書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

2009-10-28から1日間の記事一覧

『甦る怪物 ― 私のマルクス ロシア篇』 佐藤優 (文藝春秋)

→紀伊國屋書店で購入 表題からすると『私のマルクス』の続編のようだが、実際は『自壊する帝国』の続編である。 前著は歴史の現場に立ち会った人の証言として圧倒的な迫力があったが、本書では崩壊の必然性が本格的に考察されるとともに、崩壊の瓦礫の下から…

『豆腐屋の四季 ある青春の記録』松下竜一(講談社)

→紀伊國屋書店で購入 「テレビに出ることの喜びと恥ずかしさを取り戻すために」 本屋の文庫本新刊コーナーで、本書が平積みにされているのを見た瞬間、鈍い予感が身体のなかを走った。これは何だか、とんでもなく面白そうだぞ、と。本書について何かの知識が…

石原千秋×紅野謙介 対談「今、「教養」を呼び戻すために」その3

河出ブックス創刊に際して行われた『文藝』誌上での対談の第3回(最終回)です。 ::::: 【発想の奥行きに応えていく選書として】 石原●選書と新書は書き手にとってどのように違うのかなと考えた時に、本屋さんに長く置いてもらえるというメリットは大…

『フードジョッキー その理論と実践』行友太郎・東琢磨(ひろしま女性学研究所)

→紀伊國屋書店で購入 「フードジョッキーとは、食物を騎手が馬を乗りこなすように使用する人のこと。一般的に、フードジョッキーは食物の選択を行い、料理方法を決定し、料理を実行することで、表現活動や空間演出を行う。Food JockeyがDisc Jockeyと対比し…