著、泉京鹿訳(文藝春秋)

→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 「ごった煮の鍋とひんやりした緑豆」 上下2巻で合計900ページほどの大冊だが、こんなに読みやすくていいのだろうかと思うぐらい、読みやすい。作品は「文革篇」「開放経済篇」の2部構成。激動の現代中国を背景に…

『田辺茂一と新宿文化の担い手たち』 ほか、新宿歴史博物館刊行物を絶賛販売中!

ただいま、新宿歴史博物館(※)の人気刊行物を期間限定で販売中です。 新宿本店5階、特設ワゴンにて取り扱い中! 目玉はなんといっても、1995年に開催された特別展「田辺茂一と新宿文化の担い手たち―考現学、雑誌“行動”から“風景”まで」の図録。 長らく絶版…

『わたしの戦後出版史』松本昌次(トランスビュー)

→紀伊國屋書店で購入 「回顧からは希望はみえず。希望は自分たちでつくりだそう」 出版不況といわれて幾星霜。月刊現代、月刊プレイボーイという歴史のある雑誌が休刊される。一方で、年間8万タイトルの書籍が生み出され、その約40パーセントが売れ残って…

『風景の意味―理性と感性』山岸 健【責任編集】(三和書籍 )

→紀伊國屋書店で購入 「策謀と誠実の両立」 全18考の収載論文の中で、北澤裕「インターフェイスと真正性」について考えてみたい。ヘルメス主義から新プラトン主義、策謀のマキャベリ主義と誠実さの相克。合理的ルネサンスの虚像があり、オカルト的ルネサン…